ビッグボスへ、開幕お先です!火の国のPIGBOSSは「二刀流どころか、僕、三刀流です」
プロ野球独立リーグ「ヤマエ久野 九州アジアリーグ」が3月21日、北九州市民球場で行われた。火の国サラマンダーズはビジターで福岡北九州フェニックスとの開幕シリーズ2戦目を戦った。
【3月21日 ヤマエ久野 九州アジアリーグ 北九州市民球場 895人】
火の国 `000003000 3
北九州 `50000200× 7
<バッテリー>
【火】●松江、佐野、芦谷――有田、西
【北】◯荒巻、櫻井、豊村、本村、松本――ラモン、武蔵
<本塁打>
なし
<スタメン>
【火】4高山 7松本 9小林 8水本 3佐藤 5中野 D PIGBOSS 2有田 6橋中
【北】6妹尾 4大河 D西岡 2ラモン 3宮本 7吉岡 9古賀 5中村 8宇土
<戦評>
火の国サラマンダーズとしては痛恨の立ち上がりだった。先発左腕の松江が初回だけで6安打の集中砲火を浴びた。守備の野選も重なって一挙5点を奪われた。
打線は北九州先発の荒巻の緩急に翻ろうされて四回まで無安打。五回に前日3安打の佐藤がチーム初安打を放ち、ようやくムードが高まった。そして六回、高山の適時二塁打や小林、佐藤の適時打で3-5と詰め寄った。
なお1死一、三塁と好機が続いたが、中野がスクイズを試みるも小フライとなり捕手がキャッチ。一塁走者が大きく飛び出してダブルプレーとなった。この際、三塁走者はスタートしておらず、いずれかのサインミスが起きていた。火の国ナインも混乱を隠せない様子。その悪い流れの中、直後の六回裏に2点を奪われて突き放され、万事休すとなった。(了)
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PIGBOSSスタメン出場も悔し無安打
昨年12月に火の国サラマンダーズに突如現れたPIGBOSS選手兼任コーチ。20日の開幕戦は出場がなかったが、2戦目の21日は「7番指名打者」で今季初出場を果たした。
「僕の、選手としての開幕。やっぱり気合が入るし緊張しました」
三回先頭で回ってきた第1打席は右飛。残る2打席はいずれも二ゴロに倒れて3打数ノーヒット。チームも敗れてしまい「だいぶ悔しいっす」と無念さをにじませた。
本名は猪口雄大。熊本生まれ、熊本育ちの25歳。
昨シーズンも火の国の盛り上げ隊長として存在感を発揮していたが、話せば結構マジメでちょっと控えめな好青年なのだ。それでもチームのため、リーグのためにPIGBOSS襲名を前向きにとらえた。
「打席に向かう時の場内アナウンスで『PIGBOSS』って流れた瞬間、スタンドがざわついたのが分かりました(笑)。一塁を駆け抜けてベンチに戻る途中、客席のキッズたちから声もかけられた。反響はありますね」
選手に、コーチに、広告塔に
今年から選手だけでなく打撃・内野守備コーチも兼任。「キャンプでは練習メニューも考えなくてはいけないので、頭がパンクしそうでした」。それに加えてPR役も買って出るつもりだ。
「二刀流どころか、僕、三刀流ですね(笑)」
ビジターでの開幕シリーズは1勝1敗。25日からは新庄BIGBOSSが福岡のPayPayドームでプロ野球開幕を戦うが、PIGBOSSは熊本でホーム開幕シリーズを迎える。リブワーク藤崎台球場での大分B-リングス3連戦だ。火の国サラマンダーズは「とかげの祭典2022」と銘打って、シーズン序盤のホームゲームを盛り上げるイベントを行う。
「僕自身すごく楽しみだし、ファンの人たちも楽しんでもらいたい。試合にはもちろん勝って、今年もいいシーズンにしていきたいです」
北九州での2試合は、1248人、895人の観客がつめかけた。
「じゃ、僕らは藤崎台に2000人! ぜひ応援に来てください」
三刀流のPIGBOSSが、熊本をもっと元気にする。
※写真はすべて筆者撮影