Yahoo!ニュース

ラグビー日本代表、W杯直前の試合で逆転勝利!「FWに誇りが持てる試合だった」(SH田中)

斉藤健仁スポーツライター
レフリーとコミュニケーションを取って笑顔を見せるSH田中(撮影:斉藤健仁)

9月19日にラグビーワールドカップ(W杯)の初戦を控える、ラグビー日本代表(世界ランキング14位)は5日、イングランドのグロスターにあるキングスホルム・スタジアムでジョージア(グルジア代表。同13位)と、本番直前、最後のテストマッチを行った。この会場はW杯の予選プールの第2戦目(9月23日)のスコットランド代表戦と、第4戦目(10月11日)のアメリカ代表戦を行うスタジアムだった。

日本代表は、昨年秋に負けている、スクラムとモールに強みのあるジョージア代表と、真っ向勝負。前半は6-7とリードされて折り返したが、後半37分、相手ゴール前のモールから、途中出場のNO8アマナキ・レレィ・マフィ(NTTコミュニケーションズ)がインゴールにボールを押さえて、13-10と逆転勝利。W杯本番へ弾みをつけた。

この試合、日本代表を率いるエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)が「W杯のキーマン」と名指しする3人、FLリーチ マイケル主将(東芝)、HO堀江翔太、SH田中史朗(ともにパナソニック)は、それぞれの持ち味を出して勝利に貢献。個々のフィジカル、フィットネスの調子も上がってきたことを証明した。

そんなSH田中は、試合後の囲み取材に対応し、下記のように話した。

――試合の感想は?

前半と負けて(6-7で)折り返したが、我慢して、良いディフェンスで、相手を疲れさせて、BKで攻める部分できていました。点差は接近していましたが、ワールドカップ前に良い準備ができました。

今日は、ディフェンスのコミュニケーションが良かった。1本相手にキックでトライを取られたが、相手の良いプレーだったから仕方ないです。それ以外は、FWはモールとスクラムで耐えて、BKもライン、ギリギリでも止めていたので自信になります。

今までやってきたことが実ったという試合でした。最後、ベンチから見ていても安心して見ていられた。今後はコミュケーションを取って、自信を持って、先を見ずに、一試合一試合やっていきたい。ワールドカップ前に勝利して、良い雰囲気で終われました。

――ジョーンズHCに試合後、何か言われた?

エディー(ジョーンズHC)さんには、「チーム全体、特にFWに対して、やられてきた相手に互角に持ち込み、モールでトライも挙げた。全員が成長している」と言ってもらいました。

――どうしたら、敵陣22m内に入って、トライが取れそうなところで取れるようになるでしょうか。

コミュニケーションを取れたら、もっと簡単にトライとれた。そこができていなかったから取れなかった。やっぱり相手のプレッシャーも強かったですね。ラックに人数をかけすぎて、外で(アタックとディフェンスの)人数がいっしょになってしまったこともあるので、もっともっとリーチ中心に話して(試合中に)修正していきたい。

トライ後、喜びを爆発させるNO8マフィ(撮影:斉藤健仁)
トライ後、喜びを爆発させるNO8マフィ(撮影:斉藤健仁)

――今日の試合は南アフリカ代表やスコットランド代表を想定した試合だったと思います。日本代表のフィジカルの現状はどう思いますか?

モールでトライも取れましたし、前回(昨年11月に)ジョージア代表と戦ったときよりも上がっています。3年前しか、僕はジョージア代表と対戦していないですが、スクラム互角に組めるようになりましたし、一緒にプレーしていて、特にFWに誇りが持てる試合でした。

――W杯に向けて自信、手応えは?

去年やられている相手にしっかりしたプレーでリベンジできたし、みんなが自信持ってプレーできた、自信を持ってW杯に臨めます。

――W杯初戦、南アフリカ代表戦に向けて豊富をお願いします。

まだ2週間あるので コーチ陣、リーダー陣が、作戦を立ててくれると思うので、それに向けて準備していくだけです。今から力を上げること無理なので、コミュニケーションとって一つにまとめることが大事だと思います。

※試合のハイライト映像

※試合全編

スポーツライター

ラグビーとサッカーを中心に新聞、雑誌、Web等で執筆。大学(西洋史学専攻)卒業後、印刷会社を経てスポーツライターに。サッカーは「ピッチ外」、ラグビーは「ピッチ内」を中心に取材(エディージャパン全57試合を現地取材)。「高校生スポーツ」「Rugby Japan 365」の記者も務める。「ラグビー『観戦力』が高まる」「ラグビーは頭脳が9割」「高校ラグビーは頭脳が9割」「日本ラグビーの戦術・システムを教えましょう」(4冊とも東邦出版)「世界のサッカー愛称のひみつ」(光文社)「世界最強のGK論」(出版芸術社)など著書多数。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。1975年生まれ。

斉藤健仁の最近の記事