白く映える吐息と曇天。どうにもすっきりしない冬空が続くと、気分もどんどん落ち込んできてしまう…なんて日はありませんか？確かに夜間は自律神経諸々の影響で落ち込みやすいと申しますが、それが日中からともなるとなんだか一日が勿体ないなぁと思ってしまうのです。

さて、そんなときは甘い物！（私の場合は毎日なのですが…）何気なく手に取る定番の和菓子もほっと肩の力が抜けて恋しくなるのですが、ちょっとスペシャルで元気が湧いてきそうな和菓子なんていかがでしょうか？

明治15年創業、東京にて腕を磨いた初代が新潟県にて立ち上げた和菓子屋「百花園」さんには、定番から洋風のアレンジを盛り込んだものまで、実に沢山の羊羹を作っていらっしゃいます。それがまた奇をてらっているわけではなく、お洒落なのです。それこそギフトとしても喜ばれそうなラインナップも。今回は寒い季節にピッタリな「生姜オレンジ羊羹」をご紹介。

大きなサイズもあるのですが、今回は食べきりサイズにてご紹介。羊羹、というには鮮やかな色合いのこちらは、白餡にスペイン産オレンジの果皮をあわせたもの。細かく刻まれたオレンジの果皮はほろ苦さを残すものの、とっても爽やか。更にピリリとした刺激を加えてくれるのが、九州産生姜の粉末なのだとか。

甘酸っぱいというよりも、あくまでベースは白餡の羊羹なのですが、仄かな酸味と苦味、辛みといった普段羊羹に加わることのない要素がそれぞれの個性を白餡の甘味を引き立てるように発揮し、最後はさらりとした優しい甘味の余韻と共に仄かな辛みを感じて。

羊羹って、こんなに複雑で凝った和菓子だったかなと思いつつも、ちょっと良い気分になれるようなスペシャリティにどこか心がうきうきしてくるような和菓子。

スペインという温暖かつ情熱的な国のオレンジ、そして口の中やお腹がポカポカとしてくる生姜…気分が下向きになりがちなときは、ちょっとした刺激を加えてみてはいかがでしょうか。紅茶と一緒にいただけば、どことなくカクテルのような味わいになりますよ。