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[高校野球]春の成績がそのまま夏に反映しやすい府県はどこだ?

楊順行スポーツライター
(写真:岡沢克郎/アフロ)

 南北北海道と沖縄に続き、愛知と福岡でも地方大会が始まった夏の高校野球。6月には「春の都道府県大会1・2位校が、夏の甲子園に行く確率は?」と題し、春季大会の結果がどう夏に結びつくか、その傾向を調べてみた。そのまとめとして、コロナ禍で大会が中止になった2020年を除く直近の10大会で、春の優勝校がどれだけ夏の代表になっているか、各府県のランキングを以下に示してみた。表中に「.800」とあれば、春の優勝校が夏の10大会中8大会を制したことを示す。()内は、春の準優勝校が夏の代表になった率。()がない県はこの期間、春の準優勝校は一度も夏の代表になっていない。

1   石 川 .800

  和歌山 .800

3   福 島 .700

  富 山 .700(.100)

5 宮 城 .500

千 葉 .500(.100)

神奈川 .500(.100)

   山 梨 .500(.100)

大 阪 .500(.100)

奈 良 .500(.100)

広 島 .500(.100)

12 秋 田 .400

山 形 .400(.200)

群 馬 .400(.100)

三 重 .400(.200)

新 潟 .400(.100)

長 野 .400(.100)

滋 賀 .400

大 分 .400

高 知 .400(.100)

21 青 森 .300(.100)

   岩 手 .300(.300)

茨 城 .300(.200)

栃 木 .300(.300)

埼 玉 .300(.300)

鹿児島 .300(.100)

27 静 岡 .200(.100)

福 井 .200(.100)

京 都 .200(.100)

岡 山 .200(.200)

徳 島 .200(.100)

長 崎 .200(.100)

33 愛 知 .100(.100)

岐 阜 .100(.300)

兵 庫 .100(.100)

鳥 取 .100(.200)

島 根 .100(.100)

香 川 .100(.100)

愛 媛 .100(.200)

佐 賀 .100(.100)

熊 本 .100(.200)

宮 崎 .100(.100)

沖 縄 .100(.200)

44 山 口 .000(.400)

福 岡 .000

 なお北海道と東京は2代表のため、ここでは別扱いとした。参考までに、北南北海道と東西東京で、春の優勝(準優勝)校が夏の代表になった回数は、北北海道=0 南北海道=2(4) 東東京=1(1) 西東京=1(1)。

聖光学院・星稜・智弁和歌山・仙台育英は◎

 上位にランクインした府県で特徴的なのは、当然ながら1強もしくは2強の傾向が濃いことだ。たとえば石川なら、星稜は春に6回優勝し、その年はすべて夏の代表に。ほかに小松大谷と遊学館も春夏優勝だ。和歌山も、智弁和歌山が春の優勝8回のうち6回、市和歌山は春優勝の2回とも、夏を続けて制した。福島なら聖光学院、富山は高岡商と富山商、宮城は仙台育英……。

 これらの県では、春の準優勝校が夏の代表になるケースは比較的少ない。ただ花巻東と盛岡大付が2強の岩手では、春の決勝で敗れた盛岡大付が夏に借りを返す傾向があり、その分()内の数字が高い。山口と福岡は、春に優勝すると夏には勝てないというジンクスがありそうだ。もっとも山口は、春の準優勝校が夏に巻き返す率がもっとも高いリベンジ県でもあるが。

 参考までに、春優勝→夏優勝の回数が多いチームを挙げてみる。()内は、期間中の春夏それぞれの優勝回数。

聖光学院(福島)  7回(8/9)

星 稜(石川)   6回(6/7)

智弁和歌山  6回(8/6)

仙台育英(宮城) 5回(7/7)

智弁学園(奈良) 5回(7/5)

大阪桐蔭     4回(6/5)

 このうち、仙台育英までの4校は、今春の大会も優勝している。つまり、過去の傾向からすると、この夏もかなり有力といえそうだ。

スポーツライター

1960年、新潟県生まれ。82年、ベースボール・マガジン社に入社し、野球、相撲、バドミントン専門誌の編集に携わる。87年からフリーとして野球、サッカー、バレーボール、バドミントンなどの原稿を執筆。85年、KK最後の夏に“初出場”した甲子園取材は63回を数え、観戦は2500試合を超えた。春夏通じて54季連続“出場”中。著書は『「スコアブック」は知っている。』(KKベストセラーズ)『高校野球100年のヒーロー』『甲子園の魔物』『1998年 横浜高校 松坂大輔という旋風』ほか、近著に『1969年 松山商業と三沢高校』(ベースボール・マガジン社)。

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