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【英会話】early morning って言ったら、首を振られた なんで?

英語雑学エッセイスト 徳田孝一郎英語・英会話研修スクール「英語・直観力」代表

 仕事で英語を話して20年ほどになりますが、話し始めて気づいたのはNative English Speakerが、いつものことなのか? そのときだけのことなのか? をきっちり区別する ということです。普遍的なことと個別のことを分けて考えてるんですねぇ。この辺りは時制に現れていて、I run. というと わたしは(習慣的に)走る といういつものことだし、I'm running. というと私は(いま、もしくはいつもとちがって)走っている というそのときだけのことを伝えて来るんです。
 私もそれは充分承知していたんですが、この前ちょっと慣れないことを言おうとして足元を掬(すく)われました。あっ、普遍と個別の視線を忘れてたと反省です。

 そんな私の失敗英語や、今も私の周りで起こっている失敗英語を多少脚色も加えて、ご披露したいと思います。今回は、読むと英語の発想を身に付けられるお得なエッセイです。

日本では早朝に配信されるからね

 English man の友人のRichとは仕事の話もよくしますが、それ以外の話題でもよく盛り上がります。まぁ、おもに本や哲学の話題が多いんですが、10月のこの時期になるとよく出てくるのはfootball の話題です。
 8月の末あたりから開幕した各国のリーグが盛り上がって来てビックマッチが組まれている時期なんです。世界最高水準のプレーヤーの技術も、最高水準の戦術も観られるんで、観る前からふたりでああだこうだ、観た後にまたああだこうだと仕事になりません。いや、仕事はしてるんですよ、仕事にならないなんて比喩です、盛ってます。ホントウです。

 でも、このthe Far East の国に住むふたりにはちょっとした困難がある。同じくfootball 好きの方ならピンとくるでしょうけど、ヨーロッパのビックマッチって日本の朝方に配信なんです。4時とか5時に配信される。向こうの夜8時とか9時が、試合の開始時間なんで仕方ないですけど。
 実は明日10/27の早朝4A.M. にラ・リーガ(スペイン)で、レアル・マドリーとバルセロナというビックマッチがありまして、このあいだRichが 徳さん、ライヴで観るの? って振ってきた。ライヴで観たいのはやまやまなんです。でも、それに合わせて早起きしたら、確実に1日中仕事にならないんで、それを、こう言ったんですね。

Unfortunately, I can't see the match, since it will be shown in Japan early morning. (残念だけど、観られないよ、日本では早朝に配信されるからね)

 そしたら、Rich、さらっと首を振る。根性出して、早起きして観ろよ という意味ではありません。私の英語がちょっと変なんです。

 みなさん、どこが変なのかお気づきでしょうか?
 枕を振ってあるので、普遍と個別のミスマッチなんだろうと推測されると思いますが、問題はどこにミスマッチがあるかです。
 整理していくと、この文はレアル・マドリーとバルセロナのビックマッチという個別のことを話しているわけですが、一か所だけ普遍的な表現をしている部分がある。それが、首を振られた原因です。どこでしょう?

 気づかれましたか? 
 そう、それは、early morning。早朝に という意味でなんですが、これ、いつでもいい早朝 ってことなんです。普遍的な方に入る。なので、Richにとっては違和感があるんですね。

 いつもヨーロッパのfootball を観るときに普遍的なこととして朝早いからなぁ~ をearly morning と言っていたのでやらかしました。
 英語を話すときに、これっていつものこと? それともそのときだけのこと? という視線を持って英語を話すとかなり自然な言い回しができます。お試しください。

 と、こんな感じで、Native English Speakerたちとの英語やカルチャーギャップのお話をご披露したいと思っております。お気に召しましたら是非ともごひいき(フォロー)くださいますようお願い申し上げます。

 おっと、個別の早朝という言い方を書くのを忘れてました。

early in the morning

です。その朝の早くに ということですね。

イラスト 大橋啓子

英語・英会話研修スクール「英語・直観力」代表

英語嫌いだったが、仕事で必要に迫られ英文法をマスター。その実績を買われて英会話習得カリキュラムを作成するために英会話スクールに転職し活躍する。この時期に英文法をネタにした小説「英語の国の兵衛門」も上梓。その後Vice-presidentとして外国人のマネージメントを経験し、日本人とは違った価値観や思考法に振り回されながらも奮闘する。現在は独立し、英語・英会話研修スクール「英語・直観力」を経営している。

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