台湾の旅行客が中国で身柄拘束。調べで丸裸にされた人も?
中国を団体旅行で訪れた台湾人が、中国当局に一時的に身柄拘束されたことが分かった。中国で台湾人が拘束されたり調べを受けたりする例が増えているとみられ、台湾側は警戒を強めている。
旅行の途中で一人だけ...
台湾で対中国関係を所管する大陸委員会の梁文傑副委員長が6日の記者会見で明らかにした。それによれば、4泊5日で中国を訪れた旅行団の一人が、旅程の途中で連れ去られ、身柄拘束された。他のメンバーが台湾に戻った数日後に釈放されたという。
会見では拘束された理由などは調査中として詳細を明かさなかったが、台湾の新聞「中国時報」によれば、事件の発生は5月下旬で旅行先は福建省だったという。また、拘束された人物は、現在は別の仕事をしているものの、過去に特別な職業に就いていたため中国側に目をつけられたという。
中国は国家安全法や反スパイ法の運用によって国内の治安維持を強化している。梁副委員長は、中国を訪問した台湾の市民が身柄拘束される事態が増えているという認識を示した。ただ、団体旅行のメンバーが拘束されたのは今回が初めてといい、今後同様の事態にあった場合は通報するよう注意喚起している。
手錠をかけられ丸裸に
ある台湾人男性は、最近、中国で丸裸にされて調べを受けたという。
新聞「自由時報」によれば、調べを受けたのは、中国の南京で開催された芸術関連書籍のイベントに参加した男性。
男性は会場で写真集を販売していた。すると一般客とは明らかに違う身なりの複数の人物がやってきて、男性の写真集のページを撮影し始めた。男性が抗議をしたところ、先ずホテルに連れて行かれ調べられた。
男性はその後、警察署に連れて行かれた。「猥褻な画像の拡散」に当たると言われ、手錠をかけられた上、丸裸にされ調べられたという。調べでは、性的指向や家族についてなどのプライバシーについても尋ねられ、釈放されたのは数時間後だった。
政治的に緊張関係にある台湾と中国にあって、一般市民の往来による相互理解は本来なら緊張緩和に役立つはずだ。だが、治安維持に躍起になって疑心暗鬼に陥っている中国のやり方は、残念ながら逆の効果を生んでいる。