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じめじめした季節のエアコン 久しぶりにつけたら咳がゴホゴホ #専門家のまとめ

倉原優呼吸器内科医
(写真:イメージマート)

湿度が高いジメジメとした季節になると、色々な場所でカビや細菌が増殖しやすくなります。それらを吸入して、呼吸器の病気を発症してしまわないよう対策を講じる必要があります。

ココがポイント

▼エアコンに増殖したカビによってアレルギー性の肺炎を発症することがあります。

ジメジメした季節に増えるアレルギー性の肺炎 木造住宅に住んでいる人や専業主婦は注意(Yahoo!ニュース エキスパート 倉原優)

▼エアコンは可能であれば年2回、初夏の使用開始前は必ず掃除しましょう。

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▼熱中症にも注意。エアコンは「28度」にこだわりすぎないようにしましょう。

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エキスパートの補足・見解

梅雨の時期、久しぶりにエアコンをつけるご家庭が多いと思います。しかし、内部で増殖したカビやアレルゲンなどが一気に放出される可能性があるため、注意が必要です。

呼吸器内科でよく経験するのが、稼働させた当日~翌日に、喘息が徐々に悪化して受診するケースです。「季節の変わり目だから」と自己分析されている患者さんも多いですが、エアコンをつけたことがきっかけと気付かれないことも多いです。

また、トリコスポロンなどのカビによってアレルギー性の肺炎(過敏性肺炎)を起こすこともあります()。ひどい場合、入院を余儀なくされます。特に木造建築にお住まいの方は、注意が必要です。

図. 過敏性肺炎を発症しやすい条件
図. 過敏性肺炎を発症しやすい条件

重要なポイントは、久しぶりにエアコンを使用する場合、可能であれば清掃してからつける、あるいは窓を開けるなど換気した状態でつけるということです。

室内に飛散するカビなどの有機アレルゲンを除去する方法としては、空気清浄機があります。HEPAフィルターが付いている高性能のものならば、一定の効果があります。実際に部屋内に空気清浄機を置くことで、喘息の子どもの肺機能が維持できたという報告もあります(1)。

カビなどのアレルゲンを吸入し続けることで、慢性型の過敏性肺炎へ移行することがあり(2)、毎年のようにエアコンをつける時期に咳が出るなど、症状を繰り返している場合、呼吸器症状が出たタイミングで医療機関を受診いただくとよいでしょう。

エアコンでもう1つ気を付けたいのが熱中症です。猛暑でも「28度」に設定しないといけないと思い込んで、熱中症が悪化して受診する高齢者が毎年おられます。「28度」といのは、エアコンの設定温度ではなく室温の目安に過ぎないため、実際の室温をみながら調節するようにしましょう。決して無理しないことが重要です。

(参考)

(1) Vesper SJ, et al. J Asthma. 2023 Mar;60(3):479-486.

(2) Iversen IB, et al. Thorax. 2024 May 22:thorax-2023-221275.

呼吸器内科医

国立病院機構近畿中央呼吸器センターの呼吸器内科医。「お医者さん」になることが小さい頃からの夢でした。難しい言葉を使わず、できるだけ分かりやすく説明することをモットーとしています。2006年滋賀医科大学医学部医学科卒業。日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医・代議員、日本感染症学会感染症専門医・指導医・評議員、日本内科学会総合内科専門医・指導医、日本結核・非結核性抗酸菌症学会結核・抗酸菌症認定医・指導医・代議員、インフェクションコントロールドクター。※発信内容は個人のものであり、所属施設とは無関係です。

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