丸亀でのナイター 1戦目はカープの足にも翻弄されて大敗…《7/29 阪神ファーム》
昨年オープンした香川県丸亀市の『四国コカ・コーラボトリングスタジアム丸亀』(四国Cスタ丸亀)では、3月のオープン戦・阪神‐ソフトバンク戦に続き、7月31日と8月1日はウエスタン公式戦・阪神‐広島戦が行われました。その2試合は阪神ファームが連勝!一二三選手がホームランを打ち、中谷選手が打撃絶好調だったんですよね。1年前の様子はこちらからご覧ください。
★<まだ止まらない中谷将大!! 15試合連続安打でカープに連勝>
昨年は1日目の31日が午前から練習して野球教室、その後に広島の練習があり、17時試合開始。翌1日は12時半からのデーゲームと、この時期になかなか過酷なスケジュールでした。そのため今季は29日と30日が18時開始のナイターで2連戦、31日は練習と野球教室のみという思い切った日程に変更されたのです。やっぱりナイターは体に優しいですね。
しかし試合内容は昨年とまったく違うものに…。阪神・望月惇志投手、広島・高橋樹也投手という高校出ルーキー同士の先発で始まりましたが、望月投手は8安打7失点(自責5)と打ち込まれて4回途中で降板。また5回までに望月投手と小嶋投手、梅野選手のバッテリーで6盗塁(野間2、桑原2、庄司1、プライディ1)を許すなど、やられ放題です。結局6回終了時点で13安打されて10失点。こちらは上本選手のタイムリー二塁打のみで1点と完敗でした。
《ウエスタン公式戦》7月29日
阪神-広島 18回戦 (丸亀)
広島 200 512 000 =10
阪神 000 100 000 = 1
◆バッテリー
【阪神】●望月(3勝2敗)-小嶋-伊藤和‐二神 / 梅野
【広島】○高橋樹(1勝)(5回)-今井(2回)-佐藤(1回)-デラバー(1回) / 白濱
◆三塁打 プライディ、板山
◆二塁打 上本、植田、プライディ、土生
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失) 打率
1]左:俊介 (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .254
〃打左:柴田 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .252
2]三:今成 (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .277
3]一:陽川 (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .312
4]中:横田 (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .299
5]右:上本 (4-1-1 / 1-0 / 0 / 0) .326
6]指:へイグ (2-1-0 / 0-2 / 0 / 0) .353
7]二:森越 (2-0-0 / 1-0 / 0 / 1) .223
〃打二:板山 (2-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .231
8]捕:梅野 (2-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .222
〃打:伊藤隼 (0-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .259
9]遊:植田 (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .111
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
望月 3.2回 95球 (8-4-3 / 7-5 / 4.41) 151
小嶋 1.1回 33球 (3-2-0 / 1-1 / 4.66) 146
伊藤和 2回 35球 (2-5-0 / 2-0 / 8.59) 146
二神 2回 23球 (0-4-0 / 0-0 / 1.03) 147
試合経過
望月は1回、先頭の野間と庄司に連打を浴びて、堂林の中犠飛で1点。庄司の二盗のあとエルドレッドは三振で2死となるも、プライディの中前タイムリーでもう1点。2回は1安打のみ、3回は安打と四球で無死一、二塁としますがエルドレッドとプライディを連続三振に仕留め2死。しかし続く天谷の打球が望月の左手付近を直撃しました。セカンド森越が捕って事なきを得たものの、かなりの痛みだったようです。
でも交代はせず4回のマウンドへ上がった望月。土生と桑原に連打され犠打で1死二、三塁となって野間の左前タイムリー。野間が二盗を決め庄司は四球、これを梅野が捕逸して1人生還。1死三塁と変わり、続く堂林の二ゴロでもう1点。ここでまた捕逸があり庄司は三塁へ。エルドレッドにも四球を与え2死一、三塁としたところで望月は降板。代わった小嶋がいきなりプライディの三塁打を浴び、2人を還しました。
小嶋は5回にも2安打と2盗塁で1失点、3人目は伊藤和です。6回は先頭の堂林をセカンド森越のエラーで二塁へ進め、1死後にプライディがライトフェンス直撃のタイムリー二塁打。2死を取ったあと土生にも右越えのタイムリー二塁打を浴びて2点を失いました。これで計10失点。しかし、以降は伊藤和が7回は3者連続三振!最後は二神が8回を三者凡退、9回は3者連続三振で3イニングをパーフェクトに抑えています。
一方の阪神打線は、これが公式戦初先発という高橋樹に対し、1回は三者凡退。2回は2死からヘイグが中前打しただけ。3回は先頭の梅野が四球を選びましたが、植田は遊飛、俊介は三振で2死。暴投で梅野が二塁へ進み、今成はセカンドへの当たりで、これを捕った庄司の一塁送球と走る今成の競争。今成の勝ち?と思ったら、一塁の今岡塁審がアウトのジャッジ。目の前で見ていた古屋コーチがまず意義を唱え、掛布監督も抗議をしましたが判定はそのまま。
そして4回、1死から横田がファーストのエラーで出て、続く上本が中越えにタイムリー二塁打!ようやく1点を返しました。5回も先頭の植田が左翼線に二塁打を放ったものの、あとが続かず得点なし。6回は今井に3人で片づけられ、7回も先頭の代打・板山が左中間へ三塁打!しかしここも後続を完璧に抑えられて0点でした。8回は三者凡退、9回は2四球をもらいながら無得点で試合終了です。
結果はバッテリー双方の責任
掛布監督は、先発した望月投手について「ゾーンが高いし、変化球が入らなかった。苦しかったと思うよ。向こうの足を使った攻め、カープらしい攻撃をされてバッテリー間のリズムをつかみきれなかった。ゾーンが高いねえ。バットが振れるとこへにきてるからねえ」と振り返りました。バッテリー間のリズムという件は「ピッチャー、キャッチャー、両方の責任だと思うので、これからミーティングでも話し合う」とのことです。
次は、望月投手の投げるスタミナという点での問いだったのですが「きょうはスタミナより、あのゾーンに投げていたら打たれるわな。トップバッターにガツンと打たれて、リズムをつかみきれなかった。らしくなかったな。緩いボールも全然使えていなかった。淡泊だった」と掛布監督。そして「そのあたり梅野にも責任がある。もっと粘り強くね。それは梅野がやらなきゃ。梅野の課題にもなってくる」とバッテリーの課題と言います。
「足を絡めて崩されたこともあるが、組み立ても淡泊な感じがした。負ける時はこういうものかな」という締めです。2回の攻撃で、無死一塁で植田選手に送りバントという策はなかったかと聞かれた掛布監督は「カウントが整えばエンドランも考えたが、初球でポンとストライクを取られたから。でもまあ、きょうの植田海はあの二塁打を褒めてあげるべきだと思う」という言葉でした。
意気消沈のルーキー
望月投手は「全体的にリズムが悪かったです。なんていうか…ほんと、毎回課題が見つかったというだけで終わらないようにしたいです。1週間の練習でもっと意識したいですね」と普段より言葉は少な目。計4盗塁を許したことについては「クイックの速さも練習しないといけないし、テンポも同じになってしまったから意識していきたい」と。さすがに相当な、へこみ具合です。
なお打球が当たった左手首は打撲で、山下トレーナーによると「病院へは行かず、次の登板まで時間があるので様子を見ます」とのこと。きょうは左手首にテーピングを施していますが、普通に練習もしており「大丈夫ですよ」と本人もいたって普通だったので安心しました。
高橋投手コーチは「盗塁は課題ですね。(広島は)走るチームなんですけど、それは今から対策をしっかり。1つ、2つ欠点が見えた部分があるので。ピッチャーの欠点、キャッチャーの欠点がね。ピッチャーがやるべきこと、キャッチャーがやるべきこと、共同作業なので」と話しています。
選手のコメント集 短めです…
伊藤和投手は、6回に味方エラーから二塁打2本で2点を失った点に触れ「ああいうところで粘っていかないと信頼を得られなくなる」と猛省。とはいえ7回は一転、3者連続三振で相手の勢いを止めました。「そうですね。調子は悪くないので、続けていきたいです!」
続いて、8回から2イニングを完璧に抑えた二神投手のコメントはとても簡単でした。「状態はいいので。リズムよく投げていくだけです」
唯一の打点を挙げた上本選手も、右中間に2本の当たり(右飛と右越え二塁打)で状態がいいのでは?と聞かれて「関係ないです。その時、その時でしっかりやります」という答え。
板山選手は7回に代打で左中間へ三塁打。1ボールからの2球目、真っすぐを打ったものです。「(ファーストストライクから)1球で仕留める気持ちでした。ストレートに振り負けないよう、意識していた」
最後は植田選手。掛布監督の「5回の二塁打を褒めてあげたい」という言葉を伝えると「右打席の時は、ああいうヒット、強い打球を意識して練習しているんで、打ててよかったです」と笑顔。ただ、その前の打席(3回無死一塁)で遊飛に倒れたことは猛省。「ゴロを打ちたかった。一、二塁間に。詰まりました。もうちょっと粘りたかった」。広島・高橋樹投手とは初対戦で「ちょっと真っスラみたいな感じだった」と2打席の感想を述べています。
帰り際に振り向いて「あしたは2本打ちます!」と、彼には珍しい宣言もあったのですが…結果は右での4打席で3打数1安打。でも鋭い打球の左前打がありました。それはまた次の記事で。