岡山地裁、「研究不正告発で解雇」無効の仮決定~岡山大学事件続報
解雇無効
岡山大学医学部の研究者らに研究不正の疑いがあると指摘した同大学薬学部の教授が、「教員としての適性を欠く」として解雇されるという信じがたい事件については既にお伝えした。
この件については、この半年常に気にかけてきたが、ここにきて動きがあった。
詳細は、この問題を追っているサイエンスライターの片瀬久美子氏のブログに詳しいので、ぜひご覧いただきたい。
大学は争う構え
この決定に、大学は争う構えのようだ。
研究不正を告発したことが、大学の名誉を害する行為であり、教員としての適性を欠くことになるというのは、岡山地裁ならずとも、理解しがたいことだ。
もしも、研究不正を告発する行為が、名誉を害する行為となるとの先例ができるならば、これが抑止力になり、今後研究不正を告発するという行為が行いにくくなってしまう。これでは日本が「研究不正大国」として不名誉な評判を得てしまうことにもつながりかねない。地位確認訴訟の動向を注視していきたい。
こうした事態が発生するのは、制度の不備が原因でもある。文部科学省や研究資金助成機関(ファンディングエージェーンシー)は、こうしたことがないよう、制度を改善してほしい。
苦しい状況におかれた森山先生たちの精神的な負担を思うと、心が痛む。一刻も早く研究現場に戻ることができることを心より願う。
現在、森山先生を支援する会が活動を行っている。この件に関心がある方はぜひホームページをご覧いただきたい。