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連休の遊び場に迷ったら、越後湯沢で絶品新米片手にイワナ釣りだっ!

斎藤秀俊水難学者/工学者 長岡技術科学大学大学院教授
釣り上げたイワナ。すぐに塩焼きにして塩沢コシヒカリで食べたら絶品(筆者釣上)

 この3連休の最終日に「どこに行って遊ぼうか?」と迷うことになれば、筆者のお勧めは釣り一択。東京から新幹線で最速72分の越後湯沢で、安全安心美味しい釣りで連休の最終日を過ごすのは如何でしょうか。

 釣り好きの人も釣り好きでない人も、安全安心の管理釣り場で晩秋のイワナやヤマメを釣って楽しむ手があります。越後湯沢にはそういった管理釣り場が2つあります。一日あれば、家族連れで遊びまくることができます。

フィッシングパーク

岩ノ沢養魚

 両釣り場とも、今年は11月10日まで営業していますから、11月4日にさてさてと遊び場に困ったら、ぜひともお出かけしてみてください。

絶品レジャーに必須アイテム

 せっかく米どころの新潟にお越しになるのだから、ボーズ(釣り場で一匹も釣れない)なしを前提に、つまり、おすすめの釣り場では素人さんでも魚が釣れること98%保障しますから、やっぱり先ずは美味い新米を調達してからということになります。

 図1をご覧ください。新幹線ならJR越後湯沢駅からレンタカー、関越道湯沢ICからはそのまま車で、地図の「ここで、コシヒカリ塩おにぎりをゲット!」の赤丸印の場所にある、ユザワー(越後湯沢をこよなく愛する県外の人)ご用達のスーパーに寄りましょう。このスーパーの総菜コーナーにある握りたて(いつ買いに行っても温かい)コシヒカリ塩おにぎりをぜひゲットしてから釣り場に向かいます。コンビニで販売されている一般的なおにぎりより価格が安めなのが嬉しいです。

図1 越後湯沢周辺の地図(Yahoo!マップを筆者が改編)
図1 越後湯沢周辺の地図(Yahoo!マップを筆者が改編)

 

 このおにぎりは、地元塩沢コシヒカリで、美味しいポイントは2つあって一つは昼夜の気温差の大きくて水がうまい大沢地区で育てられた新米、そしてもう一つはそれを地元の水で炊いたこと。なんとも贅沢・絶品のおにぎりをもって釣り場に行かないと、とてもとてももったいない件。どれくらいうまい水で炊いているのか、については次の筆者過去記事を参照してください。科学的に分析しています。

東京から2時間 新潟・南魚沼市のうまい水でコメを炊いたらどうなるか

管理釣り場へGO

 おにぎりを調達したら、2つある管理釣り場のどちらでもいいからGO!ということで、この連休に筆者は毎年ご用達の「岩ノ沢養魚」へ向かいました。この時期の越後湯沢は、初雪が降る直前の晩秋の時期にあって、紅葉が見頃です。景色に赤色が少ないのでちょっと見ごたえは?と言うところですが、それでも今にもクマと遭遇しそうな山道を楽しくドライブするには、たいへん良い時期でもあります。

 途中、「イワナ釣り こちら」という独特な筆遣いの看板に沿って、「本当にクマに出会うかも」と恐る恐る山道を登っていくと、出てきました、管理釣り場。筆者が到着した時には、図2のようにすでに県外車で駐車場がひしめき合っている様相に、これだけ人が多ければクマも遠くから眺めるだけかと妙な安心感のもとで、通年8度の天然湧水の前にクルマを適当に駐車します。なかなかない釣り場である証拠に、天然湧水100%かけ流しで、イワナやヤマメが臭くないという件。

図2 管理釣り場の駐車場の様子(筆者撮影)
図2 管理釣り場の駐車場の様子(筆者撮影)

 

 イワナやヤマメが天然湧水のお風呂で常に身体を洗っているようなものです。この時期、海で波にやられて溺れる人や、川でアユを釣っている最中に流される人が多くなるので、むしろ管理釣り場は、水難事故のリスクをきわめて低くして、親子連れなどで楽しむには最高のロケーションだと言えます。

いよいよ竿をふる

 さて、早速魚粉を水に溶いて餌団子を作り、それを釣り針につけて釣りを始めます。もし短時間に所望の数を釣り上げるのであれば、針をすべて餌団子で隠してください。たくさん釣るための技術的なポイントはそれだけです。お子さんもすぐに釣り上げることができます。そして釣り場はあっというまに笑顔に包まれます。筆者もGoPro片手にひょいと餌を水面に投げ入れるだけで、下の動画のようにすぐに釣れました。この動画を見たら、98%保障の真実味もなんかわかる気がしませんか?

動画 イワナ釣りの様子。こんなに簡単に釣れるんだ (筆者撮影、23秒)

 釣り上げたイワナやヤマメは、釣り場の主人がすぐにさばいてくれます。その手つきのいいこと、あっという間に図3のように魚たちはさばかれていきました。その際にも天然湧水でしっかりと洗われながらです。その間に客は同じ天然湧水で石鹸で手を洗って今日の釣りがおしまい。その天然湧水を持ち帰りたい方は、個数限定でペットボトルがおいてあり、それに汲んで持ち帰ることができます。

図3 釣ったイワナをその場でさばいてくれる。水回りはとても清潔に保たれている(筆者撮影)
図3 釣ったイワナをその場でさばいてくれる。水回りはとても清潔に保たれている(筆者撮影)

 

 図4のように、さばいた魚は塩をたっぷりまぶして炭火焼です。この囲炉裏風の炭火は、その香りすら空腹を呼び起こす魔力をもち、イワナやヤマメのほんのりと焼けた匂いとともに、その漂う空気を吸うだけで、空腹感は最高潮に達することうけ合いです。

図4 イワナとヤマメの炭火焼。香りをユーザーに届けられないのが残念(筆者撮影)
図4 イワナとヤマメの炭火焼。香りをユーザーに届けられないのが残念(筆者撮影)

そのお味は?

 さて、そのお味です。イワナは皮が甘くて、白身はタンパクです。サケ目サケ科だけあって、塩焼きにはどこともなくサケの身を食べているような味わいがあります。でもサケほど強くは感じません。この身は、塩沢コシヒカリ塩おにぎりとの相性が抜群で、身のタンパクさに隠された味が、塩とコメとの競演によるコメの甘味にマッチングして最高の旨さに昇華していきます。

 一方、ヤマメですが、こちらは身が大変甘くて、その身が口の中でとろける様に崩れていきます。この身のとろけ方は、なかなか他の魚では味わえないような食感です。塩沢コシヒカリ塩おにぎりとの相性が抜群かと思いきや、残念ながらヤマメの甘さとコメの甘さがガチンコ勝負してしまって、相乗効果というわけにはいきませんでした。ヤマメもサケ目サケ科なのですが、こうも違うかという感覚を堪能することができます。

さいごに

 越後湯沢は、晩秋を経てこれから雪が降り、いよいよスキー・スノボシーズンに突入です。東京から新幹線一本で来ることができます。ぜひお越しください。皆様のお越しを新潟県民としてお待ちしています。

水難学者/工学者 長岡技術科学大学大学院教授

ういてまて。救助技術がどんなに優れていても、要救助者が浮いて呼吸を確保できなければ水難からの生還は難しい。要救助側の命を守る考え方が「ういてまて」です。浮き輪を使おうが救命胴衣を着装してようが単純な背浮きであろうが、浮いて呼吸を確保し救助を待てた人が水難事故から生還できます。水難学者であると同時に工学者(材料工学)です。水難事故・偽装事件の解析実績多数。風呂から海まで水や雪氷にまつわる事故・事件、津波大雨災害、船舶事故、工学的要素があればなおさらのこのような話題を実験・現場第一主義に徹し提供していきます。オーサー大賞2021受賞。講演会・取材承ります。連絡先 jimu@uitemate.jp

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