投げては10奪三振、打ってはホームラン2本。ベーブ・ルースもできなかった投打の大活躍
4月2日のマウンドに上がったザック・グレインキー(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)は、6イニングを投げて10三振を奪い、ホームランを2本打たれて3点を失ったものの、自らホームランを2本打ち、4打点を挙げた。試合は、ダイヤモンドバックスが8対5でサンディエゴ・パドレスを下し、グレインキーは白星を手にした。
1試合に10三振以上を奪ってホームランを2本打ったのは、2年前のマディソン・バムガーナー(サンフランシスコ・ジャイアンツ)以来だ。ここ3シーズンで2人目ながら、これはそうそうあることではない。1910年以降、登板した試合でホームランを2本以上打った投手は延べ70人――ジム・トビン(1942年)は1試合3本――を数えるが、同じ試合で10奪三振以上は、バムガーナーが4人目、グレインキーは5人目だ。
2人の前には、ミルト・パパス(1961年)、ペドロ・ラモス(1963年)、リック・ワイズ(1971年)の3人しかいなかった。ラモスとワイズは、この試合の前にも1試合に2本のホームランを打ったことがある。ベーブ・ルースは1921年に登板した試合でホームランを2本打ったが、その試合の奪三振は1だった(奪った相手はタイ・カッブ)。二桁奪三振は1915年と1916年に1度ずつ記録しているが、どちらの試合もホームランは打っていない。
パパスが記録した試合で投げ合ったのは、その2年後に2人目となるラモスだった。パパスは11三振のうち1つをラモスから奪い、ホームランは2本ともラモスから打った。また、2年前のバムガーナーはグレインキーと投げ合った。バムガーナーが11三振を奪った相手にグレインキーは含まれていないが、バムガーナーが打ったホームラン2本の1本目はグレインキーからだ。バムガーナー(2017年)とグレインキー(2019年)の試合は、どちらも4月2日だった。
偶然の符合に過ぎないとはいえ、再来年の4月2日は、エリック・ラウアー(パドレス)が10三振を奪ってホームランを2本打つかもしれない。ラウアーは2回裏の打席で三振(3バント失敗)を喫し、4回表にはグレインキーに3ラン本塁打を打たれた。通算18本塁打――18本目は今年4月2日――のバムガーナーや8本塁打のグレインキーと違い、ラウアーのホームランはまだ0本ながら、大学で投手に専念するまでは一塁手としても活躍した。昨シーズンを含め、メジャーリーグでは通算33打数2安打。最初の打席でヒットを打ち、8打席目に二塁打を記録している。