前年サイ・ヤング賞投票3位の投手がマイナーリーグ降格。AAAやAAではなくルーキーリーグへ
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6月6日、トロント・ブルージェイズは、アレック・マノーアをルーキーリーグへ降格させた。
今シーズンを迎えるまで、マノーアは、順調に歩んできた。メジャーリーグ1年目の2021年に、先発20登板で防御率3.20を記録したのに続き、昨シーズンは、先発31登板で防御率2.24。オールスター・ゲームに選ばれ、サイ・ヤング賞の投票では3位にランクインした。今シーズンは、開幕投手を任された。
ところが、ここまでは、先発13登板で防御率6.36だ。4月には7イニング無失点が2度あったものの、それ以外の11登板は6イニング未満。そのうちの8登板は5イニングを投げることができず、直近の6月5日は、初回に6点を取られ、1アウトしか記録できずに降板した。この「炎上」の前の時点でも、防御率は5.46と高かった。
4シーム、シンカー、スライダーの主要3球種に、チェンジアップを交える投球は、過去2シーズンと変わっていない。大きく違うのは制球だ。各シーズンの与四球率は、3.22→2.33→6.52と推移している。
メジャーデビュー前から制球に難があった、ということではない。マイナーリーグでは、シーズンが中止となった2020年を挟み、2019年にA-で6登板と2021年にAAAで3登板なので、サンプル数は少ないが、与四球率は2.65と1.50だった。
ブルージェイズが、AAAやAAではなく、マノーアをルーキーリーグへ送ったのは、試合で投げることよりも――登板もするだろうが――フォームなどを分析し、そこから修正を行うのが、主な目的なのかもしれない。
マノーアは、2019年のドラフト全体11位だ。現在の年齢は25歳。これから再スタートを切っても、遅くはない。
なお、5月20日の降板は、投球内容のせいではなかった。それについては、こちらで書いた。