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2億7500万ドルの申し出を断ったFAが、1億530万ドルで契約。総額は2分の1以下だが…

宇根夏樹ベースボール・ライター
カルロス・コレイア Oct 22, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 カルロス・コレイアは、ミネソタ・ツインズの遊撃手として、今シーズンの開幕を迎える。契約は3年1億530万ドル(2022~24年)。最初に合意を報じたのは、FOX26ヒューストンのマーク・バーマンだ。この契約には、2つのオプト・アウトがついているという。今シーズンの終了後か、来シーズンの終了後に、コレイアは契約を打ち切ってFAになることができる。

 コレイアの契約は、総額の歴代トップ100に入っている。もっとも、高額とはいえ、目を惹くほどではない。このランキングにおける順位は、後ろから数えたほうが早い。

 今オフに限っても、コレイアの契約総額はトップ10に入らない(「鈴木誠也の5年8500万ドルと菊池雄星の3年3600万ドルは何位!? 今オフの契約総額ランキング」)。コレイアと同じ遊撃手のコリー・シーガーは、10年3億2500万ドル(2022~31年)でテキサス・レンジャーズに迎えられた。また、今オフではないが、こちらも遊撃手のフランシスコ・リンドーア(ニューヨーク・メッツ)は、昨シーズンの開幕直後に10年3億4100万ドル(2022~31年)の延長契約を交わしている。

 ツインズに落ち着く前に、コレイアは、少なくとも2つの申し出を断ったようだ。バーマンらによると、昨シーズンまで在籍していたヒューストン・アストロズからは、5年1億6000万ドル(2022~26年)を提示されたという。ESPNのバスター・オルニーは、デトロイト・タイガースが10年2億7500万ドル(2022~31年)の契約を申し出た、と報じていた。その後、コレイアは、代理人を変更している(「大物FAが代理人を変更したのは、手腕を買ったことだけが理由ではない!?」)。

 一方、報道のとおりだとすると、アストロズが提示した契約の年平均額は3200万ドル、タイガースは2750万ドルだ。コレイアが得た契約の年平均額は3510万ドルなので、それらよりも高く、シーガーの3250万ドルとリンドーアの3410万ドルも凌ぐ。

 コレイアの年平均額は、歴代4位に位置する。トップ3は、マックス・シャーザー(ニューヨーク・メッツ)の4333万3333ドル(3年1億3000万ドル/2022~24年)、ゲリット・コール(ニューヨーク・ヤンキース)の3600万ドル(9年3億2400万ドル/2020~28年)、マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)の3554万1667ドル(12年4億2650万ドル/2019~30年)だ。それまでの4位は、ちょうど3500万ドル(7年2億75000万ドル/2020~26年)の2人、スティーブン・ストラスバーグ(ワシントン・ナショナルズ)とアンソニー・レンドーン(エンジェルス)だった(「37歳の投手が3年1億3000万ドルの契約を得る。「年4000万ドル以上」は史上初」)。

 シャーザー、コール、ストラスバーグは先発投手、トラウトは外野手、レンドーンは三塁手だ。コレイアの年平均額はレンドーンより10万ドル高く、内野手では最も高額ということになる。おそらく、これは意図的なものだろう。

 コレイアの年俸は、3シーズンとも3510万ドルだ。今シーズンの終了後にオプト・アウトし、新たに9年3億590万ドルの契約を得ると、2022~21年の総額は、リンドーアと同額になる。3510万ドル(2022年)+3億590万ドル(2023~31年)=3億4100万ドルだ。オプト・アウトが来シーズンの終了後なら、8年2億7080万ドルでリンドーアに並ぶ。オプト・アウトしなかった場合は、7年2億3570万ドルで同額だ。現時点で27歳の年齢――28歳になるのは9月下旬――からすると、今後のパフォーマンス次第だが、こうした大型契約を手にするチャンスは十分にありそうだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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