ラニーニャ発生の可能性が引き下げ この冬の天候はどうなる?
最新の予測によると、この冬、ラニーニャ現象が発生する確率は前回よりも10ポイント下がり、50%となりました(発生しない確率も50%あります)。
ラニーニャ現象の特徴が現れつつあるものの、発達は弱く、発生に至らない可能性が出てきました。
ラニーニャ現象が発生すると、全国的に気温が下がり、寒い冬になる傾向がありますが、この冬の寒さや大雪はどうなるのでしょうか?
この冬の予想「気温は低め、雪は多め」
ラニーニャ現象とは南米ペルー沖の海面水温が基準値よりも低くなる現象で、日本の天候に大きな影響を与えます。
この冬はラニーニャ現象の発生を見込み、冬の平均気温は西・東日本で低くなる可能性が高くなっています。
また、降雪量もラニーニャ現象の影響で、冬型の気圧配置が強まりやすいことから、日本海側では多くなる予想です。一方、太平洋側は冬の間、南岸低気圧が少なく、降水量は少なくなる可能性が高いです。
いつ頃から寒くなる?
きょう(13日)の東京は午後1時前に、最高気温26.6度を記録し、今年147日目の夏日になりました。一年の半分近くが夏日となる異例の年となっています。
こちらはラニーニャ現象が発生した時の平均気温を確率で示した図です。上から順に、10月、11月、12月、1月となっています。
10月は全国的に気温が高いですが、11月になると北・東日本で気温が低くなり、12月をピークに、西・東日本は統計的に有意な低温を示します。
ラニーニャ現象が発生しなかったら?
ラニーニャ現象はこれまで17回発生し、そのうちの5回は秋に発生しました。秋に発生するラニーニャ現象は中程度の発達で、短い傾向があります。
今後、12月、1月をピークにラニーニャ現象が発生するとみられていますが、発達の程度は弱く、短期間で終わる可能性が高いです。
ラニーニャ現象が発生しなかった場合でも、大気の流れはラニーニャ的な特徴を示すため、日本海側では大雪となる時期があるでしょう。
昨年の冬は記録的な暖冬となりましたが、この冬は冬らしい天候が戻ると思います。
【参考資料】
気象庁:エルニーニョ監視速報(No. 385)2024 年 9 月の実況と 2024 年 10 月~2025 年 4 月の見通し、2024年10月10日
気象庁ホームページ:エルニーニョ/ラニーニャ現象に関する知識
気象庁:寒候期予報(2024年12月~2025年2月)、2024年9月24日
米海洋大気局(NOAA):October 2024 ENSO update: spooky season、October 10, 2024