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医者になるだけの知識はあるのに…。残念な医者たちは手術室に現れる!【手術室は秘密の花園②】

繁和泉看護師・予防医学士・薬機法管理者

病院の中でも閉鎖空間である手術室。患者さんは常にいる状態ですが、麻酔によって眠らされているので、手術室内での出来事は覚えていません。

ゆえに手術室内は、医療従事者のみが存在している閉鎖空間とも言えるでしょう。

患者さんに対する接遇面を重視する時間が限りなく短い場所だからこそ、医療従事者の「真の姿」が見えやすい場所でもあると言えます。

今回は、「患者さんに善良で優しい医者」の、手術室だけで見せる裏の顔を紹介します。

患者の前で看護師を泣かすまで罵倒する

とある麻酔科女医のお話です。A先生は、その地方では遠方の病院でも評判を耳にする、いわゆる「いわくつき」の先生でした。

A先生は50代の独身女医。まじめで細やかに気が付くタイプ。患者さんにとっては少なくとも、悪いイメージを受けるような先生ではありません。

笑顔はない先生ですが、麻酔科診察のときに患者さんから直接的なクレームを受けるような先生ではありませんでした。

一見クールでまじめなA先生。しかし、手術室では豹変するのです。特に若い女性看護師のことが大嫌い

何かにつけて目ざとくあら探しをして、些細な突っ込みどころがあれば甲高い声で罵倒し続けます。

特にあらがない場合は、それはそれでご不満の様子。

無言で威圧しながら完全無視を決め込みます。(ちなみに男性看護師はお好きなようで、男性看護師に対して罵倒することはありませんでした)

看護師に対して高圧的な態度を取る医者は少なくありませんが、A先生はレベルが違いました。

普通高圧的な医者でも、少なくとも患者さんがいる前では、看護師に対して怒鳴り散らす前にブレーキがかかったりするはずです。

怒る場合は、スタッフルームに呼び出して怒ればいい話。

A先生は、これから麻酔をかけて手術を受ける患者さんがいてもお構いなし。

まだ起きている段階でも怒り始め、大声で怒鳴り出すのです。

例えばですが、病棟から入室した患者さんの、点滴の位置が少しでも適さない位置だった場合。

もしくはどうしても目的の位置で針の刺入ができない場合。

それをA先生が見つけると…

A先生「ちょっと待ちなさい‼‼あんた何でこんな位置(点滴の場所のこと)で取ってきたの⁉」
A先生「決められた位置に取る理由わかっているの!ちゃんと理由を理解していないからこんなバカな位置で取ってくるんでしょう⁉」

病棟看護師「す、すみません…。どうしても血管が細くてはいらなくて…」

A先生「だったらあんたは看護師じゃないわ!スキル不足もはなはだしい!学生から一度やり直してきなさいよ!!」

病棟看護師「す、すみません…。」

A先生「しょうがないからあんた!!点滴取り直しなさい!」

手術室看護師「わかりました…」

A先生「一発で決めなさいよ!やり直しにだってコストがかかっているんだからね!」

こんな環境の中、おびえずに再度点滴を取り直すなんて新人看護師にとっては至難の業です…

残念ながら、あえなく失敗…

A先生「あーもう!この病院の看護師はクズばっかり!クソばっかり!バカばっかり!」

怒りながら看護師に向けて、自分が持っていたボールペンを投げつけます。

当然ですがこのような状況に、患者さんもすっかり怯えていました。

若い看護師や新人看護師はA先生の対応に怯えて、毎年必ず数人はやめてしまう有様です…。

患者さんはこれから受ける手術に、不安で怯えながら手術台に横になっているのに…。

罵倒している人物から麻酔をかけられ、眠りにつくのはどのような気持ちなのかといつも患者さんに対し、申し訳なさといたたまれのなさを感じていました。

あまりにもヒステリックすぎて、何か精神的な疾患を抱えているのでは?と噂されるほどのA先生。

手術室での傍若無人ぶりはその地域では非常に有名。

他の病院では雇ってもらえないようで、このような事態になってもずっとその病院から移動しなかったのです。

手術中に「できません」と泣き崩れる外科部長

もう一人の残念な先生。T先生は泌尿器科医の部長として働いていました。

外来の診療中はいつもニコニコして丁寧で優しく、患者さんに対しても比較的低姿勢。患者さんの評判は上々で、外来はいつもそれなりに混雑していました。

外科の病院だったので、手術もする病院でしたが…。

T先生の外来の評判はすこぶる良いものの、手術の腕は壊滅的にダメだったのです。

開腹して直接的に目で見る手術も下手。

内視鏡をしてみれば上下左右がわからなくなり、アームの操作がぐちゃぐちゃになるなどとても不器用だったんです。

なぜ外科医を選択したのか?と疑問になるほど…。

そしてT先生、患者さんがいなくなるとなぜだか看護師に対しては高圧的になります。言葉尻は相変わらず優しいのですが、目がつり上がり口調がきつめになってくるんですね。

しかも、看護師全員に対してだけではなく、ちょっと性格のきつい看護師や自分より年上の看護師に対してはこのような対応をせず、患者さんと同じように低姿勢になるのだから不思議。

自分より弱いと判断した看護師に対してだけ、攻撃的になるT先生だったのです。

看護師に対しての差別的な対応に、スタッフからは嫌われていたT先生。

手術室では看護師との関係性が悪くなると器械の受け渡しがスムーズに行かなくなったり、看護師のサポートしなくてはという気持ちも薄くなりがち。

看護師との関係性をうまく作れている先生と比較すると、スムーズに業務が進まなくなるケースだって少なくありません。

T先生も完全にそのタイプでした。もともと手術は下手なのにサポートしてくれる看護師との関係性も悪かったため、うまくいかないとなおさら手術の進行に影響を及ぼします。

ある日、T先生と助手の先生が1人、器械出しの看護師で、少し難しい手術に入っていました。

器械出しの看護師は、若いけれども非常に優秀。

少し難しい手術だったのですが、患者さんから「是非T先生に!」という希望があったので、T先生は仕方なく別の先生に回すのではなく自分が担当することにしたのです。

手術をスタートさせると予想通り。T先生はうまく進行しない手術に焦りだして、隣にいる若い看護師を罵倒し始めました。

T先生「はい!って言ったらスムーズに出しなさいよ!」
T先生「状況をよく見たら何を出したらいいのかわかるでしょ!!」


看護師「そんなこと言ったって、先生!!「はい」じゃ、何(使用する器械)が欲しいか分かりません!」

看護師「手術の流れを見て何が欲しいか、把握できる状況なら別ですが…先生自身がこの後どうしようか悩んでいますよね?

看護師「そんな状況で先生が使いたい器械なんて分かりませんよ!」

看護師「ご自身でどういった手術をしようとかって考えてきてるんですか?自分がうまくいかないからって、私に当たらないでください!

この一言にT先生は撃沈。まさに今の状況を、今までバカにしていた若いナースに指摘されたのが相当ショックだったのでしょう。

清潔な状態である手術着のまま突然床に座り込み…

T先生「すみません…僕、これ以上はできません…」

と泣き崩れてしまいました…

結局この手術は、T先生の後輩である優秀な医師が引き継ぎ終了しましたが…

途中で泣きながら手術を投げ出す医師を始めてみました…

看護師×医師との関係性は永遠のテーマ

いつの時代でも医師と看護師の関係性は、医療業界における治療環境の良し悪しを左右する重要な要素です。

外から見て看護師と医師の関係性が良好だと感じられるようであれば、より良い環境で治療を受けられるでしょう。

医師の腕に着目するのももちろん重要ですが、看護師とどのようにチームワークを取っているかという部分にも目を向けてみてくださいね。

看護師・予防医学士・薬機法管理者

【医療・美容・健康・ヘルスケア・子育てに関するリアルな情報を発信】兄妹の子育てをしながら働くワーママ。保有資格を活かしながら実際の現場で得た自身の知識や経験をもとに「誇大表現にならないリアルな情報をユーザーに届け、ユーザーが自分にとって適切な判断ができる」情報発信を追求。Well-beingな社会を目指す。

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