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櫻坂46・大園玲が“ブルーオーシャン”を探す理由。初の写真集に「自信がないからこそ堂々としたくて」

斉藤貴志芸能ライター/編集者
撮影/河野英喜

櫻坂46の大園玲が1st写真集『半分光、半分影』を発売する。撮影前に徹底的な体作りに挑み、もともとスリムだったのをさらに8キロ絞ったという。そこまでした理由も他のことでも、たびたび「自信がないから」と口にする。キラキラした佇まいからは違和感を覚えるが、写真集のタイトルにも通じる背景があるようだ。デビューから3年の成長についても聞いた。

体作りはしても食べたらダメなものはありません(笑)

――写真集って、他の人のを見たりはしてました?

大園 はい。櫻坂46に加入する前から集めていました。白石麻衣さん、西野七瀬さん、その他たくさんです(笑)。自分もいつか出せたらいいなと思っていて、夢のひとつでした。

――同じ新2期生の守屋麗奈さんも、昨年8月に出しました。

大園 それも買いました。自分が今回の写真集のために体作りをしている期間だったので、私も頑張らなければと励みになりました。

――その体作りは「これまでのアイドル人生で一番といえるほど頑張りました」とコメントされていました。どんなことをしたんですか?

大園 ジムに通って筋トレをしました。トレーナーさんがメニューを組んでくださって、下半身を重点的にやる日もあれば、上半身中心の日もありましたけど、専門的な知識を教えていただきました。

――ハードなメニューもこなしたんですか?

大園 かなりしっかりめでした。あとは、食事管理を頑張りました。食べるのを我慢するというより、食べるものを改善する感じで。PFCバランスを考えて、たんぱく質を多めに変えていきました。

――お菓子とかは食べないように?

大園 この世に食べたらダメなものはなくて(笑)。たとえば、いただいたお菓子を食べたいなら、他のものを控えてバランスを取ったり、パズルみたいにしていました。

どれだけやっても「まだダメ?」と考えてしまって

――それにしても、写真集を出すとはいえ、大園さんはそこまでの体作りを改めてしなくても、問題なかった気もします。

大園 見た目を変えたいというより、「自分はこれだけのことを積み重ねた」と自信になるような気がしたんです。それが表情にも出るかなと思って、取り組みました。

――8キロ落としたそうですね。

大園 数字に捉われず見た目を重視するやり方もあると思いますけど、私は自分に自信がないので。どれだけやっても「まだダメなんじゃないか?」と考えてしまうんです。確認のために目に見える数字を知りたくて、体重は毎日計っていました。

――大園さんが「自分に自信がない」というのは意外です。ヴィジュアル良し、頭も良しで、シングル表題曲の歌唱メンバーにも続けて入っていて、傍から見たら自信満々でもいいくらいかと。

大園 自信はないんですけど、その自信のなさが伝わらないように、ステージに立つ人間として堂々としていたい気持ちはあります。

――見た目も結果的には、変わったところがありました?

大園 絞れたら自信がつくはずと考えていて、成果も出ました。自分的に一番頑張ったのは、お尻ですかね。キュッとなったかなと思います(笑)。

最初に水着を撮ったときはテレました(笑)

――初の水着やランジェリーにも、抵抗はありませんでした?

大園 そうですね。未知のものすぎて。でも、北海道で最初に水着を撮ったときはテレました(笑)。

――どんな写真集にしたいとか、大園さんの希望は反映されたんですか?

大園 準備期間に自信をつけてきた内面から、キラキラ感みたいなものが伝わる1冊になったらいいなと思っていました。

――最初に出た先輩たちの写真集を見て、取り入れたいと思ったことも?

大園 それはなかったです。自分らしいものにしたくて。

――衣装は好みのものですか?

大園 一緒に選ばせていただきました。普段あまり着ないような、明るい色のオレンジや青をたくさん着ています。普段と違うものを選んだわけではないですけど、たまたまそうなって。

――北海道と出身地の鹿児島で撮影したのは、大園さんの希望ですか?

大園 そうです。北海道は小さい頃からずっと、いつか行ってみたいと思っていたので。

――九州最南端の鹿児島生まれだけに?

大園 はい。北海道の景色は全然違ってました。本当に広大で、すごく自然豊か。移動の車で通った道路も広くて、開放感に溢れていて。そういうスケールの大きさは、初めて味わいました。

――南国育ちとしては、寒さを感じたりもしませんでした?

大園 私は暑いより寒いほうが好きです。でも、北海道で川の流れに足まで浸かったときは、水がキンキン冷たくて。頑張ったポイントでした(笑)。

子どもの頃に乗っていた路面電車を貸し切って

――森、洋館、露天風呂、釣り、浴衣など、ロケーションもシチュエーションも様々な写真集になりましたが、特に印象深い撮影場所はありますか?

大園 種子島では海から砂浜にかけて、地層が本当にきれいで。海外にいるような気分で楽しめました。

――鹿児島の大隅半島は、馴染みのある場所なんですか?

大園 はい。路面電車を貸し切って撮影したんですけど、その電車は子どもの頃、本当に乗っていたんです。昔のことをいろいろ思い出しました。

――大園さんの実家は、最寄り駅まで高速を使って1時間かかるとか。

大園 田舎です。でも、今は新しい高速道路が開通して、40分に縮まりました(笑)。

――そんな子どもの頃、熱中していたものはありました?

大園 いろいろなことをしてました。でも、外で元気に遊ぶより、室内で絵を描いたりするほうが好きでした。

謙虚と感謝は忘れないように教えられて

――『そこ曲がったら、櫻坂?』のスタッフアンケート企画で、大園さんについて「品があって育ちがいい」という声が上がっていました。どんな育て方をされたんですか?

大園 結構厳しい親だったと思います。「謙虚に」と「感謝を忘れずに」というのは今もずっと言われています。何かしてもらったら「ありがとうございます」と言ったり、お返しするなら小さいお手紙を付けることは、心掛けています。

――大園さんは成績もオール5を獲ったりで、あまり怒られたことはないですよね?

大園 いえ、たくさん怒られてました(笑)。兄と妹の3人兄妹で、私が一番怒られていたと思います。

――どんなことで?

大園 何だったかな? 毎日のように怒られていたので、これというのはないですけど、暴れたりはしていません(笑)。「何で? 何で?」と言う子どもだったので、うるさがられて「いいから、やりなさい」と言われてました。その「いいから」の意味合いが、大きくなるまで理解できなかったんだと思います。

新2期生の境遇が原動力に変わりました

――今回の写真集は23歳の誕生日に発売されます。誕生日はまだ嬉しいものですか?

大園 嬉しいですし、新しいスタートだと思います。気持ちが新たになる日です。年を取ることをプラスに考えられるような大人にもなりたいです。

――櫻坂46に加入してからは3年になりました。当初と変わったことはありますか?

大園 加入した当時は、一度セレクションに落ちて新2期生と呼ばれていて、先輩にも2期生にも追い付きたい意識がすごくありました。今は頑張るほど、新2期生で良かったと思えるようになって。この境遇が原動力に変わりました。

――坂道研修生時代の自己紹介動画では、自分の嫌いなところを「ビビりなところと、すぐ泣くところ」と語っていました。今はどうですか?

大園 そんなこと言ってました? 覚えてないです(笑)。今はビビりません。ということは、変われたんですかね。わりと「貫禄がある」と言われます(笑)。

――すぐ泣きもしなくなったと?

大園 いえ、すぐ泣きます(笑)。涙もろくて、感動しぃなので。

――最近だと、どんなことで泣きました?

大園 『アクトレス』という配信ドラマに出演させていただいて、完成して観て泣きました。家族の温かさがわかるシーンが多くて。自分の演技はちょっと恥ずかしいですけど(笑)、みんなの演技に涙しました。

トークアプリやブログでの表現はすごく考えます

――研修生の頃の大園さんはおとなしい印象がありました。櫻坂46に加入してから、意識して積極的に前に出たんですか?

大園 それはあります。新戦力として入ったからには、グループに良い変化をもたらせたい意気込みがあって。殻を破った感覚はありますけど、もともと親しい友だちとかの前では、ゲラだったりしたんです。自分が変わったというより、櫻坂46では周りのみんなにも素を出せるようになりました。今が本当の自分です。

――他の人がしないような努力をしてきたりは?

大園 ブルーオーシャン(従来なかった新しい領域)を探していました。やっぱり自分に自信がないからこそ、人がやってないことを見つけないといけない意識が強くて。トークアプリでの配信やブログでの表現の仕方はすごく考えました。

――確かに、ブログの文章は味がありますね。この3年の活動で、特に大きかったことというと?

大園 1stシングルの『Nobody's fault』で歌唱メンバーに選んでいただいたことは大きかったです。グループを変えたい、いい方向に進みたいと自分が思い描いていたことは、間違ってはいなかったかなと思いました。

――5枚目の『桜月』のカップリング曲『Cool』に続き、次は表題曲でセンターに立ちたい気持ちも?

大園 今は卒業された先輩方のポジションに入れていただいたり、今まで参加してなかった曲に急に入ったとき、周りのメンバーが受け入れてくれて、パフォーマンスができています。誰もが大事な存在だと感じる経験が増えて、どこにいても輝ける人になりたいと、考え方が変わりました。

バラエティで笑いをかっさらいたくて

――外仕事で『ラヴィット!』や『ジョブチューン』などにも出演してきましたが、バラエティにも意欲はありますか?

大園 バラエティ、大好きです! 小学生の頃に『ピカルの定理』を観ていたり、『しゃべくり007』は今でも毎週録画しています。出るからには笑いをかっさらいたい気持ちはもちろんあります(笑)。

――狙ってウケを取りにいっているんですか。

大園 ウケているかわかりませんけど、頭はフル回転させています。でも、考えてないところで不意に笑ってもらったりもするので、バラエティは奥深いなといつも思います。

――準備は念入りにしていくんですか?

大園 「この番組に出る」と決まったら、過去の放送はもちろん拝見します。あと、「声を大きく」と心の準備はしておきます。

――冠番組の『そこ曲がったら、櫻坂?』でも、地元グルメプレゼン企画で、すごく上手な紙芝居を用意してきたり。

大園 あれは2時間くらいで描きました。自分のできることには全力を掛けたいです。

クイズ番組は楽しいので挑戦できたら

――大園さんは『そこ曲がったら、櫻坂?』で地頭クイーンにもなっています。何度か出演したクイズ番組でも、頑張っていきたいとは思っていますか?

大園 自信はないですけど、クイズは純粋に楽しいので、挑戦できたらと思っています。

――知識的なことだと、先ほども「ブルーオーシャン」という言葉が出たり、全フロアが飲食店のビルで「レッドオーシャン(競合が多い市場)」とつぶやいたというエピソードがあります。そんなビジネス用語はどこで覚えたんですか?

大園 確かに言いましたね。でも、どこで知ったのかはわかりません。いつの間にか知っていました。

――子どもの頃の「何で? 何で?」が今もあるんですか?

大園 そうかもしれません。わからないことはすぐ調べます。

落ち込まないで切り替えられるようになりました

――この3年で、人として成長したと思うところもありますか?

大園 落ち込まなくなりました。前は気にしぃなところがあって、リセットするにも寝るしかなくて、無理やり次の日には忘れようとしていたんです。今も反省はしますけど、自然に切り替えられるようになりました。

――昔は「ケータリングを全部持ち帰る」という話もありました(笑)。

大園 それは訂正したいんですけど(笑)、テレビだと盛って言ったほうが面白いときもあるじゃないですか。なので、全部持ち帰るということはないです(笑)。

――今は自分磨きでしていることはないですか?

大園 写真集の準備期間にトレーナーさんに教えていただいた筋トレは今も続けています。有酸素運動をする生活リズムもあの期間のままです。

――ストイックですね。

大園 やると決めたらやります。でも、サボると決めたときはサボります(笑)。

――そこも切り替えですね。では、写真集を発売して誕生日を迎えて、次の誕生日までの1年はどう過ごしますか?

大園 3期生も入ってくれたので、尊敬されるような人になりたいです。カッコ良く言えば、背中を見せるということですけど、背中だけでなく(笑)、いろいろ行動で見せたいです。

撮影/河野英喜

Profile

大園玲(おおぞの・れい)

2000年4月18日生まれ、鹿児島県出身。

2018年に「坂道合同新規メンバー募集オーディション」に合格。坂道研修生での活動を経て、2020年に改名前の欅坂46に新2期生として配属。櫻坂46の1stシングル『Nobody's fault』から表題曲歌唱メンバー入りが続いている。配信ドラマ『アクトレス』(Lemino)に出演。写真集『半分光、半分影』が4月18日に発売。

櫻坂 46 大園玲 1st 写真集『半分光、半分影』

撮影/Takeo Dec. 発売/光文社

4月18日発売 2200円(税込)

「半分光、半分影」より(撮影/Takeo Dec.)
「半分光、半分影」より(撮影/Takeo Dec.)

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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