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藤井聡太竜王、3勝目をあげるか? 佐々木勇気八段、追いつくか? 11月15日から竜王戦七番勝負第4局

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 11月15日、16日。大阪府茨木市・おにクルにおいて、第37期竜王戦七番勝負第4局▲佐々木勇気八段(30歳)-△藤井聡太竜王(22歳)戦がおこなわれます。棋譜は公式ページをご覧ください。

 第1局藤井、第2局佐々木、第3局藤井と、ここまではいずれも先手番の側が勝っています。

 第4局では先後を入れ替えて、佐々木八段の先手となります。


 両者の過去の通算対戦成績は藤井6勝、佐々木3勝です。


藤井竜王近況


 藤井竜王の今年度成績は22勝7敗(勝率0.759)です。


 将棋日本シリーズ準決勝では、前回優勝のJT杯覇者として、広瀬章人九段と対戦しました。


 広瀬九段先手で、戦型は相掛かり。広瀬九段が飛を取らせる攻めを見せ、一気に激しい展開になりました。


 中盤、広瀬九段は藤井JT杯の反撃をうまくかわして優位に立ちます。終盤、藤井JT杯は粘って手を稼ぐ間に広瀬玉に迫り、一瞬、藤井JT杯が逆転したのではないかという場面も見られました。

 しかし再び広瀬九段が突き放し、最後は藤井玉を即詰みに討ち取って、137手で終局となりました。


 昨年度、一昨年度と、早指し制のトーナメント4棋戦ですべて決勝に勝ち上がっている藤井竜王。今年度は日本シリーズでは敗退となっています。

 一方、放映された銀河戦1回戦(8月収録)では狩山幹生四段に勝ち、ベスト8に進んでいます。


佐々木八段近況


 佐々木八段の今年度成績は19勝10敗(勝率0.655)です。


 大変な過密スケジュールの中、王将戦リーグでは黒星が続き、残念ながら陥落が決まりました。


 一方でA級順位戦では渡辺明九段に勝利。リーグ成績4勝1敗で、名人挑戦権争いに加わっています。



佐々木「9月までは調子はよかったんですけれど。10月、11月と、王将リーグも始まって、竜王戦も、タイトル戦も始まってっていうことで。かなり厳しい戦いになるかなっていうのは予想してたんですけど。やはりなんか、負けが込むと、なかなかきついなとは思ってましたけど。でも、その中でも、そうですね、なんかいまが踏ん張りどころというか」「竜王戦もなんとかまだ1勝してて。いまは踏ん張りどころかなって感じですね。でもやっぱり相手がみんな強いので。そうですね、なかなか将棋になんないこともあるんですけど。でも順位戦がなんとか4勝1敗っていう形だったので。この流れはうまく乗りたいなと思いますけど」


重要な七番勝負第4局


 どんな時間設定でも強い藤井竜王。2日制(持ち時間8時間か9時間)の七番勝負は13回戦って、いまだに敗退がありません。

 王者・藤井竜王に対して、挑戦者・佐々木八段は2勝目をあげることができるでしょうか。


将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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