メジャー歴代最速で1500三振を奪ったダルビッシュ。記録更新を狙うデグロムに抜かれる心配もなし
6月21日(日本時間22日)にサンディエゴで行われたロサンゼルス・ドジャース戦に先発したサンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有は、6回を投げて2安打、1失点、11奪三振の快投で今季7勝目を挙げた。
7打者連続を含む11三振を奪ったダルビッシュは、メジャー通算1500奪三振を記録。通算197試合、1216回1/3での達成はどちらもメジャー歴代最速で、「メジャーの今までの歴史でも一番速かったということで誇りに思います」と胸を張った。
これまでの試合数でのメジャー最速はランディ・ジョンソンの206試合。ダルビッシュはビッグユニットの記録を9試合も縮めただけでなく、メジャー史上初めて200試合以下で1500奪三振に達した投手にもなったが、オールスター戦までにジェイコブ・デグロム(ニューヨーク・メッツ)も仲間入りしそうだ。
今季はニューヨーク・ヤンキースのゲリット・コールが、5月12日に通算212試合で1500奪三振を記録したが、ヤンキースの同僚のコーリー・クルーバーも5月14日に通算217試合で1500奪三振を達成。
わずか1ヶ月ちょっとの間に歴代6位までの記録が3つも誕生しているが、通算195試合に登板しているデグロムも1500奪三振に残り24と迫っている。
二桁奪三振を今季すでに5度も記録しているデグロムは、ダルビッシュの記録を超える可能性もあった。しかし、6月21日のアトランタ・ブレーブス戦で5回、6奪三振と記録を伸ばせずに、試合数でダルビッシュを超えるのはほぼ無理になった。
それでも、1試合14奪三振以上を今季3度も記録しているデグロムであれば、残り2試合で24奪三振は達成可能な数字。197試合でダルビッシュに並ぶ可能性は残している。
イニング数ではダルビッシュの1216.1イニングを上回る1241.2イニングを投げているために、デグロムの新記録達成は無理。2位のスティーブン・ストラスバーグまでには約30イニング残しているために、デグロムが歴代2位となるのはほぼ間違いない。
奪三振に対して「特にそこまで意識はしていない」と言うダルビッシュだが、ジョンソンやロジャー・クレメンスなどメジャーの歴史に名前を残す大投手を超えての記録達成には、「一つの記録ではあるので嬉しい」と素直に喜んだ。
「こっちに来て最初の頃は(三振を奪うのは)スライダーと速いカーブだった。今は4シームもそうですし、全部の球種で三振を取れる。来たときよりもっといい投手になれた」と口にするように、今季はスプリット(50.0%)、4シーム(48.8%)、シンカー(46.9%)、カーブ(42.4%)と4つの球種の奪三振率が4割を超えている。
豊富な球種を操り、どの球でも三振を奪えるダルビッシュ有の名前がメジャーリーグの歴史に刻まれた。