5年前に首位打者を獲得し、昨年はWBC出場の遊撃手がDFA。先月の20安打に長打はなく、四球もゼロ
7月2日、マイアミ・マーリンズは、ティム・アンダーソンをDFAとした。メジャーリーグの40人ロースターから外した。
アンダーソンは、31歳の遊撃手だ。先月下旬に誕生日を迎えた。2013年のドラフトで、シカゴ・ホワイトソックスに全体17位指名を受け、2016年にメジャーデビュー。2019~21年のOPSはいずれも.800を超え、2019年は首位打者を獲得した。
2022年は左手の中指を痛め、8月上旬にシーズンを終えた。OPSは.734ながら、その前の3シーズンと同じく、打率.300以上と出塁率.335以上を記録した。ホワイトソックスは、6年2500万ドル(2017~22年)の契約についていた年俸1250万ドル(解約金100万ドル)の球団オプションを行使し、アンダーソンを残留させた。
昨春のWBCでは、主に二塁を守り、6試合で18打数6安打(打率.333)。6本目のヒットは、決勝で今永昇太(当時・横浜DeNAベイスターズ/現シカゴ・カブス)から打った。今シーズンも、4月20日に今永と対戦し、二塁打を記録している。
だが、2023年は打率.245と出塁率.286、OPS.582。今度は、年俸1400万ドル(解約金100万ドル)の球団オプション――6年契約に2年分のオプションがついていた――をホワイトソックスに破棄された。FAとなったアンダーソンは、マーリンズと1年500万ドルの契約を交わした。
今シーズンのスタッツは、昨シーズンをさらに下回る。打率.214と出塁率.237、OPS.463だ。
もともと、アンダーソンは、四球率が低く、5%に達したシーズンはない。そのため、打率が下がると、出塁率も同じように落ち込む。また、2017~19年と2021年は、4シーズンとも、15本以上のホームランと25本以上の二塁打を打ったが、その後の長打は減少し、今シーズンは皆無に近い。50安打中、長打は二塁打が3本だけ。5月以降の長打は0本だ。
先月は、20安打がすべてシングル・ヒットで、四球、死球、犠牲フライはなし。この月のスラッシュ・ライン(打率/出塁率/長打率)は、.238/.238/.238だ。オプタ・スタッツによると、1901年以降、月に20本以上のヒットを打ち、長打と四球が皆無は、1914年9月のアイビー・ウィンゴ(20安打)に続く2人目だという。
先月、20安打以上の135人中、アンダーソン以外の134人は、少なくとも、3本の長打を打ち、四球で2度出塁している。
ここから、アンダーソンは、マーリンズに解雇されるだろう。年齢とポジションからすると、迎え入れる球団はあるかもしれないが、マイナーリーグ契約の可能性が高そうだ。
ちなみに、ウィンゴは、捕手だった。1914年9月のスラッシュ・ラインは、.308/.308/.308だ(10月の4試合は含まず)。当時、24歳のウィンゴは、その後、10シーズン以上にわたり、メジャーリーグでプレーした。