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この投手がオールスターに選ばれていないのはおかしい!? 防御率は4位、奪三振率はトップ

宇根夏樹ベースボール・ライター
ディラン・シース(シカゴ・ホワイトソックス)Jul 7, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月10日に発表されたオールスター・ゲームのメンバーに、ディラン・シース(シカゴ・ホワイトソックス)の名前はなかった。

 発表前日の時点で、シースの防御率は、ア・リーグの4位に位置していた。17登板で92.0イニングを投げ、防御率2.45だ。奪三振率13.01は最も高く、133奪三振は2番目に多かった。最多は、141奪三振のシェーン・マクラナハン(タンパベイ・レイズ)。マクラナハンとシースに次ぐ3位は、124奪三振のゲリット・コール(ニューヨーク・ヤンキース)だ。

 また、ホワイトソックスから選出された選手は、遊撃手のティム・アンダーソンしかいない。アンダーソンは、ファン投票で選ばれた。

 ア・リーグの防御率トップ10(7月9日時点)と、オールスター・ゲームに選ばれた先発投手は、以下のとおりだ。

筆者作成
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 シースの防御率は、規定投球回未満の大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)とほとんど変わらず、奪三振率は、他の投手だけでなく、大谷も凌ぐ。

 もっとも、シースの与四球率は4.21だ。ア・リーグで規定投球回以上の29人のなかで、最も高い。被打率.204は5番目に低いが、WHIP1.23は19位に過ぎず、下から数えたほうが早い。9登板で100球以上を投げているものの、過半数の5登板は6イニング未満だ。

 オールスター・ゲームに選ばれていないのは、まったくおかしいとも言いきれない気がする。

 7月12日の登板も、それまでと同様だった。5.2イニングで106球。9三振を奪って無失点ながら、6回裏の2死三塁から2人続けて歩かせ、そこでマウンドを降りた。この登板により、わずかとはいえ、奪三振率は上がり(13.01→13.09)、防御率は下がった(2.45→2.30)。その一方で、与四球率は上昇(4.21→4.24)した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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