今季初ナイター 丸亀で一二三がホームラン!《8/1 阪神ファーム》
きのう1日は香川県丸亀市の四国コカ・コーラスタジアム丸亀で、ウエスタン・リーグの阪神‐広島戦が行われました。ことしできたばかりの球場で、3月3日には“こけら落とし”として1軍のオープン戦(阪神‐ソフトバンク)が開催されたのは記憶に新しいところ。その試合でルーキーの江越選手がホームランを打ったことも覚えていらっしゃるでしょう。それがこの球場の第1号ということで、ロビーには写真が飾られています。
NPBによる試合はそれ以来ですから、きのう一二三選手が3回に放ったソロホームランは“Cスタ丸亀の第2号”になりますね。しかも試合は先発の島本投手が3安打無失点の好投!リリーフ陣は、四球をながらもノーヒットに抑え、6投手による完封リレーでした。これで貯金も今季最多の8。また、きのうもヒットを打った中谷選手ですが、実は先日書いた連続試合安打の数よりもっと多かったのです。それはのちほど。
《ウエスタン公式戦》8月1日
阪神-広島 20回戦 (四国Cスタ丸亀)
広島 000 000 000 = 0
阪神 001 001 00X = 2
◆バッテリー
【阪神】○島本(2勝)-渡辺-玉置-小嶋-二神-S石崎(3勝3敗6S) / 梅野
【広島】●久里(2勝3敗)(6回)-塹江(2回) / 磯村
◆本塁打 一二三2号ソロ(久里)
◆三塁打 森越
◆二塁打 北條2、磯村
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率
1]左:緒方 (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .226
〃打:黒瀬 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .213
〃左:田上 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .259
2]二:森越 (3-2-0 / 0-0 / 0 / 0) .356
3]中:伊藤隼 (3-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .264
4]右:中谷 (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .307
5]捕:梅野 (3-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .316
6]遊:北條 (3-2-0 / 0-0 / 0 / 0) .257
7]一:荒木 (2-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .176
8]三:陽川 (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .232
9]指:一二三 (3-1-1 / 2-0 / 0 / 0) .157
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
島本 5回 77球 (3-5-2 / 0-0 / 2.33) 146
渡辺 1回 12球 (0-1-0 / 0-0 / 3.57) 145
玉置 1回 21球 (0-1-2 / 0-0 / 4.39) 142
小嶋 0.1回 9球 (0-0-1 / 0-0 / 1.17) 144
二神 0.2回 5球 (0-0-0 / 0-0 / 2.06) 141
石崎 1回 11球 (0-2-3 / 0-0 / 3.89) 152
試合経過
まず攻撃から。1回は先頭の緒方が左前打して森越が初球で送るも、後続はフライ2つで得点なし。2回は三者凡退。しかし3回、1死から一二三がレフトへ先制のソロホームラン!2死後に森越は左前打を放ちますが、盗塁失敗。4回は中谷の中前打で2死一塁となり北條が左越え二塁打、一塁から激走した中谷は残念ながらホームでタッチアウト…。5回は先頭の荒木が中前打するも、陽川の左飛でタッチアップして併殺など、3人で片づけられました。
6回は森越の右中間三塁打に続いて伊藤隼が中前タイムリー!2点目が入ります。7回からは広島2人目、高松北高校出身のルーキー・塹江(ほりえ)が登板。先頭の北條が右中間二塁打を放ち、荒木の犠打で1死三塁として陽川の右飛でホームを狙うもアウト。5回と同じく3人で終了。8回は三者凡退。9安打しながら2点のみという内容です。
次に投手陣。島本は1回、2死から堂林とエルドレッドに連続で中前打を許しますが、5番・廣瀬は空振り三振で無失点。2回は先頭の下水流に四球を与えたあと併殺など3人で片づけ、3回は三者凡退。5回に2死から9番・磯村の左越え二塁打を浴びるも安部を中飛に打ち取って、5回3安打無失点でした。
6回は渡辺が三者凡退に。7回の玉置は2四球を与えながらも無失点。8回は小嶋が1死を取ったあと庄司に四球を与えたところで交代。二神がフライ2つで後続を断ちました。そして9回は石崎が登板して、いきなり連続四球。岩本と天谷は三振で2死としてから代打・東出にまた四球を与えて満塁となります。でも最後は安部を左飛に切って取り試合終了。
左の内、右の外と狙い通りの島本
先発した島本投手は、5回を投げて3安打無失点で2勝目。「ランナーを出した状態で、左バッターのインコースをつけたのがよかったと思います。試合に梅野さんとも“左の内をついていこう”と話していて、何回か首を振ったりしたけど、そこに投げ切れました」と振り返ります。1番の安部選手と2番の庄司選手が左で、以降は7人全員が右バッターという打線に対しても「しっかり外をつけた。右バッターには原点のアウトコースの真っすぐを投げられて、それもよかった」そうです。
球種は「真っすぐ、チェンジアップ、フォーク、スライダー、シュート」と多彩に使っています。1回に連打を許した堂林選手とエルドレッド選手からは4回、スライダーと真っすぐで連続三振!フォーク、チェンジアップも有効でした。もともとチェンジアップに自信を持っていたものの「中継ぎではスライダーとフォークだけでしたね。でも先発だったらチェンジアップも早いカウントで投げています」とのこと。
そして「継続してやっていきたい。1軍でもこれくらい投げられるように、落ち着いてやっていきたい」という島本投手。上でも先発のチャンスがあるかもしれませんからね。「どこでも、なんでもいいので上がれるようにしたい!」。気合いのこもった言葉でした。
最終回はみんなをドキドキさせてしまった石崎投手に、どうしたんでしょう?と聞いたら「わかんないです。真っすぐのコントロールが…。変化球はよかったんですけど…」と戸惑いの表情です。とはいえ無失点で、6試合連続セーブ。古屋監督は「0点に抑えたからいいよ。毎日が勉強だね。とにかく粘って投げていかないと」とコメントしています。
一二三「次の球いったろう!」
先制の、結果的に決勝点となる2号ソロを放った一二三選手。「打ったのはツーシームです。ちょっと詰まっていたけど、いくかな~と。一塁ベースを回ったとこで“ワーッ”と声が聞こえたから、入ったとわかりました」。ツーボールからの3球目、球種は何か狙っていた?「いや何も。次の球でいったろう!と思ってた。見ていて、自分がストライクやと思ったら打ったろう!と」
あとの2打席が2三振で、そこは少し苦笑いでしたね。2人目のルーキー・塹江投手の感想を聞くと「メッチャ速い。伸びてくるんっすよ!」と、手もとでグッと伸びあがってくる様子をジェスチャーで表してくれました。2イニング目の9回に少し変化球を混ぜてきた塹江投手ですが、8回は全部ストレートで最速は150キロ。そんな18歳左腕に、地元のお客様も大喜びです。
北條選手は二塁打2本に「久々の!」と笑顔。7月9日の広島戦(由宇)以来のマルチヒットだったんですね。これでの乗っていけますように。
降格後、7試合連続安打の森越選手は「きょうのバッティングは、自分としてはよくなったかなと思います。ヒットは出ていても、自分のバッティングができていないというか、何か違うかな~と感じていたんです。6月がよかっただけに。でもきょうはよかったと思う」と納得の表情でした。「守備ももちろんですが、1日1本打てばチャンスもあるし」と再昇格に向けて気合十分です。
14試合連続安打!中谷
連続試合安打といえば中谷選手のことを書かねばなりませんね。先日の記事で『中谷選手は7月の13試合で12試合にヒットを打っていて、しかもノーヒットの1試合は4打席すべて四球。そのあとから10試合連続安打中』とご紹介しました。そこで、その4四球の試合はカウントされるのかどうか?という疑問が発生したのです。もしカウントされなければ連続試合はもっと伸びるわけで。きのう1日の試合前、公式記録員の小熊さんに聞いてみました。
結果は「カウントされない」です。打席すべてが四死球や犠打なら、その試合はなかったものとして連続安打は継続するとのこと。ちなみに犠飛は“ノーカウント”じゃないそうです。よって中谷選手は試合前の段階で13試合連続安打とわかったものの、それを聞いて記録が止まってしまったら困るので、試合後に伝えてもらうことにしたのです。でもしっかり打ちましたねえ!
中谷選手は試合後に「聞きましたよ~」とニコニコ。6月28日から14試合連続安打となったわけですが、もっと続いているような感じで、それは本人も同じ思いでしょう。ウエスタン・リーグではイチロー選手の30試合連続が最多で、まだ破られていません。阪神ファームではバルディリス選手の20試合連続が最多記録です。そう言うと「20?まだまだですやん。あと6試合かあ」とちょっと遠い目に。でも「1試合1試合積み重ねて」と前を向きました。
きょう2日の試合でも、2点タイムリー三塁打と中前打のマルチ!まったくプレッシャーなどありません。いつか記録が止まったとしても、その時は1軍で必要とされる。中谷将大選手の挑戦はそこへつながっていきます。