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ドジャースは次の試合もパイレーツの100マイルボーラーと対戦。その次の先発投手は豪腕ではないが…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ベイリー・フォルター(ピッツバーグ・パイレーツ)May 24, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月4日、8回表にアロルディス・チャップマン(ピッツバーグ・パイレーツ)が投げたシンカーは、スタットキャストによると、101.2マイルを記録した。

 この投球は、「本日の球速ランキング」の3位に位置する。1位と2位は、101.4マイルと101.3マイル。2球とも、チャップマンと同じ試合で、1回表にジャレッド・ジョーンズが投げた4シームだ。ランキングには、ピッツバーグのPNCパークだけでなく、他の球場で登板した投手の球も含んでいる。

 6イニング無失点のジョーンズに続き、コリン・ホールダーマン、チャップマン、デビッド・ベッドナーが、それぞれ1イニングを無失点で終わらせ、パイレーツは、1対0でロサンゼルス・ドジャースを下した。

 パイレーツは、6月5日と6日も、PNCパークでドジャースと試合を行う。5日の先発マウンドに上がるポール・スキーンズは、ジョーンズ以上のハードボーラーだ。5月11日には、101.9マイルの4シームを投げている。こちらは、「先発投手の球速ランキング2024」のトップ。ジョーンズの101.4マイルと101.3マイルは、それに次ぐ2位と3位にランクインした。

 ジョーンズとスキーンズは、今シーズンがメジャーリーグ1年目だ。それについては、こちらで書いた。

「昨年のドラフト全体1位がメジャーデビューへ。AAAの27.1イニングで45奪三振、防御率0.99」

 一方、彼らに続き、シリーズの3試合目に登板するベイリー・フォルターは、ハードボーラーではない。今シーズンの最速は、95.0マイルの4シームだ。

 ただ、ジョーンズとスキーンズの「エクステンション」が、それぞれ、平均6.8フィートと平均6.3フィートであるのに対し、フォルターは平均7.4フィートを記録している。フォルターのリリース・ポイントは、ピッチャーズ・プレートの前面から平均7.4フィート、ということだ。打者からすると、近くからリリースされる分、体感速度が増す。

 フォルターは、メジャーリーグ4年目の27歳だ。昨夏のトレードで、フィラデルフィア・フィリーズから移籍した。今シーズンは、11登板で64.1イニングを投げ、奪三振率5.32と与四球率2.24、防御率3.22を記録している。過去3シーズンは、いずれも85.0イニング未満で、防御率は5.61→3.86→5.36と推移してきた。

 ジョーンズは、6月5日を含め、12登板の69.1イニングで奪三振率9.87と与四球率1.95、防御率3.25。スキーンズは、4登板の22.0イニングで奪三振率12.27と与四球率2.05、防御率2.45だ。ジョーンズとスキーンズの4シームは被打率.200以上だが、フォルターの4シームとシンカーは、被打率.158と.188だ。

 ちなみに、クローザーのベッドナーは、昨年の夏、クレイトン・カーショウ(ドジャース)に代わって、オールスター・ゲームのメンバーに選ばれた。

「カーショウに代わってオールスター選出のクローザーが、カーショウにプレゼントを贈る」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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