花を食べる?「花咲かりん」は三重県産食材に拘ったかりん糖!お洒落でパリパリ、軽やかな食感です
今年の秋はどんな秋を過ごしましたか?酷暑を引きずっていたり、そうかと思えば急に冷え込んだりと、秋らしさを体感できたのは一瞬のことだったかと思います。
長引いた夏により、栗や松茸といった農作物にも大きな影響がでましたね。とはいえ、農家さんや職人さんをはじめ、食に携わる全ての方に感謝しつつ有難く食欲の秋を満喫させていただきました。
さて、秋といえば芸術の秋。和菓子の世界でも、さまざまな技法を凝らした秋の彩を表現したお菓子が出そろいましたが、実は冬でも美味しくいただける繊細で芸術性の高い和菓子、しかも日本人にもなじみ深いあるお菓子があるのです。
今回は三重県にお店を構える創業平成24年のお店「花咲かりん」さんの定番でもある「花咲かりん」をご紹介。
花咲かりんにはホウレンソウやトマトなど、食材由来の色を活かしたフレーバーが揃いますが、今回は(私の好きな色ということもあり)紫芋と黒胡麻の二種類を。
かりんとう、と申しますと黒糖を纏った棒状の駄菓子…のイメージですが、実は場所により様々な色や形へと発展していったお菓子。
その中でもひと際アーティスティックな花咲かりんは、向こう側が透けて見えるほど羽衣のような薄さ。そっと取り出さないとあっという間にはらはらと崩れてしまいます。
三重県伊賀市の米粉や三重県産の小麦粉を使用した生地、更に揚げ油でもある菜種油まで三重県産に拘るという地元の食材を大切に、そして最大限に活かすことに拘りをもち、それぞれの甘味やまろやかさを石垣島産の塩できゅっと引き締めて。
生地をタイの伝統菓子でも使用されるカノムドークジョーク型という花形の型につけて揚げているのでしょうか。見た目は確かに似ていますが、優しい甘味や香ばしさは確かにかりんとう。
紫芋の優しくふんわりとした優しい甘味に塩気が絡み、まろやかな塩気のあとにほくほくとした上品甘さが後を追ってきます。小さ目の一口でも、紫芋の味わいが濃厚なのも印象的。
また、黒胡麻は渋みやえぐみもしっかりと感じられる大人味。かといって嫌な感じは全くせず、より風味を豊かに仕上げてくれるようなエッセンスへと昇華しています。一日寝かすことにより余分な油をカットしているという嬉しい配慮も。
花びらを折る、花弁を食む…なんだか幻想的かつ耽美な花咲かりん。かりんとうに対して、官能的な美しさを連想させるというのは初めての経験でした。
<花咲かりん・本店>
公式サイト(外部リンク)
三重県伊賀市上野中町2993
0595-22-0707
月曜~金曜 10時~18時
土曜9時~17時(物販のみ)
定休日 日曜