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「保身に走る監督」対「サッカー競技の発展、繁栄を考える監督」という対立軸

杉山茂樹スポーツライター
(写真:ロイター/アフロ)

 サッカーはGKで決まる。劣勢の試合をGKのファインセーブでモノにした時など、特にそう言いたくなる。瞬間、GKの力量は結果に3割ぐらい影響しそうな印象を与えるが、一方で、GKの活躍がスコアに関与しない試合も同じくらいある。攻められる機会が少なく、GKが活躍せずに勝利を飾れば、GKの重要性は忘れがちだ。

 センターフォワードの重要性もGKに似ている。3割と言いたくなる場合もあるが、それほどだと思わない場合もある。

 僕がたびたび指摘する「サッカーはサイドバックで決まる」も、試合展開に左右される。接戦になるほど重要視したくなるポイントだが、毎試合あてはまるわけではない。

 それは、すべてのポジションに付いて言える。重要となる箇所は展開次第で変わる。

 どんな場合も高い影響力を保持するのは選手ではない。監督だ。結果や内容に監督が影響を及ぼす割合は平均3割。1割の時もあれば5割の時もあるが0であることは全くない。

 その割合は、あらゆる競技の中で断トツの1番ではないかと思われる。なによりサッカーには、選手の善し悪しを示す具体的なデータがない。監督は自らの主観を頼りにメンバーを決める。監督交代を機に、スタメンの顔ぶれが一変することはよくある話だ。

 布陣も選択する。採用可能な選択肢は少なくとも10通り。守備的な布陣もあれば、攻撃的な布陣もある。中庸な布陣もある。どの布陣を選択するかでサッカーは激変する。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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