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久保建英の成長スピードはなぜ鈍ったのか。輝ける三笘薫と比較してみた

杉山茂樹スポーツライター
(写真:岸本勉/PICSPORT)

 バルセロナの下部組織でプレーしていた久保建英が、FC東京、横浜F・マリノスを経由して、レアル・マドリーへ移籍したのは2019年6月。日本代表にデビューしたのも、同時期に行われたエルサルバドル戦だった。

 いまから3年近く前の話になる。ほどなくしてマヨルカにレンタル移籍。思いのほか出場機会に恵まれないその姿を見て、こちらは時のマヨルカの監督を恨んだものだ。

 とはいえ一方で、その時18歳になったばかりの久保に対して、筆者は半分疑って掛かっていた。10代で活躍した選手が、大人になる過程で失速していく例をいくらでも見てきたからだ。評価が確定していない選手、評価を下すには早すぎる選手という位置づけだった。20歳、大人になってみないと判らないと、前のめりにならないよう、用心深く久保のプレーに目を凝らした。

 1年半ぐらい前には、それでも「日本代表でキャップ数100回を超えることは間違いない」。「注目はチャンピオンズリーグ(CL)の出場回数で100回を超えるかどうかだ」と、大きな期待を寄せる原稿を書いていた。しかし筆者の久保に対する評価はそこから徐々に低下していく。CL100回は難しそうだ。日本代表100回も簡単ではなくなっている。いまはそんな思いで久保を眺めている。

 久保の将来を予想することは、サッカーを見る目と深く関係する問題だと捉えている。迂闊なことは言えないと、慎重になる自分がいる。とはいえ一方で、サッカーの本質に迫る興味深いテーマであることも認識している。ライターとして語りたくなる一件になる。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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