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シーズン13本目の「3ラン本塁打」を打ち、グリフィーJr.の最多記録に並ぶ。全本塁打の40%以上

宇根夏樹ベースボール・ライター
ウィリー・アダメス(ミルウォーキー・ブルワーズ)Sep 2, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月2日、ウィリー・アダメス(ミルウォーキー・ブルワーズ)は、1回裏、2死一、二塁の場面で、ホームランを打った。

 今シーズン、13本目の3ラン本塁打だ。試合の前にブルワーズがリリースしたゲーム・ノーツによると、アダメスの前にシーズン12本以上の3ラン本塁打を記録した選手は、4人しかいない。1996年のケン・グリフィーJr.が13本、1953年のロイ・キャンパネラ、1997年のティノ・マルティネス、2000年のサミー・ソーサは12本だ。アダメスは、3人を上回り、グリフィーJr.のシーズン最多記録に並んだ。

 この日のホームランはシーズン29本目――29歳の誕生日に29本目――なので、その44.8%を3ランが占める。あとの16本は、ソロが9本と2ランが7本。今シーズン、グランドスラムは打っていない。

 1996年のグリフィーJr.は、ホームランの26.5%(13/49)が3ランだった。1953年のキャンパネラは29.3%(12/41)、1997年のティノは27.3%(12/44)、2000年のソーサは24.0%(12/50)だ。アダメスの場合、ここから、レギュラーシーズンが終わるまでに14本塁打を積み上げ、それらがすべて3ラン以外でも、シーズン本塁打の30%以上が3ランとなる。43本中13本なら、30.2%だ。

 また、アダメスは、8月30日のダブルヘッダー1試合目から9月2日まで、5試合続けてホームランを打っている。こちらは、史上最長の半分を超えたところだ。1956年のデール・ロング、1987年のドン・マッティングリー、1993年のグリフィーJr.による、8試合連続ホームランが最も長い。

 ただ、スタッツ・センターによると、遊撃手として5試合連続ホームランは、1900年以降の最長。1940年のエディ・ミラー、1999年と2003年のアレックス・ロドリゲス、2022年のコリー・シーガー(テキサス・レンジャーズ)、2023年のトレイ・ターナー(フィラデルフィア・フィリーズ)に並んだという。

 2つの記録更新にリーチをかけた、ということだ。

 アダメスは、今オフにFAになる。順当にいけば、総額1億ドル以上の契約を手にするだろう。過去3シーズンのホームランは、25本、31本、24本。フリースウィンガーではなく、守備も優れる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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