よく寝る子こそ注意!子どもが朝起きない危険な症状【小児科医に聞きました】
子育て中の皆さんは、普段忙しくされているからこそお子さんが早く寝てくれたり、遅くまで起きずに寝てくれていると嬉しくなってしまうこともあるかと思います。
しかしそれ、もしかしたら見逃せない体調の変化かもしれません。
注意が必要なことがあるので、その特徴をお伝えしていきます。
この記事では乳幼児育児アドバイザーねんねママが、子どもが朝起きない危険な症状に関して知っておきたい知識を、小児科の先生のお話も交えてお伝えします。
子どもが朝起きない危険な症状
注意すべきは晩御飯抜きで寝てしまったときです。
疲れていたから…などの理由で、晩御飯を食べずに寝てしまった場合、「低血糖」という状態を引き起こしてしまう可能性があります。
低血糖とは、血糖値が下がり過ぎてしまった状態のことです。よく「血糖値が高い」と大人の会話では出たりしますが、低すぎるのも体調不良の原因となります。
血糖値が下がりすぎると、冷や汗、動悸、意識障害、けいれん、手足の震えなどの症状が現れます。
お子さんの場合、晩ご飯を食べないで寝てしまうと、翌朝低血糖になってしまうことがあります。そうすると
- 声をかけてもぐったりしている
- 反応が薄い
- 顔色が悪い
ということなどが起こり得ます。
子どもの低血糖Q&A
子どもの低血糖は何歳くらいまで起こるのか、なぜ私たち大人は晩ご飯を抜いても平気なのに子どもはこうなってしまうのかなど、小児科の先生にお聞きしました。
低血糖は何歳くらいまで起こる?
いわゆる晩ご飯を食べないで寝て、低血糖で朝ぐったり…というパターンは1歳半〜5歳がピークで、8-9歳ごろにはあまりなくなってくるとのことです。小学校高学年くらいになってくるとそういった心配は少なくなってくる、といっていいかもしれません。
なぜ小さい子どもにだけ起こる?
中高生以降、大人は食事を食べてから血糖を維持できるのは3-4 時間、それ以降は血糖の「貯金箱」である肝臓や筋肉の一部を分解して血糖を維持します。だから大人は夕飯を食べずに寝たとしても、貯金箱を使って夜寝てる間の血糖を維持できるのです。
ですが小さな子どもではこの貯金箱が小さすぎて夜間の血糖維持ができないのと、脳が相対的に大きすぎて糖分の必要量が多くてまかなえないため、夕飯食べずに寝てしまうと明け方低血糖になってしまうということが起こりえます。
1歳半より前はならない?
1歳半〜がピークと前述しましたが、もちろん新生児・乳児もなる可能性はあります。1歳半〜と医師の教科書に書かれているのは、それくらいからが1番BMIが低くていわゆる糖の貯金が必要量に対して少ないからです。
乳幼児はムチムチでまだ寝る前の授乳もしている子もいるので、現実的に明け方ぐったりしていて病院で診ることになるケースは2-3歳以降が多いようです。
低血糖を起こさないためにできること
この低血糖という現象を知っているか知っていないかで、気を付けられることもありますよね。
夏の暑い季節、プールなどで疲れ切って「もう寝る…」ということもあるかもしれません。もし対象年齢のお子さんが晩ご飯を食べないで寝てしまったらそのまま寝かせず、起こして糖質が補給できるものを食べさせてあげてください。
もし朝起きて「低血糖かも!」というときは、ジュースなど糖質の入った飲み物を飲ませてあげると症状を悪化させない対策になります。もちろん、心配な場合は病院にかかってくださいね。
私は乳幼児睡眠の専門家なので、普段は「どうやったらよく寝てくれるか」というお話をしていることが多いですが、寝過ぎても大変なことがあることをと伝えておかねば!と思い、小児科の先生のご協力もいただいて解説しました。
もし周りにこの症状を知らない方がいたら、ぜひこの知識を共有してあげてほしいなと思います。
▼YouTube動画でも詳しく解説しています。