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井上尚弥が最強ランキング2位に ウシクが1位に選出された理由は

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
(写真:ロイター/アフロ)

18日(日本時間19日)、サウジアラビアのリヤドで、ボクシングヘビー級4団体統一戦が行われ、WBAスーパー・IBF・WBO統一王者オレクサンドル・ウシク(37=ウクライナ)とWBC王者タイソン・フューリー(35=イギリス)が対戦した。

この試合は、ヘビー級史上初の世界4団体統一戦として注目を浴びた。

試合の展開

試合が始まると、サウスポーのウシクが距離をつめながらプレッシャーをかける。

序盤はウシクが積極的にペースを掴むが、中盤からフューリーが巻き返し、試合は五分に。

そして9R目、ウシクが左ストレートをヒットさせ、追い討ちをかけるようにラッシュを浴びせ、ダウンを奪う。

その後は、一進一退の攻防が続き12Rを終えた。

判定は、115-112、114-113、113-114と僅差の2-1で、ウシクがヘビー級初の4団体統一王者となった。

互角の試合展開だったが、途中のダウンが勝敗の決め手となった。

勝利したウシクは「私のチームに感謝します。これは私にとって、家族にとって、国にとって大きな機会となりました」と話した。

対するフューリーは「試合は俺が勝ったと信じている。彼は数ラウンド勝ったと思うが、大半は俺が勝った」とコメントした。

再戦契約を交わしているため、再び拳を交える可能性も高いだろう。

最新のPFP

今回の試合で、PFPに変動があった。

試合の翌日19日(日本時間20日)、もっとも権威があると言われている、米ボクシングの専門誌「ザ・リング」が発表した最新ランキングは、以下の通りだ。

1位 オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)
2位 井上尚弥(大橋)
3位 テレンス・クロフォード(アメリカ)
4位 サウル・アルバレス(メキシコ)
5位 アルトゥール・ベテルビエフ(ロシア)
6位 ドミトリー・ビボル(ロシア)
7位 エロール・スペンス(アメリカ)
8位 ジャーボンタ・デービス(アメリカ)
9位 ジェシー・ロドリゲス(アメリカ)
10位 中谷潤人(M・T)

6日の試合で、PFP1位に輝いた世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上は、2位へ後退する結果になった。

PFPは、全階級を通じて最強ボクサーを決めるランキングだ。

ウシクがヘビー級初の4団体統一王者という偉業を成し遂げたが、「その階級での圧倒的強さを決めるという点では、井上やクロフォードには及ばないのではないか」という意見もある。

井上はこれまで4階級制覇を達成し、2団体で4団体統一に成功、階級をスーパーバンタム級に上げてからは、2人の王者と上位のボクサーをKOで退けてきた。

クロフォードも、無敗の王者エロール・スペンス・ジュニアをKOで下し、史上初の2階級4団体統一を成功させた。

ともにボクシング史に残る偉業を成し遂げたボクサーだ。

しかし、ウシクもクルーザー級からヘビー級に階級を上げ、小柄ながら最重量階級を統一するという歴史的快挙を達成している。

今回の試合で対戦したフューリーとの身長差は約15センチ、体重差は約12.9キロの差があった。それを覆しての勝利が評価されたのだろう。

近年、4団体対統一王者の誕生が相次ぎ、ランキングの変動が激しい。

だからこそチャンスでもある。2位になった井上だが、1位への返り咲きも十分期待できるだろう。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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