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エンジェルスからウェーバー移籍の5人中3人は、エンジェルスと同じ64勝70敗のチームへ

宇根夏樹ベースボール・ライター
ルーカス・ジオリト Aug 28, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ロサンゼルス・エンジェルスがウェーバーにかけた6人のうち、外野手のランダール・グリチックを除く5人は、移籍が決まった。

 先発投手のルーカス・ジオリト、リリーフ投手のレイナルド・ロペスマット・ムーアは、クリーブランド・ガーディアンズへ移った。

 ジオリトとロペスは、過去2度の移籍も一緒に動いている。1度目の2016年12月は、アダム・イートンの交換要員として、メジャーデビュー前のデイン・ダニング(現テキサス・レンジャーズ)とともに、ワシントン・ナショナルズからホワイトソックスへ移った。2度目は、この夏のホワイトソックス→エンジェルスだ。

 外野手のハンター・レンフローは、シンシナティ・レッズへ移籍した。レッズが手に入れた外野手はレンフローだけでなく、ニューヨーク・ヤンキースがウェーバーにかけたハリソン・ベイダーも獲得した。レンフローはパワーがあり、ベイダーは守備に優れる。2人が、ライトとセンターに並ぶこともありそうだ。

 リリーフ投手のドミニク・リーオンは、エンジェルスと同地区のシアトル・マリナーズへ移籍した。

 彼らがそれぞれ加わったチームのうち、ガーディアンズとレッズは、ここから浮上しないと、ポストシーズンには進めない。ア・リーグ中地区2位のガーディアンズは、5ゲーム差のミネソタ・ツインズに追いつく必要がある。ワイルドカードの3番手とは、11.5ゲームも離れている。ナ・リーグ中地区3位のレッズは、ミルウォーキー・ブルワーズと6ゲーム差。こちらはワイルドカードのほうが近く、3番手とは1ゲーム差しかない。

 ガーディアンズが3人――ローテーションに1人、ブルペンに右腕と左腕と1人ずつ――も獲得することができたのは、ウェーバーの順位が理由の一つかもしれない。1選手に対して複数の申し出があった場合は、その時点のシーズン勝率が低いチームの獲得となる。ガーディアンズの勝率.478(64勝70敗)は、エンジェルスとまったく同じだ。

 なお、ウェーバーにかけられて「売れ残った」選手は、グリチック以外にもいる。どちらも先発投手の2人、マイク・クレベンジャー(シカゴ・ホワイトソックス)とカルロス・カラスコ(ニューヨーク・メッツ)がそうだ。ガーディアンズは、ウェーバー公示中の先発投手のなかから、ジオリトを選んだ、ということになる。

 彼らのウェーバー公示と彼らの前にエンジェルスを去った選手については、それぞれ、こちらで書いた。

「エンジェルスがFA直前の5人をウェーバーにかけて「売り」に出す。大谷翔平が含まれていない理由は…」

「今年のエンジェルスで大谷翔平とチームメイトだった選手のうち、ポストシーズンに出場できそうなのは…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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