ここ5年とも規定打席未満の打者に2年3700万ドルの価値はあるのか
今オフ、ジョク・ピーダーソンは、1400万ドル(解約金300万ドル)の相互オプションを破棄し、アリゾナ・ダイヤモンドバックスからFAになった。
どうやら、それを上回る契約を得ることができたようだ。ESPNのバスター・オルニーらが、テキサス・レンジャーズと2年3700万ドル(2025~26年)の契約で合意、と報じている。そこには、2025年のオフにオプト・アウトできる――契約を打ち切ることができる――権利がついているという。
ピーダーソンは、2019年に打率.249と出塁率.339、36本塁打、OPS.876を記録したが、11シーズンのうち、規定打席に到達したのは、2015年と2019年の2度だけだ。
2022年までは外野を守っていたが、2023年は主にDHとして出場し、2024年は一度も守備につかなかった。年齢は、来年4月に33歳となる。
もっとも、控えというよりは準レギュラー、あるいは、右打者と併用の左打者、と形容したほうがいいだろう。ここ4シーズンとも、120試合以上に出場し、打席は420を超えている。162試合の場合、規定打席は502だ。ホームランは18本→23本→15本→23本、出塁率は.310→.353→.348→.393、OPSは.732→.874→.764→.908と推移している。
上下はあるものの、この4シーズンのトータルは、出塁率.350、79本塁打、OPS.818だ。1シーズンに20本前後のホームランと.350前後の出塁率と考えれば、3700万ドル÷2年=年平均1850万ドルの契約は、払いすぎではない気がする。2024年に記録した23本塁打と出塁率.393と同水準なら――ピーダーソンは、来オフにオプト・アウトの権利を行使して再びFA市場に出るだろうが――レンジャーズにとっては「安い買い物」となり得る。
2024年の出塁率.393は、400打席以上の207人中、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)の.458、ホアン・ソト(当時ヤンキース/現ニューヨーク・メッツ)の.419、ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)の.396に次ぎ、4番目に高い。OPS.908は10位だ。15.96打数に1本のホームランは、20本塁打以上の90人中、16位に位置する。
なお、2020年のオフにドジャースからFAとなってから、ピーダーソンは、どのオフもFA市場に出ている。今オフは、5年連続5度目だったということだ。また、2020年と2021年は、それぞれ、ロサンゼルス・ドジャースとアトランタ・ブレーブスで、2年続けてワールドシリーズ優勝メンバーとなっている。