まだ止まらない中谷将大!! 15試合連続安打でカープに連勝《8/2 阪神ファーム》
四国コカ・コーラボトリングスタジアム丸亀で行われたウエスタン・リーグの阪神-広島戦。2日は12時半からのデーゲームでした。1日はまだまだ暑い17時開始とはいえナイトゲームだったので、炎天下の3時間は観戦される方もきつかったでしょうね。それでも皆様がしっかり対処されていたおかげで、2日は熱中症で搬送された方もなく(選手や審判の皆さんも問題なく)、無事に終わって何よりです。夕方には選手もお客様も一様に顔が真っ赤でした。
試合は中盤に動き、横山投手がソロホームラン2本を浴びて先に失点しますが、すぐさま逆転!金田投手が追いつかれた直後に勝ち越し点を挙げ、そのリードを筒井投手と石崎投手が守って逃げ切りました。首位・広島に前回の対戦から3連勝!通算でも3連勝で、“貯え”がまた増えて今季最多の貯金9。9つも勝ち越したのは2010年9月16日以来、5年ぶりのことです。
では試合の詳細をご紹介しましょう。なお今回の丸亀でも、ホームラン賞など何種類かの賞品がありました。誰がどんなものを貰ったのか、1日に開催された野球教室の模様などと合わせて、後日『丸亀こぼれ話』として書かせていただきます。しばしお待ちくださいませ。
《ウエスタン公式戦》8月2日
阪神-広島 21回戦 (四国Cスタ丸亀)
広島 000 101 100 = 3
阪神 000 003 10X = 4
◆バッテリー
【阪神】横山-○金田(1勝1敗)-筒井-S石崎(3勝3敗7S) / 清水-岡崎(7回~)
【広島】小野(5回2/3)-佐藤(1/3回)●今村(2勝2敗2S)(1回)-池ノ内(2/3回)-河内(1/3回) / 磯村-白濱(7回~)
◆本塁打 堂林6号ソロ、安部2号ソロ(横山)
◆三塁打 中谷
◆二塁打 梅野、西田、緒方
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率
1]左:緒方 (4-2-0 / 2-1 / 0 / 0) .233
〃左:田上 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .259
2]二:森越 (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .355
3]右:伊藤隼 (3-0-0 / 2-1 / 0 / 0) .253
4]中:中谷 (4-2-2 / 0-0 / 0 / 0) .310
5]指:梅野 (3-2-2 / 1-0 / 0 / 0) .329
6]遊:北條 (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .257
7]三:陽川 (4-1-0 / 2-0 / 0 / 0) .233
8]一:西田 (2-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .208
〃打捕:岡崎 (0-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .289
9]捕:清水 (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .222
〃打一:黒瀬 (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .209
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
横山 6回 100球 (4-8-0 / 2-2 / 2.73) 147
金田 1回 24球 (1-1-1 / 1-1 / 4.50) 149
筒井 1回 18球 (1-1-1 / 0-0 / 2.47) 144
石崎 1回 14球 (0-2-0 / 0-0 / 3.79) 151
経過1・横山がまず2発を浴びる
横山は3回までパーフェクトピッチング!ところが4回、簡単に2死を取ってから迎えた3番の堂林に、すぐ追い込んだもののファウルで粘られます。やがてフルカウントとなって、9球目の真っすぐを左中間スタンドへ…。許した初ヒットがホームランでした。続くエルドレッドにも左前打されますが、廣瀬は変化球で空振り三振。
4回は2奪三振などで再び三者凡退に斬って取った横山。しかし6回1死から安部にライトへのホームラン。2死後、堂林に右中間三塁打を浴びるも、エルドレッドを今度は空振り三振に!最後は147キロの真っすぐで、エルドレッドは悔しがってバットとヘルメットを地面に放り投げてしまったのです。でも、それを回収しにやってきたボールボーイ(クラブチームで野球をしている地元の中学生)を見たエルドレッド。少年たちの前で用具を投げたことを反省したのか、彼らを手で制し、自ら拾い上げて笑顔で手渡しました。
こちらの攻撃は1回が緒方の四球、2回は梅野の左中間二塁打と2イニング続けて先頭を出しながら無得点。3回と4回は三者凡退です。5回に2死から西田が右越え二塁打を放ちましたが、清水は右邪飛。広島の先発・小野に5回まで2安打のみで0点に抑えられます。
経過2・逆転の6回、勝ち越した7回
横山が降板した6回裏にようやくつながった打線。先頭の緒方が右前打、森越は中前打、伊藤隼は三直でしたがランナーは戻って併殺ならず。1死一、二塁で左中間へ豪快な当たりを放った中谷。2人を還して自身も三塁へ!さすが4番という2点タイムリー三塁打で同点となり、続く梅野の中前タイムリーで勝ち越し!北條も左前打を放ちますが、陽川は三振で2死となり小野が降板。代わった佐藤から代打・岡崎が四球を選んで満塁と攻めるも代打・黒瀬は三振。とはいえ打者9人で5安打を集め、3対2と逆転成功です。
ところが7回に登板した金田が、下水流への四球などで2死二塁になって代打・岩本の右前タイムリー。あっという間に追いつかれてしまいました。と思ったら、その裏に広島の3人目・今村から先頭の緒方が右中間二塁打を放ち、1死後に伊藤隼の四球と中谷の中前打で満塁として、梅野が中犠飛!北條は真っすぐに空振り三振で1点止まりだったものの、貴重な勝ち越し点が入ります。
8回の筒井は2死から堂林に二塁打(これで本塁打、三塁打、二塁打と3打席連続安打。1回に単打が出ていればサイクルだった…)、エルドレッドには四球を与えましたが無失点。その裏の阪神も、陽川の右前打と岡崎の犠打で1死二塁となるも追加点なし。そして9回は石崎が登板。ヒヤヒヤさせた前日とは違い、きのうは下水流と白濱を変化球で連続三振!最後は岩本を二直に打ち取って試合終了。1点差を守り切りました。
2本目のHRを悔やむ横山
横山投手は、2本のホームランについて「打たれたのはどちらも真っすぐ。甘かったですね」と苦い顔。「フォアボールを出さないように、それがきょうのテーマで、気をつけてゴロで打ち取るということができました。要所で三振もとれたし、よかったと思います。でも0対0だったんでホームランは…。1本目はまだしも、2本目を打たれてはいけなかった。そこがきょうの反省点です」
それでもホームランによる2失点のみで、逆転へとつなぎましたよ。「そうですね、ズルズルいかなかったのはよかった。ボール自体は普通でしたが、要所でスライダーも決まってくれたのはよかったと思います」。5回4安打1失点ながら5四球だった前回のオリックス戦(26日、富田林)に比べても、上々の出来では?「はい。前回に比べたら上々ですね」と笑顔も出ました。次も期待しましょう。
横山投手について香田投手コーチは、こう話しています。「自分で考えてやっていて、いいボールもあったし高めに抜ける球もあった。要所要所では、いいボールが投げられていた。ホームランは真っすぐが高めに浮いていて、それだと遠くに飛ばされてしまう。あそこでファウルとか空振りが取れるようなボールを投げていかないと。全体的にはよかったですよ。ストライク先行でカウントを作れて、粘り強く投げていました」
ホームランはどちらも甘かったと振り返った横山投手ですが、リードした清水選手いわく「いや、堂林のは甘かったけど、安部にはうまく打たれたと思いますよ。甘くはなかった」とのこと。ところどころ高めにいく真っすぐがあり、それでも振らせていましたね。「高めでの三振は投げミス。意図して放っての三振ならいいけど」。なるほど、1軍では違う結果になってしまうと清水選手は心配したのでしょう。
中谷が15試合連続安打!
6回の2点タイムリー二塁打のみならず、7回にも中前打を放った中谷選手。4打数2安打で打率は.310に上昇し、連続安打も15試合まで伸びました。最初の2打席が中飛と一飛だったもので、意識してしまってヒットが出ないのでは…という心配は余計なお世話だったみたいですね。「それは関係ないです。そういうのを考えず、大事な場面で打てたのはよかった」。サラリと言ってのけます。
それにしても、このところの中谷選手は“何となくヒットが出た”という感じでなく、しっかり打った当たりでのヒットが続いている気がします。この点についてはノーコメントでしたが、最後にもう一度「ほんと、きょうはいいところで打てた。それに尽きます!」と、日焼けした顔で笑ってバスへ向かいました。
ウエスタン・リーグの連続試合安打記録をここで整理しておきます。リーグ最多は1993年4月~8月にかけてオリックスの鈴木一朗選手(イチローの登録名は翌年から)がマークした30試合で、これはまだ破られていません。それまでの記録は1982年に中日・川又米利選手の26試合でした。ルーキーイヤーにウエスタン首位打者だった鈴木選手の2年目で、1軍へ行ったり来たりしながらの継続です。ちなみに8月8日の“阪神戦”で3打数ノーヒットだったことにより記録がストップしています。
阪神ファームでは、入団2年目のアーロム・バルディリス選手(~オリックス~DeNA)が2009年6月18日の中日戦から8月6日のオリックス戦にかけて20試合連続安打を放ちました。これもまだ塗り替えられていません。バルディリス選手も途中、2度ほど1軍に昇格しての連続ですね。今回の中谷選手の15試合というのがいつ以来か即座に調べられないけれど、そこまでいくことも度々はなかったでしょう。30試合って、すごいことだったんだと改めて思います。
石崎も7試合連続セーブ!
2日はDHで出場した梅野選手は、二塁打とタイムリー、さらに犠飛での決勝点を挙げました。「最低限の仕事ができて、それを守り切ってくれたのでよかったです。きのうは3打数ノーヒットで貢献していないから。きょうは最低限の、そして最高の仕事ができてよかった」
緒方選手も右前打と右中間二塁打のマルチで、どちらも得点を記録しています。しかし「最後の三振がダメですね」と反省の言葉。8回2死二塁で、代わった河内投手に3球三振を喫してしまった場面が悔やまれるようです。
最後に石崎投手のコメント。前日は失点しなかったとはいえ3四球で満塁のピンチを招いたのですが、2日は打って変わってビシッと三者凡退で締めました。「とにかく何も考えず、自分のピッチングをしようと思って投げた。周りからも、いろいろアドバイスもらって。きのうはああいうピッチングだったけど、それを引きずらずにいけました。粘り強く投げられたと思う。日々、勉強です。1軍でこれぐらい投げられるよう頑張ってやっていきたいです」
石崎投手も“続いて”いますよ。登板も3試合連続で、しかも7試合連続セーブ!あっという間にチーム最多、リーグでも2位タイ(1位は広島・飯田投手の10)の7セーブとなりました。この経験は必ず1軍で生きるでしょうね。ぜひ甲子園のスコアボードに『155キロ』を見せてください。