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FB五郎丸、スーパーラグビー初先発も黒星に笑顔なし 「自分に与えられた仕事を100%できなかった」

斉藤健仁スポーツライター
キックの成功率を高めてチームの勝利に貢献できるか(写真は開幕節)(写真:ロイター/アフロ)

ついにFB五郎丸歩がレッズの「15」番を背負って、スーパーラグビー初先発を果たした。だが、ホーム開幕戦を白星で飾ることはできなかった。

3月5日、オーストラリアのブリスベンのサンコープスタジアムでおこなわれたスーパーラグビー2016の第2節、レッズは、オーストラリアのライバル・フォースを迎えた。レッズにとっては今年のホーム初ゲームだったが、6-22で敗戦した。

FB五郎丸にとってはスーパーラグビー初先発の試合となり、前半はすばらしいタッチキックや3-3の同点になるPGを決めた。だが後半5分には左中間からのPGを外し、22分にも正面35mのPGもバーに当てて外した。26分にはPGを決めたものの、ダイレクトタッチもあり、チームを勢いに乗らすどころか、ややブレーキとなってしまったことは否めない。

一方でフォースのキッカーであるSOジョノ・ランスが5本のPGをすべて決めて、チームの勝利に大きく貢献した姿とは対照的だった。

試合後、メディアに対応したFB五郎丸の表情はさすがに硬く、笑顔を見せることなく、こう答えた(レッズの公式HPより)。

「自分に与えられた仕事を今日は100%できなかったことについては残念です 課題はいろいろありましたが、やっぱり自分に与えられたキックとかで結果を残さないとチーム力になれない。まずはそこを修正するのが一番の課題です」

また「どう修正するか?」と聞かれて「方向性とかいろいろとあるが結果がすべてなので結果を残せるようにやっていきたい。キッカーとしての役目はどのチームに所属しても変わらない。しっかり自分を見つめ直してまた一からやっていきたい」と反省しきりだった。

ただホームで初先発、80分間出場したことは大きな一歩となったであろう。五郎丸もホームでの初戦を経験して「すばらしいスタジアムだと思います。陸上トラックがなく、球技場なので非常にお客さんとも近い。2019年のワールドカップでも、この(サンコープスタジアム)ようなスタジアムが作られることを願いします」と述べて、「日本人も多かったですし、(今後は)ファンの方を喜ばせるように結果を残していきたい」と先を見据えた。

スーパラグビーはまだ2戦目が終わっただけであり、こらからまだまだFB五郎丸にチャンスは回ってくるはずだ。レッズは3月12日にアウェイでレベルズ(オーストラリア/WTB松島幸太朗所属)、19日はホームでブルーズ(NZ)、27日はホームでワラターズ(オーストラリア)と試合は続いていく。FB五郎丸はキックの成功率を高めてチームの勝利に貢献したいところだ。

スポーツライター

ラグビーとサッカーを中心に新聞、雑誌、Web等で執筆。大学(西洋史学専攻)卒業後、印刷会社を経てスポーツライターに。サッカーは「ピッチ外」、ラグビーは「ピッチ内」を中心に取材(エディージャパン全57試合を現地取材)。「高校生スポーツ」「Rugby Japan 365」の記者も務める。「ラグビー『観戦力』が高まる」「ラグビーは頭脳が9割」「高校ラグビーは頭脳が9割」「日本ラグビーの戦術・システムを教えましょう」(4冊とも東邦出版)「世界のサッカー愛称のひみつ」(光文社)「世界最強のGK論」(出版芸術社)など著書多数。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。1975年生まれ。

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