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【英会話】I recommended he should と言ったら、変な顔された なんで?

英語雑学エッセイスト 徳田孝一郎英語・英会話研修スクール「英語・直観力」代表

 20年ほど仕事で英語を話していますが、たまにですが、え? これって使わない言い方なの? と驚くことがあります。中高で習った英文法の知識を使ってるのに、ちょっと違和感があるね と言われたりするんです。

 そんな私の失敗英語や、今も私の周りで起こっている失敗英語を多少脚色も加えて、ご披露したいと思います。今回は読むとより今風の英語を得られるお得なエッセイです。

彼に、河合隼雄の本を読むことを勧めたよ

 私の会社では企業様の英語全般の顧問のようなことをやらせていただいているんですが、ちょっと前から個人向けのレッスンの提供も始めていて、私自身も講師をやらせていただいています。生徒様からは「先生」なんて呼ばれたりして、ちょっとむず痒い。でも、ありがたいことに、それなりにご満足いただけているようで、英語・英会話の合間に、個人的な相談事を話してもらったりもする。

 二十代のその生徒様は最近チームリーダーに指名されたんだそうです。会社としては早めにマネジメント業務を経験させたいという意図があるんだろうなぁ、と私には思えたんですが、当の本人はあまり愉しそうじゃない。マネージメントを怠けてるわけじゃなんです。プロジェクトを成功させるために、率先して動いてリーダーシップをとってるけど、どうもチームがぎくしゃくしてる。
 そんな話を聞きながら、ああ、これは、河合隼雄の場の倫理の典型だなぁ と気づいた。日本の組織の上位者は調整役か象徴でしかないという有名な話です。
 そこで、「働き盛りの心理学」って本があるから読んでみたらとおすすめしておきました。いい本ですからね。役に立つといいんですけど。

 で、その話をEnglish man の友人のRichに話した。Richには、以前、日本の組織のリーダーが不思議な存在だといわれたことがあって、河合隼雄の話はしてあったんですね。で、こう言ってみる。

I recommended he should read KAWAI, Hayao's book. (彼に、河合隼雄の本を読むことを勧めたよ)

 そしたら、Rich、それはいいことしたね、と言った後、でも、ちょっと気取ってるかな とのたまう。私自身の話じゃありませんよ、たぶん。私の英語です。

 みなさん、私が言った英語、どこが気取ってるかお判りになるでしょうか?

 わたしの言った英文は、特に大きな間違いはありません。recommend やsuggest などの動詞の後ろにthat S V が来る場合、Vは原型を用いる。または、Englandではshould を入れるというのを高校で習ったのを思い出して、should を入れたんです。Rich、English man ですからね。でも、それが問題だった。

 Rich曰く、確かにshould は入れることができるけど、ちょっと気取った感じになるそうで、文によっては自然な感じに聞こえないんだとか。なので、should は入れないでいいとのことでした。このあたりは、どんどん変化しているところで、Native English Speakerと話さないと判らない。ちょっと得しました。
 知識の更新のためにNative English Speakerと英会話するのも良いかもしれません。

 と、こんな感じで、Native English Speakerたちとの英語やカルチャーギャップのお話をご披露したいと思っております。 お気に召しましたら是非ともごひいき(フォロー)くださいますようお願い申し上げます。

 おっと、私が本当はどういうべきだったかを書いてませんでした。should を使わないなら、前述したように、recommend やsuggest などの動詞の後ろのthat S VのVは原形です。なので、

I recommended he read KAWAI, Hayao's book.

です。このread の発音はリードですよ、過去形のレッドではないのでご注意を。

イラスト 大橋啓子

【お知らせ】

8月19日(月)から22日(木)の4日連続で、the, a(an) といった冠詞の徳田流運用術のエッセイをお送りします。
どういうときに、the を使い、どんなときにa をつかうのか? そして、the もa も使わないってどういうことなのか? 
 実は、昔、Native English Speakerたちと、ああだこうだ と話し合って作った理窟がありまして、それを大公開します。
 月曜から木曜の9PM(21時)にアップ予定です。お愉しみに。初回はこちら

英語・英会話研修スクール「英語・直観力」代表

英語嫌いだったが、仕事で必要に迫られ英文法をマスター。その実績を買われて英会話習得カリキュラムを作成するために英会話スクールに転職し活躍する。この時期に英文法をネタにした小説「英語の国の兵衛門」も上梓。その後Vice-presidentとして外国人のマネージメントを経験し、日本人とは違った価値観や思考法に振り回されながらも奮闘する。現在は独立し、英語・英会話研修スクール「英語・直観力」を経営している。

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