ウェーバー移籍が実現しなかった選手を再びウェーバーにかける。獲得する球団があるとすれば、その理由は…
先月下旬、ロサンゼルス・エンジェルスがウェーバーにかけた6人のうち、5人は他球団へ移籍した。ランダール・グリチックだけは、獲得を申し出る球団がなく、エンジェルスに残った。
USAトゥデイのボブ・ナイテンゲールによると、エンジェルスは、グリチックを再びウェーバーにかけたという。ナイテンゲールは「どこかが考えを変え、彼を試してみようとするかもしれないので、エンジェルスは外野手のランダール・グリチックをウェーバーにかけた」とXに記している。
そんな球団はないような気もするが、可能性はゼロではない。
前回、グリチックと同じタイミングでウェーバーにかけられた選手のうち、エンジェルスからシンシナティ・レッズへ移ったハンター・レンフローとニューヨーク・ヤンキースからレッズへ移籍したハリソン・ベイダーは、どちらもグリチックと同じ、右打ちの外野手だ。
1人の選手に複数の球団が獲得の名乗りを上げた場合は、そのなかで最も勝率の低い球団が選手を得る。外野手を欲していて、レンフローあるいはベイダーを手に入れようとしたが、勝率がレッズを上回っていたため、獲得できなかった球団――今も外野手を求めている球団――が存在するかもしれない。
また、球団の事情が変わることもある。
例えば、今月初旬、マイケル・A・テイラー(ミネソタ・ツインズ)とホルヘ・ソレーア(マイアミ・マーリンズ)は、故障者リストに入った。テイラーは外野手だ。今シーズンはDH出場が多いソレーアも、守備につく時は外野を守る。両球団がグリチックに興味を示す示すかどうかはわからないが、ツインズは地区首位、マーリンズはワイルドカードの3番手に位置している。
ただ、今シーズン、グリチックは、ロッキーズで64試合に出場し、打率.308と出塁率.365を記録したものの、7月30日にエンジェルスへ移ってからの34試合は、打率.183と出塁率.233だ。ホームランは8本と5本なので、試合数からすると少し増えているが、こちらも、4年前にシーズン31本塁打のパワーを発揮しているとは言い難い。
なお、グリチックを獲得する球団があり、その球団がポストシーズンに進出しても、9月に入ってからの加入なので、グリチックは、ポストシーズンのロースターには入れない。
エンジェルスが先月下旬にグリチックらをウェーバーにかけた経緯、各選手の移籍先、その狙いについては、それぞれ、こちらで書いた。
◆「エンジェルスがFA直前の5人をウェーバーにかけて「売り」に出す。大谷翔平が含まれていない理由は…」