Yahoo!ニュース

フォロワー30万人のトラック運転手による飲酒投稿~SNS×酒の危険性と運送業界に及ぼす影響<中編>

橋本愛喜フリーライター
高速道路を走るトラック(読者提供)

※本稿には、飲酒に関する記述・表現が含まれます。

自身のSNS発信だけでなく、ドラマ化や漫画化、さらには書籍の刊行など、メディアに取り上げられている「トラックめいめい(以下、「めいめい」)」氏。

同氏のSNS投稿には、応援者から「よく飲むね」「飲みっぷりがいい」というコメントが多く付く一方、業界内外からは「トラックドライバーはいつもあれだけ酒を飲んでいるのか」「トラックドライバーが誤解される」などといった、心配や懸念の声が相次ぎ、物議をかもしている。

前編では、トラックドライバーが飲酒をポジティブに捉えるべきではない理由を、酒と近くなりやすい彼らの労働環境やアルコール依存症と闘う人たちの声、トラック飲酒運転事件の遺族の声をもとに紹介した。

中編の本稿では、「SNS×酒」にはらむ危険性と、トラックドライバーのインフルエンサーによる飲酒投稿が運送業界に及ぼす影響について述べていきたい。

「飲んだら褒められた」

めいめい氏のSNSへの飲酒投稿において、筆者が危惧してきたのは、トラックドライバーである同氏が酒を豪快に飲むことだけに限らない。

それを「SNSに投稿すること」に大きな懸念がある。

依存性があるのはアルコールだけでなく、このSNSにも強い依存性があるからだ。

SNS依存の元になるのは「承認欲求」や「自己顕示欲」だ。

めいめい氏が最もよく利用しているSNSは、本人だけでなく周囲にも「いいね」やフォロワー数などが「評価」「注目度」として「数字」で可視化されてしまう旧Twitter(現「X」)。

承認欲求や自己顕示欲を満たすべく、「映え(ばえ)」を意識し「いいね」の数を増やすための投稿を試行錯誤するようになる。

その手段に「酒」を使った場合、どういうことが起こるかは想像に難くない。

承認欲求を満たしてくれる「いいね」がほしいがために、無理してでも酒を飲み続けるようになるのだ。

アルコール依存の予防や自助活動を支援する特定非営利活動法人「ASK(アスク)」の代表、今成知美さんも、酒を多量に飲む姿をSNSに投稿する昨今の傾向に警鐘を鳴らす。

「トラックドライバーに限らず、最近YouTubeなどでもお酒(の飲み方)で売っている人が結構いる。『朝から目覚めの一杯』など、酒に関連した文言が並ぶゲームで、視聴者の飲酒欲求を煽るインフルエンサーが増えていて心配しています」

14歳から飲酒、17歳で十二指腸潰瘍を患い、現在はアルコール依存症からの回復を継続しながらASKの飲酒運転防止上級インストラクターを務めている阿部孝義さんは、自身がアルコール依存症になった大きな要因のひとつを、「褒められたから」と振り返る。

「酒を飲むと褒められた。酒を飲むと自信がついたし、酒を飲むと仲間が増えた。酒が自分を助けてくれる…そんな思いで飲んでいましたね。でもあの時にはその後地獄が待っていることを知る由もありませんでした」

イベントに立つ阿部孝義さん(本人提供)
イベントに立つ阿部孝義さん(本人提供)

こうした承認欲求による投稿は、「褒められる」「見られている」という快感から、やがて知らぬ間に「この称賛を失いたくない」という不安、そして「皆の期待に応えなければ」という強迫観念へと変わっていく。

「要は『コール飲み』と同じ現象がSNS上で起きていると感じます。煽られた側は、一度褒められ評価されたことで『ここで私が飲まないと場がシラケる』という強迫観念に陥り、飲みたくなくても飲まざるを得なくなる。飲酒投稿を褒める行為は、知らぬ間にアルコールハラスメントになっていることを理解する必要があります」(阿部さん)

一度SNSで「バズる」と承認欲求を満たすために、それがたとえ自身の本来の目的でなかったとしてもその行動を繰り返してしまうというのは、これまでのSNS研究でも証明されている(Andreassen, 2015)。

こうして無理をしてでもその行動を繰り返すようになるのだが、しかし皮肉なことに、視聴者は毎日同じ程度の投稿ではすぐに飽き満足しなくなる。

すると投稿者はその「いいね」の数を維持すべく、行動をより過激化させるようになるのだ。

実際、めいめい氏の投稿も、2022年末ごろから飲む量や酒の種類が過剰になっていく傾向が見受けられる。

投稿開始当初のころと比べてみると、投稿に出てくるジョッキは徐々に大きくなり、ピーク時には2リットルのビール缶をダイレクトに飲んだり、休みの日は朝から飲酒する投稿が出始め、一時期ストロング系の酒にまで手を出すように。

その頃から「スト缶はやめたほうがいい」「アルコール中毒なのでは」との声が徐々に多くなっていった。

筆者が今回の問題で最も懸念しているのが、その「飲みキャラ」が「仕事」になってしまっていることだ。

メディアや企業の責任に関しては、後日公開する後編で詳説するが、倫理観やリテラシーの低いいくつかのメディアや企業が、運送業界のこれまでの取り組みや本人の将来も顧みず、同氏と酒を絡めたドラマや報道番組、漫画化、書籍刊行などを次々に発信しようとする。

こうして酒を飲むキャラクターが仕事になれば本人はますます断れず、酒のイメージからも、酒そのものからも逃れられなくなる。

応援がバッシングに変わる

すでに「飲める人」「飲みっぷりがいい人」という「酒」のイメージが付いてしまっためいめい氏には、飲酒投稿をしていない日でも「今日は酒飲まないの?」「めいめいさんと飲みたい」と、飲酒を期待するコメントが絶えない。

これで懸念されるのは、SNS上だけでなく、ネット以外のリアルな生活やプライベートにおいてもそのキャラクターによって飲み会に誘われる機会が増えることだ。

本人がそのキャラクターから脱却したくなってもそのイメージは付きまとい、何かと酒の誘いが増えれば、前編で紹介したとおりアルコール依存症になる危険性も高まる。

万が一、アルコール依存症になったり問題を起こしたりすると、これまで応援してきた人たちは、一気に態度を変える。

「アルコール依存症になり、飲み方が変になったり情緒不安定になったりしていくと、これまでもてはやしてきた人たちがある日突然スッと引いていく。こうして孤立すると、その現実逃避のためにまた酒を飲む。依存症の人たちはそういうプロセスをたどっている人が多いんです」(今成さん)

特定非営利活動法人「ASK(アスク)」の代表、今成知美さん(本人提供)
特定非営利活動法人「ASK(アスク)」の代表、今成知美さん(本人提供)

一般のSNSインフルエンサーであっても酒に絡めたキャラクターのイメージは、本人にとって将来深刻な悪影響を及ぼすと言える。

が、忘れてはならないのは、彼女はインフルエンサーである前に「トラックドライバー」であるということだ。

トラックドライバーは前編でも述べた通り、酒と積極的に距離を置く必要のある職種。だからこそ他職業の大半にはない「アルコールチェック」がある。

職業ドライバーである彼らの飲酒問題は、一般ドライバー以上にバッシングを受けることになる。

1999年11月、東名高速道路で酒酔いの大型トラックドライバーが起こした事故によって長女の奏子(かなこ)さん(当時3歳)と、次女の周子(ちかこ)さん(当時1歳)を亡くした夫婦、井上保孝さん、郁美さんもこう指摘する。

「彼女がもしアルコール検査に引っかかってしまったら、結構な手のひら返しがあると思いますよ。やっぱり引っかかったか、とか、結局トラックドライバーはモラルが低かったんだねとか。これまで目立っていた分、バッシングになる可能性がある。彼女にはそういう危険も感じてほしい」(井上さん)

トラックによる飲酒運転事件で犠牲になった奏子さん周子さんの遺族、井上保孝さん(左)と郁美さん(右)(3月取材・zoom画像筆者撮影)
トラックによる飲酒運転事件で犠牲になった奏子さん周子さんの遺族、井上保孝さん(左)と郁美さん(右)(3月取材・zoom画像筆者撮影)

業界に及ぼす影響

日々のSNS投稿を見ると、めいめい氏の運送業界に対する意識や知識は、酒に限らず未熟であることが垣間見える。併せて、ネットリテラシーも高いとは言えない。

本稿では細かく提示しないが、そもそもドライバーとしての意識やインフルエンサーが有するべきネットリテラシーがあれば、朝はトラック、夜は飲酒姿を毎日交互に投稿することはまずしない。

トラックドライバーが最も酒と距離を置かねばならない理由は、前編でも紹介した通り、「何もせずとも、ドライバーの労働環境は酒に近くなってしまう」からだ。

なかには「自分の弟はこれまで酒を飲んでいなかったのに、トラックドライバーに転職してから飲むようになった」という声もある。

とはいえ、めいめい氏は現在22歳。トラックドライバーの経験も社会経験もわずか4年ほどだ。

現場や社会の知識や意識が浅いのはある意味当然だといえる(無論、経験年数が短くとも仕事に対する意識やネットリテラシーの高い人はいる。その逆も然り)。

問題なのは、そんな成長過程にあるドライバーが、業界から歓迎されない行為(=飲酒)によって声の大きいインフルエンサーになり、その浅い知識や意識のままSNSやメディアで、その歓迎されない行為を肯定的に語ってしまっていることにある。

日ごろからSNSを分析していると、トラックドライバーほど仕事中に画像や動画をSNSに投稿している業種はないことが分かる。

2024年問題でトラックドライバーの過酷な労働環境がようやく問題視されるようになってきているが、彼らの労働環境がここまで過酷になった大きな原因が、労働現場の「ブラックボックス化」であることに鑑みると、業界のために世間に現場を見てもらおうとするドライバーの発信行為は決して悪いことではない。

が、ネットリテラシーが低いまま発信する一部のドライバーによって、「業界のため」のはずのものが、逆に業界の首を絞めてしまっているケースが、最近非常に多い。

めいめい氏のトラックドライバーによる飲酒投稿も、その1つと感じる。

今回、日本各地に営業所を構えるある中規模運送企業に取材したところ、自社、ひいては業界全体のために、所属している社員のSNS教育を徹底しているとのことだった。

「弊社には多くのSNS発信者がいますが、その際、会社や業界に悪影響を及ぼしたり、安全を脅かしたりする行為などの禁止事項を記した書類を用意し、サインさせています。全新入社員には4泊5日の新人研修を行い、ドライバー教育も徹底している。その研修の1つとして、SNS投稿の研修もある。めいめいさんの場合、会社の危機意識が足りないと感じる」

それを踏まえ、自社のトラックドライバーがめいめい氏のような飲み方をしていた時はどうするのか。

「弊社には一般的なSNSユーザーだけでなく、会社公認のYouTuberもいる。会社が投稿内容を確認すべき範囲では、酒を飲んでいる動画はない。自身が運送会社の乗務員という意識が常にあるのだと思う。彼らを通してこの業界の魅力を伝え、子どもたちが将来トラックドライバーになりたいと思ってもらいたい。そういう点では、めいめいさんには誤解を生むような言動は慎んでもらいたいと思います」

道路を走るトラック(イメージ:筆者撮影)
道路を走るトラック(イメージ:筆者撮影)

飲酒行為やSNSへの投稿に関して、「本人が好きでやってるならいいじゃないか」という声もあるが、その言動の影響が「個人のみ」ならば当然それでいい。

が、めいめい氏は「運送業界のイメージを変えるために情報発信がしたい」と発言していることからも分かる通り、業界を意識した言動を取っている身だ。

会社や業界を背負っている立場において「個人がよければ何をしてもいい」ことにはならないのだ。

「安全運行はチーム戦」

今回、ある運送企業の内勤者(16年目)は、飲酒するドライバーやめいめい氏に対してこんな思いを明かしてくれた。以下は、送ってくれた内容だ。

*************************************

地場定期運行をメインとする弊社では、毎日乗務前・乗務後の点呼時にアルコールチェックを行っています。

ごくまれに乗務前にアルコールを検知することがありますが、その時には事務所中に響き渡るサイレンが鳴ります

パトカーのサイレンと同じような音が事務所中に鳴り響くので点呼場にいない人達も「何があったんだ」と驚きます。

そして一番驚いているのはドライバー本人です。

深酒をした、寝る時間が短かったなど理由は様々でしょうが、サイレンの音を事務所中に響き渡らせることで自分がやってしまったことが全員に露呈されます。

最後まで「飲んでいない」とアルコール検知したことを認めない者、「すみませんでした」と潔く謝る者、様々なドライバーの反応を見ることができますが、我々内勤者からしたらまず「仕事舐めてんのか」です。

日々安全運行ができるよう努力しているのはドライバーだけではありません。お客さまとの交渉や道路状況の確認など出来る限りスムーズに運行できるよう内勤者である配車係や運行管理者もサポートしています。

無事故で帰ってきてほしいという想いを持って内勤者はドライバーを送り出しています。

運送会社の安全運行はチーム戦なのです

ドライバーのプライベートまでとやかく言える権限は誰にもありませんが、内勤者の立場としては「本気で仕事に取り組んでいるのか」と疑問に思うことは非常に多いです。

実際、「〇〇店でお宅のドライバーがものすごい飲み方してた」と聞けば、業務前の飲酒についても不安が残ります。ドライバーへの注意喚起は必須事項ですし、実際にドライバーへの指導を行います。

そのようなドライバーが万が一アルコール検知に引っかかれば、次は業務停止です。

現在はSNSへの投稿でも飲酒投稿をするドライバーが多数いますが、彼らと一線を画す有名なドライバーがいます。

彼女を見ると同じ内勤者として、彼女の会社の内勤者の教育管理はどうなっているのか、逆に運行管理者や配車者への不信感と憐憫の方が大きくなります。彼女に飲酒投稿に対する指導教育が出来ない運送会社であれば、その会社の別のドライバーへも同様だと思うからです。

万が一、その会社が飲酒運転事故を起こした場合、彼らの立場が非常に危うくなることは間違いありません。

*************************************

前出の井上保孝さん郁美さん夫妻もこう話す。

「めいめいさんの投稿は、トラックドライバーでもこんなにガンガン飲めるんだという、運送業界に対する間違ったイメージをもたらしかねない。トラック業界のPR担当者はそういう目で見る冷静な人がいてもいいのでは。みんなが黙認するのではなく、注意・助言する環境が必要なのでは」

今回、最近転職しためいめい氏が所属している運送企業に、酒のイメージのある同氏を受け入れた経緯や、同氏の飲み方、SNSへの発信、社内教育の有無について聞くべく取材を申し込んだが、「折り返す」と言ったまま電話がかかってくることはなかった。

トンネルを走るトラック車内(イメージ:読者提供)
トンネルを走るトラック車内(イメージ:読者提供)

インフルエンサーの「社会的責任」

本シリーズの前編を公開した後、

「彼女はアルコールチェックにひっかかってないのになぜ文句を言うのか」

「他にも飲酒投稿をしているトラックドライバーがいるのになぜ指摘しないのか」

「個人でやっていることに口出しする必要があるのか」

という声が筆者のもとに多くやってきた。

SNSに過剰な飲酒投稿を安易にするべきではないのは、めいめい氏に限らず、そしてトラックドライバーに限らず全てのSNSユーザーに言えることであることは、これまでにも述べてきた通りだ。

しかし、めいめい氏には、他のSNSユーザーと違う点が大きく分け2つある。

1つは、これまでにも述べてきた通り、同氏がトラックドライバーを名乗る「インフルエンサー」であることだ。

インフルエンサーはその名の通り「影響力のある立場の人間」のことを指し、必然的に「社会的責任」が生じる。

かく言う筆者も酒を飲む。会食ではほぼ毎度のように酒が出る。

が、トラックドライバーに関する情報発信をするようになって以降、SNSに酒の投稿をするのをやめた。飲み会の投稿をしていても、酒が入らないよう敢えて撮影している。

それは、めいめい氏のようなインフルエンサーではなくも、運送業界を取り上げる「情報発信者」として、酒好きが多いトラックドライバーたちの「トリガー」にならぬようにとする「配慮」だ。

同氏はよく「自分はインフルエンサーだと思っていない」と発言することがあるが、インフルエンサーは自分の意思でなるものではない。

フォロワー34万人、ましてや本人原案の作品が世に出ていれば、「社会的責任」が生じないわけがない。

何より同氏自身、先述どおり「運送業界のイメージを変えるために情報発信がしたい」という趣旨の発言を頻繁にしていることに鑑みると、投稿内容の影響は大きく、そして責任もより重くなる。

実際、同氏のドラマ化が発表された際の影響は大きく、「トラック×酒」の議論において、「トラックドライバーが酒を飲んで何が悪い」と開き直りながら、SNSで酒を飲んでいる姿を今まで以上にアピールするようになったトラックドライバーが続出した。

そんな社会的責任のある立場の人間が、「アルコールチェックには引っかかっていない」、「法律が許していれば何をやってもいい」と考えるのは、無責任以外のなにものでもない。

規制に絡む法律は「最低条件」だ。いわゆる「赤点のライン」であり、社会的責任者はそこで一喜一憂している立場にない。

駐車マスのトラック(イメージ:読者提供)
駐車マスのトラック(イメージ:読者提供)

情報の受け手のリテラシーも必要

しかし、先述したように同氏はまだ若く現場経験も浅い。

意識や知識は「経験」や「失敗」から学ぶものであるため、未熟であること自体は決して批判されるものではない。

再び個人的な話になるが、筆者自身も若い頃は酒が好きで飲み方もよく分からず、「酒が強い」というイメージに応えるべく、非常に危険な飲み方をしていた時期もあり、ここでは話せないような失敗もした。

人は、その失敗によって何がダメで何がいいのかを学び、「自身の度量」を知る。

しかし、めいめい氏のように経験が浅いままインフルエンサーになってしまうと、その学びのための「失敗」が許されなくなる。

インフルエンサーはその注目度の高さがゆえに、少しでも問題を起こせば、先述どおりそれが「バッシング」に直結することになるのだ。

今回の取材では、めいめい氏本人にも飲酒投稿の危険性や運送業界への影響を伝えるとともに、自身の見解を聞くべく取材依頼をかなり早い段階(今年3月)に複数送っているが、今日まで返事が返ってくることはなかった。

めいめい氏が今のような飲酒投稿で承認欲求を満たせなくなったり、万が一アルコール依存症になって周囲が離れてしまったりした時、本当に酒が手放せなくなる状態に陥る可能性を筆者は心から憂慮している。

一方、SNSのリテラシーは、情報の発信者だけでなく、情報の受け手(=応援者)にも必要であることを忘れてはいけない。

ただ面白いから、かわいいから、見ていて気持ちいいからと、反射的に「いいね」を押すのではなく、自身のその称賛が、知らぬ間に本人を追いやっているかもしれないと想像できる人こそが「本当の応援者」なのではないだろうか。

「危ないと思っている人が一定数いる中で何もしないというのも、それも1つの罪だと思う。問題を起こした時に『それみたことか』としないで、今のうちに正していく必要があると思います」(井上さん)

めいめい氏が他のSNSユーザーと違うとする他1点は、後編の「周囲の大人やメディアの責任」で述べていく。

※ブルーカラーの皆様へ

現在、お話を聞かせてくださる方、現場取材をさせてくださる方を随時募集しています。

個人・企業問いません。世間に届けたい現場の現状などありましたら、TwitterのDMまたはcontact@aikihashimoto.comまでご連絡ください(件名を「情報提供」としていただけると幸いです)。

フリーライター

フリーライター。大阪府生まれ。元工場経営者、トラックドライバー、日本語教師。ブルーカラーの労働環境、災害対策、文化差異、ジェンダー、差別などに関する社会問題を中心に執筆・講演などを行っている。著書に『トラックドライバーにも言わせて』(新潮新書)。メディア研究

橋本愛喜の最近の記事