「なごやめし総選挙」始まる! 地元ライターが独断でランキングを大胆予想
バラエティ豊かな「なごやめし」28品目+αの中からネットで投票
「1億人のなごやめし総選挙2022」が始まりました。「食べたい」「食べてみたい」という“推し名古屋めし”にネットで誰もが投票できるという企画で、期間は2022年1月31日~3月1日のちょうど30日間。開票後、3月4日に結果が発表されます。
エントリーしている(投票対象)名古屋めし(企画タイトル・主催団体名は「なごやめし」と平がな表記、他、本文中は「名古屋めし」と表記)は下記の28品目。これ以外のものも自由記入欄から投票できます。
ひつまぶし、味噌煮込みうどん、味噌カツ、手羽先、きしめん、あんかけスパ、天むす、どて煮、鉄板スパ、台湾ラーメン、味噌おでん、小倉トースト、エビフライ、鬼まんじゅう、モーニング、カレーうどん、名古屋コーチン、ういろう(ういろ)、えびせんべい、守口漬、台湾まぜそば、コーヒーぜんざい、エビおろしうどん、ころ(きしめん・うどん)、志の田うどん、ベトコンラーメン、とんちゃん、たまり煮込み
誰もが知る有名な名古屋のご当地グルメが並ぶ一方で、他地域ではほとんど知られていない料理や、地元の人でも「えっ、これって名古屋だけのものなの?」と意外に感じるメニューまで幅広くラインナップされています。いずれにしても地域限定のグルメがこれほどバラエティ豊かに挙げられること自体、名古屋めしの大きな特徴といえます。
優勝を決めるのではなく“これが『なごやめし』”の範囲を探る
「優勝メニューを一品決めるというよりも、今、人々が認識する“なごやめしの範囲”を確認したいと考えています」というのは主催するなごやめし普及促進協議会。
「なごやめしには様々な解釈があり、誰が決められるというものでもありません。しかし、なごやめしを語るには、何がなごやめしかを説明する必要がある。そこで、2015年に当協議会を設立した際、様々な意見やメディアの情報を総合し、いったん幅広い候補メニューとして提示したのが今回と同じ28品です。投票は1日1回8品まで。一品だけとなるとどうしても王道や認知度の高いメニューに票が集中してしまいますが、複数投票できることで、幅広いなごやめしの範囲を探ることができます」
地元の人はもちろん、なごやめしを食べたことのない人、名古屋に来たことがない人にも参加してもらいたい、とも呼びかけます。「投票をきっかけになごやめしに興味を持ってもらい、現地での食体験につなげていただきたいと思っています」
投票者への特典も多数。最大5000円のギフト券が当たり、フォロー&ハッシュタグ投稿でカタログギフトが当たるキャンペーンを展開。さらに総選挙応援サポーターである名古屋グランパスと名古屋おもてなし武将隊が、それぞれ名古屋めしの動画をTwitterでアップするなど、あの手この手で総選挙を盛り上げます。
過去の名古屋めしランキングから傾向を分析
さて、選挙の趣旨は順位によって優劣をつけることではないとのことですが、やはり投票結果を予想するのも選挙の楽しみ方のひとつ。そこで、名古屋めし取材歴30年、“名古屋めし界の池上彰”の異名をとる筆者が(ウソです。勝手にいいました)、大胆予想してみることにします。
まず過去に行われた名古屋めしランキングから傾向を分析します。
□All About「名古屋と聞いて思い浮かぶご当地グルメは?」
3つのランキングに共通するのは「ひつまぶし」「味噌煮込みうどん」「味噌カツ」「手羽先」が4強として盤石の強さを誇ること。筆者はこれを「名古屋めし四天王」と呼んでいます。
「きしめん」「あんかけスパゲティ」「台湾ラーメン」の麺類が第2グループとしてこれに続き、「天むす」「小倉トースト」「モーニング」「名古屋コーチン」「エビフライ」もベスト20の常連。「どて煮」「味噌おでん」「カレーうどん」は地元票が多いと20位圏内に食い込んできます(ちなみに「カレーうどん」は名古屋で独自に進化した“名古屋流カレーうどん”が地元では浸透しています)。
名古屋めし四天王の首位争いにダークホースの躍進も?
これら過去のランキングを参考にしつつ、近年の動向も考慮しながら、総選挙での順位を予想していきます。
トップ争いは「ひつまぶし」「味噌煮込みうどん」「味噌カツ」の三つ巴。ごちそう感で他地域の人からの期待感が大きい「ひつまぶし」、日常食として名古屋人の支持を手堅く得るであろう「味噌煮込みうどん」がしのぎを削る中、専門店に食堂、弁当とすみずみまで票田をはり巡らす「味噌カツ」も“豚”視眈々と首位をうかがいます。
「手羽先」は「風来坊」「世界の山ちゃん」の2大チェーンが名古屋以外にも数多く出店しているので他地域から票を集めそう・・・と考えるのは早計。全国でウケる味のため逆にご当地限定のイメージは先の3品ほど強烈ではなく、一方で地元では居酒屋の肴としても家庭での惣菜としても親しまれているので、地元票の割合が増えるほどトップ3に食い込むチャンスも出てくるはずです。
この「名古屋めし四天王」に続くのは「きしめん」。伝統ある名古屋の郷土食で、全国的な知名度は名古屋めしの中でも随一。新幹線ホームの立ち食いの人気もあって、最も食べられている名古屋めしといって間違いないでしょう。一方で地元では長らくきしめん離れが進んでいたのですが、ここ数年じわじわ人気を盛り返し、昨年は話題の新店のブレイクもあって再評価の気運が本格化しています。ただし対象の28品目の中に「ころ(きしめん・うどん)」があり、票が割れそうなのが不安材料です。
「あんかけスパゲッティ」「台湾ラーメン」は熱烈なファンが多く、手土産にうってつけの「天むす」もコツコツ票を伸ばしそう。喫茶店の「モーニング」も他府県の人の期待が大きくあなどれない存在です。
ダークホースは「小倉トースト」。近年、おみやげスナックシーンで手羽先テイストに続くほど小倉トースト風お菓子が増えていて、さらに昨年は地元パンメーカーが共同でレシピ開発するなど俄然存在感が高まっています。パンメーカー各社のSNS発信も精力的で、関係者とファンによる組織票を集められる可能性もあり。1人何度でも投票できるというルールは小倉トーストの順位を大きく押し上げるかもしれません。
発表! 名古屋めしライター・大竹のランキング予想
こうした分析から導き出した名古屋めしトップ10。筆者・大竹による「なごやめし総選挙2022・ランキング予想」は以下の通りです!
1位 味噌煮込みうどん
2位 ひつまぶし
3位 味噌カツ
4位 手羽先
5位 きしめん
6位 あんかけスパゲティ
7位 小倉トースト
8位 台湾ラーメン
9位 モーニング
10位 天むす
最も悩んだのはやはり1、2位。総選挙では「食べたい」と「推し」、候補選びのポイントとして2つのフレーズを併用していて、どちらに主眼を置くかが勝負の分かれ目になりそう。「食べたい」という視点で票を投じる人が多ければごちそうグルメの「ひつまぶし」が、日ごろから食べている料理を「推す」なら気軽に食べられる「味噌煮込みうどん」が優勢となるはずです。名古屋人の筆者としては、予想を的中させること以上に「推す」を優先し、普段食べる機会が多い味噌煮込みうどんを1位に挙げることにしました(悩みに悩んで3回書き直しました)。
結果発表は3月4日。筆者の予想は果たしてどれだけ当たっているか?是非答え合わせをお楽しみください。そして、皆さんも選挙に参加して、名古屋めしへの関心を高め、「食べたい」「推し」名古屋めしを味わいに名古屋へ来てください!
(トップ画像はなごやめし普及促進協議会提供、他、名古屋めしの写真はすべて筆者撮影)
※結果と答え合わせ記事はこちら(2022年3月4日)