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台風10号に伴う水難事故 特に田畑の一本道は車で走らないように #専門家のまとめ

斎藤秀俊水難学者/工学者 長岡技術科学大学大学院教授
(写真:アフロ)

 台風10号の接近に伴う海や川の急激な変化により、各地にて水難事故が発生しています。海に近づくだけで飲み込まれたり、流れを伴った突然の道路冠水に車ごと流されたりする恐ろしさ。これから本格化するかもしれない台風の影響に対して、溺れないために何に気を付けるべきでしょうか。

ココがポイント

▼茅ヶ崎市で男性が小学生にサーフィンスクールで指導していた際に、小学生4人が波に足を取られて流されたのを助けにいった。その際に男性も流された。

指導中の小学生が流され救助に向かったサーフィンスクールコーチの男性(68) 沖に流される 神奈川県茅ヶ崎市 柳島海岸(TBS NEWS DIG Powered by JNN 8/29(木) 0:06配信)

▼海面転落の思わぬアクシデントが発生。台風10号に伴う悪天候のため行方不明者の捜索は難航している。

「船が沈み男性が海に落ちた」男性船長(64)行方不明 台風10号接近…悪天候のため捜索できず 鹿児島市七ツ島(MBC南日本放送 8/29(木) 0:06配信)

▼冠水のニュースも入り始めた。

台風10号接近 大分県内で女性1人けが 倒木や冠水相次ぎ、道路被害広がる(OBS大分放送 8/29(木) 16:14配信)

▼7月にはパトカーが流される災害も。山に沿って流れている川が大雨によって上流にて氾濫。濁流が暗い夜道を横切った。その流れによって流された模様。

「パトカーが流された」警察官2人死亡 濁流が“見えなかった”可能性 大雨特別警報のなか救助に向かい…【山形発】(FNNプライムオンライン 7/30(火) 15:00配信)

エキスパートの補足・見解

台風の影響は遠くまでおよぶ 例えば台風10号から1000 km以上離れた相模湾には、8月29日の夕方に南南西から強いうねりが入ってきていました。うねりは台風周辺の風によって引き起こされた波で、はるばる1000 km以上にわたり海を伝わってきました。茅ヶ崎で発生した事故は、うねりによって強烈な戻り流れが発生し、それで子どもが流されたと考えられます。海には絶対に近づかない。

船や田畑の管理には救命胴衣着装 波によって揺られた船体から落ちたとか、田畑の用水路に落ちたとか、台風が襲来するたびに繰り返されています。「以前は大丈夫だったから今年も大丈夫」が通用しないのが、水難事故。救命胴衣とともに防水パックに入れた携帯電話も肌身離さずに。

冠水道路は走るべからず 特に田畑の中の一本道では、過去から車ごと流される事故が繰り返されています。運転するなら絶対に冠水道路は走らないこと。

水難学者/工学者 長岡技術科学大学大学院教授

ういてまて。救助技術がどんなに優れていても、要救助者が浮いて呼吸を確保できなければ水難からの生還は難しい。要救助側の命を守る考え方が「ういてまて」です。浮き輪を使おうが救命胴衣を着装してようが単純な背浮きであろうが、浮いて呼吸を確保し救助を待てた人が水難事故から生還できます。水難学者であると同時に工学者(材料工学)です。水難事故・偽装事件の解析実績多数。風呂から海まで水や雪氷にまつわる事故・事件、津波大雨災害、船舶事故、工学的要素があればなおさらのこのような話題を実験・現場第一主義に徹し提供していきます。オーサー大賞2021受賞。講演会・取材承ります。連絡先 jimu@uitemate.jp

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