今年初の熱帯低気圧が発生 台風1号にはならず?
3度目の低圧部が今年初の熱帯低気圧に
きのう29日(火)午前9時、フィリピンの西海上、南シナ海で低圧部が発生しました。その低圧部がきょう30日(水)午前3時に熱帯低気圧に変わり、今年初の熱帯低気圧の発生となっています。
ここで低圧部とは周囲より気圧が低く、雲の循環は認められるものの、中心がハッキリとしない熱帯擾乱(じょうらん)のことで、中心がハッキリと推定されるようになると熱帯低気圧に名前が変わります。
そして熱帯低気圧が強まれば、台風となります。
実は今年に入ってから、1月23日から1月29日にかけてと、3月9日から3月13日にかけての2度フィリピンや南シナ海に低圧部が発生しましたが、いずれも熱帯低気圧には変わらずに衰えましたので、今回が3度目の正直で、今年初めて熱帯低気圧の発生ということになります。
では今後、この熱帯低気圧は台風1号へ発達する可能性はあるのでしょうか?
南シナ海の海水温は30度近い
上図は海水温とその平年差を表したものですが、熱帯低気圧が発生している南シナ海(赤丸の中)の海水温は平年より2度前後も高く、29度以上あるため、台風が発生する可能性がある26度以上あるいは27度以上よりもずっと高いことになります。
この海水温からすれば、熱帯低気圧は今後発達し、台風1号となってもおかしくない状況ですが、どうでしょうか?
発達する前にベトナムへ上陸か?
ところが気象庁が発表している予想天気図によると、熱帯低気圧はほとんど発達しないまま北西方向へ進み、あす31日午後9時にはベトナム付近へ達する予想となっています。
海水温は十分に高いものの、すぐに上陸してしまうため、発達する時間がないまま陸地へ上陸することになりそうで、そうなれば台風へ発達する可能性は極めて小さくなることになります。
今のところ、このような予想ですから、今年初の熱帯低気圧は発生したものの、今年初の台風1号が発生するのはもう少し先になるかと思われます。