主な新興国・米国経済ニュース(19日)
米アップル、9月からウェブTVサービス開始か
米IT大手アップル<AAPL>は9月からウェッブTVサービスを開始するもようだ。現在、同社は約25社のテレビ放送局の番組をワンパッケージにして視聴者に番組を提供することを目指して協議を進めている。米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)が17日に関係者の話として伝えた。
ただ、同社が網羅するテレビ番組には当面、米3大ネットワークの一つであるNBCなどの親会社NBCユニバーサルは含まれないもよう。これはNBCユニバーサルの親会社が米ケーブルテレビ最大手コムキャスト<CMCSA>とアップルの提携協議が宙に浮いているためだ。これ以外では米娯楽・エンターテインメント大手ウォルトディズニー<DIS>や大手テレビ局CBS、米メディア・娯楽大手トゥエンティファースト・センチュリー・フォックス<FOXA>と協議中だ。
アップルのオンライン動画の番組はアイフォンやアイパッド、アップルTVセットボックスなどのアップル製品で視聴できる仕組みとなる。視聴料金設定は月30-40ドル(約3600-4800円)になると見られている。新サービスについて、アップルは6月に正式に発表し、9月からサービスの提供を開始する予定だという。
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米フェイスブック、近くメッセンジャー使った入出金サービスを開始
世界最大のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)である米フェイスブック<FB>は17日、米国で同社のメッセージングアプリ「メッセンジャー(Messenger)」を使って、他のフェイスブックのユーザーへの送金を可能にする新サービスを今後数カ月以内に開始することを明らかにした。
送金する場合は、メッセンジャーの画面上の新アイコン「$」をクリックし、送金金額と米クレジットカード最大手ビザ<V>やマスターカード<MA>のデビットカード番号を入力し、「ペイ」のボタンを押す。また、お金を受け取りたい場合にはデビットカードの番号を入力するだけで、この入出金サービスは無料で利用できる。また、このサービスはグーグルの携帯電話向け基本ソフト「アンドロイド」や米IT大手アップル<AAPL>のスマートフォン「アイフォン」向けOS(基本ソフトウエア)「iOS」、PCでの利用が可能となる。
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ロシアのアルファ・グループ、トルコ携帯最大手タークセルの経営支配目指す
ロシアの複合企業大手アルファ・グループ傘下の通信大手アルファ・テレコムは17日、トルコ携帯電話サービス最大手タークセルの株式13.76%を28億ドル(約3400億円)で買い戻す提案を示した。モスクワ・タイムズ(電子版)などが伝えた。
アルファ・グループはすでにタークセルの株式13.22%を間接的に保有しているため、今回の13.76%の買い戻しが成功すれば合計で27%に達し、トルコのタークセルを支配下に置くことが可能になる。買い戻し額はタークセルの16日終値に対し94%のプレミアム(上乗せ額)が付けられているが、アナリストはトルコの通信規制当局が反対に回ると予想している。
アルファ・グループとタークセルの創業者であるメフメット・エミン・カラメフメット氏は、約10年間にわたって、タークセルの経営支配をめぐって激しい“攻防戦”を続けている。昨年、国際仲裁機関がアルファ・グループに対し、タークセルの持ち株を16億ドル(1900億円)でカラメフメット氏の持ち株会社に返還するよう命じている。今回は、アルファ・グループがこの返還した持ち株の買い戻しを目指している。
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韓国LGエレクトロニクス、テレビ生産拠点をタイからベトナムに移転へ
韓国家電大手LGエレクトロニクスは、4月下旬から5月初めにかけて、テレビの生産拠点をタイからベトナムに移転する計画だ。ベトナムの金融情報サイト、ストックスプラスなどが18日に伝えた。
これはLGエレクトロニクスのタイ現地法人LGエレクトロニクス・タイランドの幹部であるニポン・ウォングサエンガルンスリ氏が16日にロイター通信の電話インタビューで明らかにしたもの。製造拠点の移転理由について、同氏は、「ベトナムへの投資魅力が高く、賃金が安いことも要因の一つだが、最大の理由は品質の確保と物流面でメリットが高い」としている。タイ工場では部品の大半を中国から持ち込んでいるが、納期が数週間と長い。しかし、ベトナムに生産移転すれば納期は1週間弱とかなり短縮されるとしている。
同社では現在、ベトナムに2工場を保有しているが、1つの工場に集約する計画。ベトナムの工場は韓国の工場に匹敵する最新の製造機械を導入したい考えだ。現在、LGはタイ工場で年間約60万台のテレビを生産しており、生産額は80億バーツ(約300億円)となっている。そのうち、10万台が輸出されているという。(了)