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不謹慎批判をぶっ飛ばせ、バラエティも麻雀も自粛なんて必要ない

木曽崇国際カジノ研究所・所長
(写真:アフロ)

サイバーエージェント×テレビ朝日で始まったばかりのネットTV放送局「AbemaTV」で予定されていた、「坊主麻雀」が放送延期になったことによって、出演予定だったホリエモンがお怒りの模様です。

熊本の地震への支援は粛々とすべきだが、バラエティ番組の放送延期は全く関係無い馬鹿げた行為。人のスケジュールを押さえといて勝手に何も言わずキャンセルするとはね。アホな放送局だ。 http://fb.me/28N1UsLX2

出典:twitter

まぁ、仰る通りですね。限りある公共の電波枠を使用する地上波局はまた別の社会的使命があるとしても、マルチチャンネルのネット放送局においてはバラエティ番組に「枠」を使ったところで、災害報道が滞るなんてことはないワケで、何の為に自粛をするかといえば、結局、そこから予見される社会的批判を避ける為の保身でしかないんですよね。

ただ、いわゆる「良識のある人々」から批判を受けることを承知で申し上げますと、我が国では例えば競馬ですらこのような災害時に自粛する必要性がないどころか、寧ろ積極的にそこから上がった 収益を災害復興の為に拠出することが法律上定められております。以下、競馬法からの転載。

(収益の使途)

第二十三条の九  都道府県は、その行う競馬の収益をもつて、畜産の振興、社会福祉の増進、医療の普及、教育文化の発展、スポーツの振興及び災害の復旧のための施策を行うのに必要な経費の財源に充てるよう努めるものとする。

(注:下線は筆者)

賭博業界に身を置く私がこのような「言い回し」をするのは本来は不本意ではあるのですが、この局面なのであえて申し上げれば、この国では公営の賭博事業、すなわち世間的には最も「不謹慎」批判を受けるであろう事業である競馬「すら」も、むしろこういう局面で積極的に事業を開催し、その収益を災害に振り向けるべきものとして法律で定められているワケです。であるのならば、なぜバラエティ番組の放送や、麻雀も含めて、民間が行う様々な事業活動の自粛を行う必要があるのでしょうか。

ちなみに本日4月17日は、中央競馬において最も格式のあるレースの一つ、皐月賞の開催日です。当然ながら、中央競馬会はレースの自粛なんてすることなく、粛々とレースの開催準備を進めているワケで、何か文句を言ってくる人間が居たら「行政機関である中央競馬ですらギャンブルやってるんだぞ。何で民間が事業の自粛をする必要があるのか」って言ってやれば良い。

寧ろ、幸いにも被害を受けなかった人々はどんどん経済を廻して、稼いで、その分を被災地に向かって振り向けましょう。それが、地震大国たる我々日本が、過去の数々の災害を経験しながら学んだ教訓であったはずです。

国際カジノ研究所・所長

日本で数少ないカジノの専門研究者。ネバダ大学ラスベガス校ホテル経営学部卒(カジノ経営学専攻)。米国大手カジノ事業者グループでの内部監査職を経て、帰国。2004年、エンタテインメントビジネス総合研究所へ入社し、翌2005年には早稲田大学アミューズメント総合研究所へ一部出向。2011年に国際カジノ研究所を設立し、所長へ就任。9月26日に新刊「日本版カジノのすべて」を発売。

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