九州最大級の豪雨警戒 命を守る洪水避難行動 どんな格好をすればいいか?
どうしても緊急に膝下くらいの浅い冠水箇所を歩いて、自宅よりさらに安全な場所に避難することが必要になってくるかもしれません。そういった場合には、溺水トラップに注意しましょう。命を守る避難行動、屋外の歩き方です。
重要なことは、1. 緊急浮き具を身に着ける、2. 杖をつき目立つ格好で歩く、3. 緊急通報手段を肌身から離さない、の3つです。冠水している箇所は、泥水で地面がどうなっているかわかりません。急な深みが必ずあると思って歩きましょう。
緊急浮き具を身に着ける
ビニール袋に衣服などを詰めたリュックサックは、水没した時のような緊急時に浮き具になります。
図1のように1個しかないなら、前方に担ぎます。足元は見づらくなりますが、急な深みに落ち込んでしまった時には、顔を水面から出すような恰好で浮くこと(背浮き)ができます。まずは呼吸を確保して、次に周囲の状況を確認して、もし来た方向に戻れるなら、バタ足などで戻ります。浅くなったら立ち上がります。
カバー写真のように2個あるようであれば、前方と後方にそれぞれ担ぎます。急な深みに落ち込んでも、立っているような、垂直の姿勢で顔を水面上に出すことができます。呼吸は楽にできますし、周りの状況もよく見えます。両手を使って、落ち着いてゆっくりと来た方向にも戻り、浅くなったら立ち上がります。
足には図2のような底の厚い運動靴を履きます。いざという時には足が浮いて背浮きの姿勢になることができます。長靴はダメです。水が入ると歩きづらくなります。深みにはまった時に沈みやすい製品が多いです。
杖をつき目立ち格好で歩く
リュックサックがなければ、厚手のジャケットでもかまいません。緊急のライフジャケットになります。図3のように白色、黄色、赤色などの生地で、できるだけ派手なジャケットがいいです。緊急時に浮いていると発見されやすくなります。特に天候の悪い時には、白色や黄色がヘリコプターからよくわかります。上空からだと、手を振るよりもこういった色の衣服の方が発見しやすいです。
帽子は、白色、黄色、赤色などの帽子を選びかぶります。頭を固いものの衝撃から保護すると同時に、上空から見て髪の毛の黒より目立つからです。
杖は、前方の水底の安全を確認するために使います。前方には蓋のあいたマンホールや側溝などがあり、歩いていて落ち込むかもしれません。プラスチックの洗濯竿など軽めのものにします。万が一、深みにはまったらすぐに手から離し、浮くことに専念します。
緊急通報手段を肌身から離さない
スマートフォンなどの携帯電話を肌身離さず、図4のように首からぶら下げられるようにします。現在のスマートフォンのほとんどは水に浸かってもすぐには故障しません。避難途中に深みにはまったとか、流され始めたとか、トラブルが生じたら、迷いなく119番通報して救助隊を呼んでください。自分が今いる場所がわからなくても、電話の位置情報が消防本部に送られて、消防本部でおおよその場所を特定してくれます。もし通話に出てくれないようであれば、110番警察、それでもつながらなければ、検索して調べて、119番や110番以外の電話番号で、消防や警察に連絡をします。
まとめ
以上の対策は、海で遭難した時に命を守る対策として実施されています。効果がありますので、洪水時の避難に役立ててください。なお、雨が小康状態になったからと言ってむやみに家に戻らないようにします。途中の冠水箇所の水が十分ひいてなかったり、川の流域では時間差で洪水が起こったりします。