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大迫勇也不在でも日本はセンターフォワード中心主義を貫けるか

杉山茂樹スポーツライター
写真:岸本勉/PICSPORT

 先週行われたチャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦、ユベントス対アトレティコ・マドリーの第2戦は、大仰に言えば現代サッカーを語る上で欠かせない試合だった。

 アトレティコホームで行われた第1戦は2-0。アトレティコがセットプレーから2ゴールを奪い、勝利を手堅くものにしていた。ところがユベントスはその第2戦を3-0とし、通算スコアを3-2とする大逆転勝利を収めることに成功した。守らせたら強いアトレティコに対して。

 ヒーローに輝いたのはクリスティアーノ・ロナウド。ハットトリックの活躍だった。3ゴールのうち最後に奪ったPKはともかく、流れの中から奪った2得点はまさに圧巻で、C・ロナウドという特別な選手でなければ奪えなかったゴールだった。

 その昔は、見かけにくいシーンだった。たとえば90年代初めまでだ。ディフェンスはフォワードに対して優位を保っていた。W杯で言えば、90年イタリア大会ぐらいまで、欧州のサッカーは明らかに守備的だった。そこから徐々に攻撃的になっていくのだが、なにより当時はいいフォワードが少なかった。

 いい選手は中盤に偏っていた。ブラジルの中盤、フランスの中盤がもてはやされた時代といえばイメージしていただけるはずだ。10番、将軍、司令塔、トップ下、少し後にはファンタジスタなるイタリア語も市民権を得るようになった。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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