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そろそろ終活世代の親へのプレゼント選びで大切なこと

藤原友子小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

もうすぐ父の日、大切な人に贈るプレゼントを選ぶ時間は楽しいですが、人からの頂き物がたくさんあり困っている家もあります。

そこで今日は大切な人へのプレゼント選びはどうしたらよいかについてです。

私が親にプレゼントするもの

私は毎年70代の母に食事をプレゼントしています。その理由は3つあります。

1.一緒に楽しみたいから
2.片づけに困らないようにするため
3.モノの好みがわからない

これまで、日傘、ストール、ハンカチ、母の日のギフトっぽいモノをプレゼントしてきましたが、残念ながらあまり愛用している姿を観ることがなかったので、10年ほど前からは食べ物になったような気がします。

また、長年使った婚礼ダンスを片づけ、もっとシンプルにコンパクトに暮らしたいという母の思いに沿うように、収納場所を取らない(とってもすぐに消費される)食事のプレゼントになりました。

そろそろ終活を考える年代が抱える問題

私は60代以降の方の片づけのお手伝いに伺うと、プレゼントしてもらったけど、残念ながら気に入らなかったモノがあった場合、とりあえずどこかにしまい込み、かといって新品だから捨てることもできず、モノがどんどん増えていく様子を何度も見てきました。

本人がそろそろ身の回りを整理しておきたいと思っても、片づけにはかなりの気力体力がいります。

「片づけたい」と思うのに、人から頂いたモノを粗末することはできないと思っているのでなかなか行動ができずにいる人が多くいるのです。

だから私は安易に形のあるモノをプレゼントをして、相手のモノを増やすわけにはいかないと思っていますし、もしモノをプレゼントをするなら、よくコミュニケーションをとり本当に必要なモノを選んであげたいと思っています。

モノではなくコトのプレゼントも

また食べものや消費されるモノをプレゼントするのではなく、コト(体験)をプレゼントするのも素敵だと思います。

旅行、エステ、マッサージ、食事などがその例です。近年はモノ消費より、コト消費が注目され体験や経験の価値が重視されています。

モノではなくコトのプレゼントを選ぶことは、「経験などによって得られる濃厚な時間」「大切な人と過ごす喜び」などの目に見えない贅沢なプレゼントになるのかもしれません。

モノはいつまでも手元に残り、手にするたびに目にするたびに贈り主のことを思い出すことができるし、

コトは思い出として心の中に残り、記憶はだんだん薄れていくものですが、形として存在しないため収納場所を考えたり用意する手間はかかりません。

団塊の世代と呼ばれる人たちはモノを所有して楽しむという時代を経験しましたが、現代はSDGsやシェアリングエコノミーという言葉に代表されるように、ただモノを所有するのではなく、モノの生産過程や生産者の思いを知ったうえで、じっくりモノを選ぶの楽しんでいる人も増えていると聞きます。

プレゼントを選ぶ時は、贈る相手のことを思う時間です。

もらった人が管理に困らないようプレゼントはすべて「コト」にするのが一番いいというわけではなく、親のこれからのことを考えながらバランスよく思いのこもったプレゼントを選んでほしいと思います。

小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

片づけのプロとして活動を始めたのに、自分の家は「片づけても、また散らかってしまう」という矛盾に悩む。家が散らかってしまうことを隠そうとしていたが、「いつもキレイじゃなくてもいい。何かあったときにすぐに片づく家にしておけばいい」と開き直り新たなメソッドを確立。 いつもキレイにしなくちゃいけない、もっと頑張らなくちゃいけない、そんなプレッシャーから解放され、もっと自由に、その人らしく生きるお手伝いを「片づけ」を通して行っている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』(マガジンランド)

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