日本人メジャーリーガーが達成しそうな日米通算記録。青木は2000安打、田中とダルビッシュは150勝
日米合算の記録をメジャーリーグのみの記録と比べる意味はさておき、選手個人としてのマイルストーン(金字塔)であることは間違いない。今シーズンも、何人かの日本人メジャーリーガーが区切りの数字に到達しそうだ。
青木宣親(ヒューストン・アストロズ)は、「日米通算2000安打」まで残り35本としている。過去4年とも、5月末時点のシーズン安打は45本を超えていた。フルタイムのレギュラーでなくとも、後半戦を迎える前には2000安打に辿り着くだろう。
すでに日米通算4308安打を放っているイチロー(マイアミ・マーリンズ)は、「日米通算3500試合」まで49試合、「日米通算15000打席」まで436打席とする。今シーズン中の3500試合は確実だが、15000打席は来シーズンに持ち越すかもしれない。2015年は438打席、2016年は365打席だった。ちなみに、それぞれのNPB最多は谷繁元信の3021試合と野村克也の11970打席、MLB最多はピート・ローズの3562試合と15890打席だ。
昨シーズンは、イチローの日米通算安打がローズの4256安打を超え、その価値が論議を呼んだ。ただ、通算試合と通算打席はそこまで目を惹くスタッツではなく、同じようなことは起きないと思われる。
また、イチローがメジャーリーグで挙げた通算760打点は、松井秀喜と並んでいる。今シーズンの初打点により、松井を抜いて日本人メジャーリーガーの単独トップに立つ。
投手では、ダルビッシュ有(テキサス・レンジャーズ)と田中将大(ニューヨーク・ヤンキース)が、揃って「日米通算2000イニング」と「日米通算150勝」に近づいている。2000イニングには、ダルビッシュが先に達するはずだ。残り86.0回のダルビッシュに対し、田中は倍以上の195.0回を要する。田中は昨シーズンに199.2回を投げたが、その前の2年は規定投球回に届かなかった。
一方、150勝はどちらが先か予断を許さない。ダルビッシュはあと11勝、田中は12勝だ。レンジャーズとヤンキースは、6月23~25日と9月8~10日に対戦する。9月の3連戦で2人が立て続けに150勝目を挙げるか、ともに残り1勝として同じ試合で投げ合い、一方が到達することも――いずれにとっても通過点のマイルストーンに過ぎないだろうが――あり得る。
田中は「日米通算250先発」にもリーチをかけており、こちらは前田健太(ロサンゼルス・ドジャース)もそうだ。田中はシーズン3先発目、前田は初先発で到達する。なお、現時点の日米通算登板は、2人とも250試合だ。どちらもMLBでは先発しかしていないが、NPB時代にリリーフとして投げた経験を持つ。前田はあと88三振で「日米通算1500奪三振」にも辿り着く。
3投手よりもキャリアの長い岩隈久志(シアトル・マリナーズ)は、「日米通算2500イニング」と「日米通算2000奪三振」に手が届く位置にいる。残りは106.1回と127三振だ。昨シーズンは199.0回と147奪三振を記録しており、健康に過ごせば両方とも達成できる。
さらに、日米通算ではないが、岩隈は147.1回を投げると、日本人メジャーリーガー4人目の「MLB通算1000イニング」にも到達する。ダルビッシュもあと188三振で、野茂英雄に続く日本人メジャーリーガー2人目の「MLB通算1000奪三振」だ。
達成可能なメジャーリーグ記録のマイルストーンは、他にもある。昨シーズンまでボストン・レッドソックスで投げた2人のうち、上原浩治(シカゴ・カブス)は「MLB通算100セーブ」まで7セーブ、田澤純一(マーリンズ)は「MLB通算100ホールド」まで22ホールドとしている。
カブスのクローザーは、上原ではなくウェイド・デービスの予定だが、昨シーズンの上原は主にセットアッパーとして投げ、7セーブを挙げた。田澤は過去3年続けて16ホールドずつながら、2013年は25ホールドを記録した。また、田澤は昨シーズン、通算300登板に到達したが、2009年に4先発しており、「MLB通算300救援」までは2登板を残す。