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史上初。1試合に2度の「1イニング9球で3三振」。投手は違い、打者3人は同じ

宇根夏樹ベースボール・ライター
フィル・メイトン(ヒューストン・アストロズ)Jun 15, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月15日、ミシガン州デトロイトのコメリカ・パークでは、デトロイト・タイガースの野手3人がマウンドに上がった。それについては、「敗戦処理の方程式!? 野手3人が登板し、それぞれ1イニングを投げて試合を終わらせる」で書いた。

 同じ日に、テキサス州アーリントンのグローブライフ・フィールドでは、チームメイトの投手2人、ヒューストン・アストロズのルイス・ガルシアフィル・メイトンが「イマキュレイト・イニング」を達成した。1イニングに9球を投げ、3三振を奪った。ガルシアは2回裏、メイトンは7回裏だ。

 ベースボール・アルマナックによると、ナ・リーグとア・リーグで達成されたイマキュレイト・イニングは100度以上を数える。だが、これまでに、同じ試合はなかった。

 投球を受けたのは、どちらもマーティン・マルドナードだ。三振を喫した打者も同じ。テキサス・レンジャーズの3人、6番のナサニエル・ロウ、7番のイジーキル・デュラン、8番のブラッド・ミラーが、3球三振に仕留められた。ちなみに、彼らがこの試合で喫した三振は、他に皆無だ。ロウから始まったイニングも、他にはなかった。

 ガルシアとメイトンは、2人とも、初めてのイマキュレイト・イニングだ。ロウとデュランとミラーも、打者の一人になるのは、今回が初と2度目。マルドナードは、これまでマスクをかぶっていたことはなかったが、2019年6月5日の8回裏に、クリス・セール(ボストン・レッドソックス)が2度目のイマキュレイト・イニングを達成した時(「1シーズン2度の「イマキュレイト・イニング」は史上2人目。30日以内に2度は初めて」)、カンザスシティ・ロイヤルズのチームメイト2人に続いて三振を喫した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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