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大物外野手がドジャースに加わったことで、押し出されるのはエンジェルスの外野手!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブライアン・グッドウィン(ロサンゼルス・エンジェルス)Aug 31, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 まだ正式発表はないが、ムーキー・ベッツがボストン・レッドソックスからロサンゼルス・ドジャースへ移るのは、まず間違いない。ジョク・ピーダーソンがドジャースからロサンゼルス・エンジェルスに移ることも、決まりのようだ。これらのトレードについては、「ベッツ、プライス、前田健太ら5人が動く「ブロックバスター・トレード」を行った3球団の思惑は」で書いた。

 ドジャースの外野トリオは、コディ・ベリンジャーA.J.ポロック、ピーダーソンから、ベリンジャー、ポロック、ベッツとなる。ピーダーソンからすると、ベッツに押し出された格好だ。ただ、動きはそこで止まらない。ピーダーソンに押し出される選手もいる。

 トレードの前まで、エンジェルスの外野トリオは、マイク・トラウトジャスティン・アップトンブライアン・グッドウィンの予定だった。そこからピーダーソンに押し出されるのは、もちろん、グッドウィンだ。

 昨シーズン、グッドウィンは136試合に出場して17本のホームランを打ち、OPS.796を記録した。それまでは、通算171試合で19本塁打、OPS.769。28歳にして、アップトンの長期欠場で巡ってきたチャンスを掴み、オフにはコール・カルフーンが退団した(アリゾナ・ダイヤモンドバックスと契約)。けれども、そこにピーダーソンがやってきた。昨シーズンの成績は、149試合で36本塁打、OPS.876だ。

 もっとも、ピーダーソンが加入しなくても、グッドウィンは遠からずレギュラーの座を追われていた可能性が高い。エンジェルスには、トップ・プロスペクトの外野手、ジョー・アデルがいて、すでにAAAまで上がってきている。

 にもかかわらず、エンジェルスがピーダーソンを獲得したのは、アデルが本格的にメジャーリーグでプレーするのは、来シーズンからと考えているのだろうか。今シーズンが終わると、ピーダーソンはFAになる。

 なお、ピーダーソンは左投手を苦手としている。OPSは4年連続.600未満。昨シーズンのホームランは、36本のすべてを右投手から打った。なので、エンジェルスは対左用の外野手を必要とする。

 昨シーズン、グッドウィンは左投手に対してOPS.815を記録した。とはいえ、ピーダーソンと同じ左打者だ。一方、アデル、マイケル・ハーモシーヨ、内外野を守るデビッド・フレッチャーは、3人とも右打席に立つ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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