ベッツ、プライス、前田健太ら5人が動く「ブロックバスター・トレード」を行った3球団の思惑は
3球団による、ブロックバスター・トレードが成立したようだ。ESPNのジェフ・パッサンらが報じている。
ロサンゼルス・ドジャースは、ボストン・レッドソックスからムーキー・ベッツとデビッド・プライスを獲得した。これは、2020年にワールドシリーズで優勝するための動きに他ならない。今シーズンが終わると、ベッツはFAになる。ドジャースはそれまでに契約を延長しようとするかもしれないが、ベッツが受け入れるかどうかはわからない。
地区7連覇中ながら、ドジャースは長らくワールドチャンピオンから遠ざかっている。最後にワールドシリーズで優勝したのは、クレイトン・カーショウが生まれた1988年だ。2017~18年には2年続けてワールドシリーズに進出したが、いずれも敗れた。2017年はサインを盗まれていて、2018年もその可能性が取り沙汰されている。ベッツとプライスは、2018年のワールドチャンピオン・メンバーだ。
ベッツ(とプライス)がどれほどの選手なのかについては、「MVPをトレードで獲得すると、サイ・ヤング賞投手がついてくる!?」で書いた。
レッドソックスは、23歳の外野手と21歳のハードボーラーを得た。ドジャースからアレックス・バーデューゴ、ミネソタ・ツインズからはブルースター・グラデロールを獲得した。ベースボール・アメリカが2019年のシーズン前に発表したプロスペクト・ランキングで、2人はそれぞれ、35位と55位に挙げられていた。メジャーデビューは2017年と2019年。FAになるのは、早くても2024年のオフと2025年のオフだ。
また、レッドソックスはこのトレードにより、支出を削減した。プライスの契約は、3年9600万ドルが残っている。レッドソックスはドジャースにいくらか支払うので、その金額がそっくりなくなるわけではないが、減るのは間違いない。ちなみに、ベッツの年俸も安くはない。今シーズンは2700万ドルだ。
ツインズは、ドジャースから前田健太を獲得した。人数からすると、前田を加えなくても、ツインズの先発投手は足りている。ホゼ・バリオスがいて、ジェイク・オドリッジはクオリファイング・オファーを受け入れて残留。マイケル・ピネイダとは再契約を交わし、ホーマー・ベイリーとリッチ・ヒルも迎え入れた。
ただ、ピネイダは薬物違反による出場停止が39試合残っている。ヒルは10月に肘の手術を受け、復帰はシーズン半ばの見込みだ。このトレードの直前には、ヨーリス・チャシーンとマイナーリーグ契約。さらに、スター・トリビューンのフィル・ミラーは、タイワン・ウォーカーと契約する可能性も示唆していた(前田を獲得したことで、ウォーカーとの契約はなくなったと思われる)。
他の先発投手が出揃えば、前田はブルペンに回すこともできる。
なお、ベッツを得たドジャースは、直後にジョク・ピーダーソン(と19歳の外野手)をロサンゼルス・エンジェルスへ放出した。ベッツとピーダーソンは、どちらも外野手だ。今シーズン終了後にFAとなることも、彼らは共通している。
【追記:2/6】ドジャースは、ピーダーソンだけでなくロス・ストリップリングもエンジェルスへ放出し、交換に計3人を得ようとしているらしい。USAトゥディのボブ・ナイテンゲールらが報じている。