大坂なおみ勝訴! 元コーチが生涯獲得賞金の20%を求めて起こした訴訟が棄却される
テニスプレイヤーの大坂なおみに対して、元コーチのクリストフ・ジーン氏が「大坂の得る生涯獲得賞金と契約金の20%の支払い」を求めて起こした訴訟について、9月13日、南フロリダの裁判所は訴えを棄却した。
law.comが報じている。
ジーン氏は“コーチする見返りとして、大坂らは賞金や契約金など大坂姉妹の生涯報酬の20%を支払うことに同意したものの、全然支払っていない”と主張、今年2月、大坂なおみ、姉の大坂まり、父親のレオナルド・フランソワ氏に対し、「契約違反」や「不当利益」という理由で、訴訟を起こしていた。
裁判所の棄却命令文の中でジーン氏は、“2011年に大坂姉妹のコーチを始めたが、コーチ代やテニス道具代、テニストーナメントに行く旅費などを支払われなくなったため、2012年3月21日、大坂姉妹の父親のフランソワ氏(大坂姉妹の代理として)と「大坂姉妹の生涯報酬の20%支払い」に関する契約を交わした”と主張している。
まず、契約違反という訴えについてだが、ジーン氏の訴えが認められるには、その契約書が法的効力があるものでなくてはならなかった。この場合、法的効力を得るには、裁判所から承認を得なくてはならなかった。フロリダ州の法律では、未成年者とプロスポーツ契約を結ぶ場合、契約書が裁判所に提出されて承認を受ける必要があるからだ。ジーン氏が契約を交わしたと主張している当時、大坂なおみと大坂まりはそれぞれ14歳、15歳と未成年だった。そのため、ジーン氏は裁判所から契約書の承認を得る必要があったが、承認を得ていなかった。
そのため裁判所は、契約違反という訴えについて、
「ジーン氏が契約の正当性を立証したいのなら、裁判所に契約書を提出して承認を受ける必要があった。どの裁判所もこれまで契約書を承認していないし、大坂とまりは契約書を否認したため、契約書は有効ではないか法的効力がない」
と判断した。
また、裁判所は不当利益という訴えも棄却したが、それは、フロリダの裁判所が“人は未成年者に対しては不当利益ということでは訴えられない”と常に判示してきたからだという。
父フランソワ氏は子供達の代理として行動していたことから、同氏に対する不当利益という訴えも棄却された。
ジーン氏の代理人は裁判所の判断についてコメントを控えているようだ。