マイ•ドリームは話しかけから!あなたの夢へ支援の〝波紋〟がどんどん広がる「ひとこと」とは
かつて「Let the word go forth」というフレーズを就任演説で語りかけたアメリカの大統領がいました。何かを実行して次世代につなげようといった意味あいでしたが、このフレーズを直訳すれば「ことばを先に放とう」です。「ことばありき」、有言実行宣言というわけです。あなたも誰かにこう話しかけてみてください。
「私には夢があります」
何かの仕事に就く、何かで一番になる、それに向かって挑む。誰かにそれを話すことで広がりが生まれるのです。
夢の始まりは話しかけから
ある医師が小学生の頃、医者になろうと思いました。薬剤師の父や医師漫画に感化されたのです。6年生の終わりに「将来なりたい仕事をする人」に扮する催しがあり、父の白衣を着て級友の前に立ちました。ちなみに二人一組の登壇で、隣は音楽家希望の女子だったそうです。
医師志望の子は医学部に、女子は音大に合格しました。二人共、相当努力をしたにちがいありません。目標をオープンにすることは自分を鼓舞して、めげずに努力する効果がありますから。
「歌を歌いたい」「野球選手になりたい」「たくさんの人を泣かせる物語を書きたい」。あなたのなりたいもの、したいことを素直に誰かに話しかけるのです。何歳からでもかまいません。それまでできなかったことがあるでしょう。夢を決めて誰かに話しかける。これだけです。
夢を公言すると波紋が起きる
夢を公言すると、水面に落とす石がつくる波紋のように広がりが生まれます。歌が好きな女の子の話を例にあげましょう。
両親は女の子にカセットプレーヤー付きのぬいぐるみをプレゼントしました。ポップスからクラシックまで様々な曲が再生できました。飽きずに聴いていた女の子ですが、ある日聴いたことのないカントリーが再生されてびっくり。女の子は後年カントリーポップスを歌うのですが、両親が密かにカセットを入れ替えたのは、娘の適性を見抜いたせいでしょう。
その女の子がストリートで歌い出したある日、同じ地域で歌う男性デュオを知りました。彼女はそのデュオと組みたいと熱望しました。そこで自分のギターを売り払って得たお金で、2本の高性能マイクを手に入れてデュオに贈り、「私と一緒にバンドしよう!」と話しかけました。三人が揃ったのがグラミー賞受賞への一歩となりました。
もうひとつ彼女のエピソードを追加します。彼女には憧れのイギリスの歌手がいました。あるアメリカの若者が病で亡くなり、そのことをイギリスの歌手が歌にしました。感動した彼女は手紙を書きました。あなたに憧れています、この曲のように若者を勇気づける歌を歌いたいと書いて。親交は長年続いています。
別の男の子の例もあげましょう。プロ野球選手になる夢をもった男の子は目標をチャートにしました。最上位は「ドラフト一位」。それを実現するために、サブ目標として体力や球速、変化球、コントロール、さらにメンタルや運、人間性などをあげました。サブ目標はさらに細かくブレイクダウンしました。そのチャートは、先輩の姿勢を参考にし、学校の監督のことばを聞いて、一流選手のプレーを学んでまとめていったそうです。
目標から生まれる波紋とは何でしょうか。
目標は波紋で達成されていく
波紋とは「才能を見抜く人」の出現であり、「そんなにしたいならやんなよ」とけしかける激励です。「こういう学校があるよ」「こういう道具をつかったら」という助言です。
「ロールモデル」も波紋です。憧れの人、目標とする人です。一流になった方法や姿勢やマインドを観察し、あるいはじかに聞いてみるのです。「ライバル」もいます。どうしても抜けない、追いつけないやつ。どうすれば追い越せるのか?意地こそ力なりです。
あなたの努力する姿を見て「いっしょにやろう」と声をかける未来の仲間もそうだし、「支援」を申し出る人もそうです。支援とはお金であり、活動舞台の紹介であり、あるいはあなたの目標と同じ方向の「別の道」の示唆かもしれません。
目標とは、そこから生まれる波紋で実現していくのです。波紋は「先に放つ」ことばからどんどん広がります。そのひとことをもう一度書いておきます。
「私には夢があります」
今週の〝話しかけドリル〟は「Let your dream go forth」あなたの夢をだれかに話しかけてください。世界一への熱戦を観て冷めやらぬ今こそ。