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FA市場にはジャッジと大谷に次ぐ44本塁打の外野手が出ているが、ドジャースにはフィットしない!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
アンソニー・サンタンデア Aug 30, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 アンソニー・サンタンデアは、スイッチ・ヒッターの外野手だ。ボルティモア・オリオールズでプレーしてきて、今オフにFAとなった。年齢は30歳。先月、誕生日を迎えた。

 2024年の44本塁打は、両リーグで3番目に多い。58本塁打のアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)と54塁打の大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)に次ぐ。サンタンデアと違い、この2人は、今オフのFA市場には出ていない。

 また、シーズン44本塁打は、スイッチ・ヒッターの歴代5位に位置する。その上にいるのは、1961年に54本塁打のミッキー・マントル、1956年に52本塁打のマントル、1999年に45本塁打のチッパー・ジョーンズ、2006年に45本塁打のランス・バークマンだ。

 サンタンデアは、左打席から32本、右打席から12本のホームランを打った。それぞれ、13.59打数/本と13.33打数/本なので、どちらの打席でもパワーを発揮した。

 その前の2シーズンも、ホームランは少なくなかった。2022年が33本、2023年は28本だ。ここ3シーズン(2022~24年)の計105本塁打は、6番目に多い。

 ただ、サンタンデアは、出塁率が低い。2024年の出塁率.308は、502打席以上の129人中、103位だ。2022~24年の出塁率.317も、1500打席以上の91人中、75位に過ぎない。

 外野の守備も、拙守まではいかなものの、得意ではない。むしろ、DHや一塁のほうが適任だと思われる。ちなみに、2024年の先発出場は、ライトが129試合、DHは25試合。ライトの他には、1イニングながら、一塁の守備にもついた。

 パワーがあることから、新たな契約を手にすることはできるだろうが、どの球団にもフィットするわけではない。例えば、ドジャースは、レフトを守っていたテオスカー・ヘルナンデスがFAになったが、テオスカーが他球団に去り、こちらもFAの外野手であるホアン・ソトと契約を交わすことがなかったとしても、サンタンデアを手に入れようとはしない気がする。ドジャースのDHと一塁には、それぞれ、大谷とフレディ・フリーマンがいる。

 サンタンデアの新たな契約は、総額1億ドルに満たないかもしれない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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